Android Oも見据えるシャープのAndroid Oneスマホ「507SH」開発秘話。『3倍大変だった』

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ワイモバイルは、国内初のAndroid Oneスマートフォン「507SH」を7月下旬に発売します。実質価格は1〜2万円。素のAndroidを搭載し、最低1年6か月間の最新OS保証がつくAndroid One端末ながら、防水やワンセグなど日本仕様にも対応。開発企画に携わったシャープの遠藤裕二氏に、507SHの裏話を聞いてきました。

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「新興市場向け」Android Oneがなぜ日本に?

Android Oneは、発売日から1年6か月間の最新OS保証と迅速なバージョンアップ、そしてメーカーによってカスタムされていない素のAndroid OSを搭載し、ピュアなAndroid UIを売りにしたグーグルの取り組みです。

Nexusとの違いを説明すると、Nexusではグーグルが端末のデザインや性能までを管理していました。一方のAndroid Oneは、より自由度が高いのが特徴。投入市場において、地場のメーカーが、その地域の特色に合わせてカスタマイズした端末を開発できます。例えばインド市場では、同国でニーズの高いデュアルSIM対応のAndroid Oneを発売するといった具合です。

一方で気になる点も。2014年9月の発表当初、グーグルはAndroid Oneを「新興市場に低価格で高品質なスマートフォンを提供する取り組み」とも説明していました。端末も1万円台と低価格。このように、新興市場向けと思われていたAndroid Oneが、なぜ今回日本で発売されることになったのか、不思議に思われる方も少なくないのではないでしょうか。

▲国内初のAndroid Oneスマートフォン 507SH

そんな疑問に対するグーグル担当者の回答は次のとおり。Android Oneを2014年に発売して以降、OEMや通信キャリアから数多くの声がけがあるなかで、グーグル内部におけるAndroid Oneの位置づけが変わってきたといいます。直近では、経済発展の進むトルコで3万円台のミッドレンジAndroid One端末を投入。決して廉価な端末だけに限定しているわけではないと話します。

507SHでは、ワイモバイルブランドを運営するソフトバンク側が、グーグル側にAndroid One端末の開発を持ちかけました。そして今回、507SHの正式発表に至ったというわけです。

▲グーグルでAndroid&Playビジネスディレクターを務めるKara Bailey氏も発表会に登壇

開発メーカーは、Android端末でソフトバンクとパートナーシップを結ぶシャープに選定。開発の声かけは去年の秋頃に実施しました。それが今年7月下旬に発売決定と、新端末としてはかなりスピーディーに開発が完了したように思えますが、それはau向けのシャープ製スマートフォン AQUOS Uをベースにしているため。外観やスペックはほぼ同一となっています。

Android Oneの開発「通常の3倍大変だった」

507SHの開発企画に携わったシャープの遠藤裕二氏は、Android Oneの開発について「通常のAQUOSスマホより3倍大変だった」と振り返ります。開発当初は、そもそもAndroid Oneが何かを把握しておらず、どんな機能を載せられるのか、といった点で大変苦労したそうです。

▲507SHの開発企画に携わったシャープ株式会社の遠藤裕二氏

なお507SHの開発に際し、シャープ・グーグル・ソフトバンクの3社が協議を重ねました。そこでは、Nexusに比べたAndroid Oneの特徴の1つ「ローカルフィット」、つまり日本に適合する機能や特色をどう打ち出すかも検討したそうです。

遠藤氏によれば、Android Oneにはプリインストールアプリに大きな制限はありません。重要なのは迅速なOS更新に対応できるかできないか。3社での検討時には、次期OSのAndroid Nougat(Android N)の次となる「Android O」までをも見据え、迅速なOSバージョンアップと両立できるローカルフィットの検討を重ねたといいます。

▲507SHではキャップレス防水防塵にmicro SD、ワンセグ、3010mAhバッテリー、IGZOなどシャープらしいスペックが並ぶ (ベースはauのAQUOS U)

▲Android純正以外のアプリは4つのみ

この日本向けのローカルフィットを満たすため、シャープは防水に加えて、迅速なOS更新を担保しつつ、ワンセグを『苦労して』実装。なお、FeliCaについては、どうしてもOSの迅速更新の支障になることから、導入は断念したとしています。また開発の初期には「エモパー」の搭載も話に上がったといいますが、結局は非搭載となりました。


「最新Android OSに早期アクセス可能」の恩恵は

また遠藤氏によると、Android One端末を開発したことで、最新Android OSへの早期アクセスが可能になったとのこと。これを通常のAQUOSスマートフォンのOS迅速化に役立てられるが尋ねると「できることはできる」(伊藤氏)とする一方、リソース配分の兼ね合いもあり、実際には難しいとしています。

▲背面にはSHARPとAndroid Oneロゴのみ

なお507SHにAQUOSブランドは付与されていません。これについて遠藤氏は、「Android OneとAQUOSでは二重ブランドになってしまう」「Android OneとSHARPというロゴが背面にあるので、その2つを出したほうが、メーカー名もわかるし良いという結論に至った」と述べました。

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