編集長時代に“降格覚悟”でフィッシュマンズを表紙に抜擢したこと、フィッシュマンズが生み出す音楽への愛、そして佐藤伸治というミュージシャンへの想い。ここで私はその文章について語ることはできないし、する必要もない。ただ、読み終えた瞬間、「なんて綺麗な文章なのだろう」と思った。いろいろな感情が愛に集約されていくその文章の力は、圧倒的だった。

何の因果か、私はこうしてライターとして文章を書いているが、中学生・高校生の時期に読んでいたイノマーさんの文章、そして『オリコン・ウィーク The Ichiban』から深く影響を受けている。
雑誌名も変わってしまったが、それでも『オリ★スタ』の休刊のニュースは複雑な気持ちをもたらすものだった。また、CDの売上枚数もがた落ちし、一人による同一作品の複数枚購入商法が当たり前となりつつある中で、ヒットチャートの存在理由が問い直されている。

世は万物流転で、全ては変わる。自分の青春期を彩った雑誌が休刊するのは悲しいことだが、時間の流れに逆らうことはできない。だから、私は『オリ★スタ』に「ありがとう」という言葉を捧げて、この記事を終えることにする。
(新刊JP編集部/カナイモトキ)

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