代表的な「夏風邪」の1つで乳幼児がかかりやすい感染症「ヘルパンギーナ」が2016年7月上旬、大流行の兆しをみせている。

重症化すると命にかかわる場合もあり、効果的な治療法や予防法がないため、国立感染症研究所では早期受診を呼びかけている。

口内に水ぶくれができ、痛くて食べられない

同研究所によると、2016年の第24週(6月13〜19日)時点で、全国の定点医療機関(約3000か所の小児科)の1か所あたりの患者数は0.91人となり、11週連続で増加した。同期比では、過去最大の流行だった2011年以降最多となった。都道府県では鳥取の4.05人が最多で、西日本に多いが、流行が東日本、首都圏へと移り始めている。例年のケースではピークは7月下旬になるとみられ、2011年の大流行に匹敵する勢いだ。

ヘルパンギーナにかかるのは、5歳以下の乳幼児が9割、残りの1割も6〜7歳までがほとんどだ。ウイルスに感染すると、2〜5日ほどの潜伏期間を経て38度以上の高熱が出る。のどが真っ赤に炎症を起こし、強い痛みを感じる。さらに、口内に発疹や小さな水ぶくれが数個〜数十個できるのが特徴だ。

痛がって食事や水をとらなくなるので、脱水症状を起こしやすい。まれに心筋炎を引き起こし、心不全につながる恐れもある。感染者に近づかない以外に予防法はない。また治療法もなく、熱さましなどの対処療法だけになるため、重症化する前に医療機関で受診するよう、同研究所では呼びかけている。