女性に多い「かくれ水虫」、その90%以上は自覚症状なし!?

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執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士)

最近増えている かくれ水虫の症状や予防法 を知っていますか?


水虫といえば、足が痒かったり、じゅくじゅくしたりするものと思われがちですが、実は、そんな自覚症状がまったくない「かくれ水虫」が、若い女性などの間で増えています。
自分でも気づかないうちに水虫菌を家に持ち込み、家族にうつしてしまうことが多いため、しっかりした対策が必要です。予防法とともにチェックしましょう。

 かくれ水虫、9割に自覚症状なし


水虫は、白癬(はくせん)菌というカビの一種が、皮膚の角層とよばれる表面部分に感染することによって発生します。7月から8月には少なくとも4人に1人は水虫にかかっているとされますが、実は、痒みを感じる人はわずか1割前後。
およそ9割の人に自覚症状がないため、まさか自分が水虫だとは思っていない「かくれ水虫」の状態である可能性が高いのです。

自覚症状がないため、気づいた頃にはかなり水虫が進行してしまっていることがあるほか、知らないうちに家族や友人にうつしてしまったり、フィットネスクラブや温浴施設などの公共施設に白癬菌を持ち込んでいることもあります。
特に家庭内では広がりやすく、家族の1人が「かくれ水虫」の場合、全員がそうなってしまっている可能性も十分考えられます。

 かくれ水虫の症状や予防法 :自分では判断できない


では、どうすれば自分が「かくれ水虫」かどうか分かるのでしょう。
実は、水虫と紛らわしい皮膚の病気は多く、皮膚科の専門医でも肉眼で見ただけでは判断がつきません。皮膚の一部を削り取り、顕微鏡を使った検査や培養検査を行って初めて、かくれ水虫であるかどうかを正式に診断します。

ただ、夏場に以下のような症状がある場合はかくれ水虫である可能性がありますので、専門医を受診することをおすすめします。

・足の指の間の皮がむけたり、白くふやけたりする

・足の裏に小さな水ぶくれができたり、皮がむけたりする

塗り薬などによる治療を受けると、およそ2週間ほどで改善しますが、この時点ではまだ白癬菌が皮膚に潜んでいるため、指の間から足の裏全てに1か月以上塗り続ける必要があります。


水虫が進行すると、爪が厚くなって白く濁る「爪水虫(つめみずむし)」になり、ひどい場合は歩くのにも支障をきたします。こうなると飲み薬でないと治らないため、早めに治療をすることが大切です。

 かくれ水虫の症状や予防法 :洗いすぎは逆効果


かくれ水虫を予防するために、原因となる白癬菌が足に接触することを防げればよいのですが、家に限らず、素足になる場所では感染の可能性をゼロにできません。
そのため最も有効で現実的な予防法は、足を洗うこと。

白癬菌が角質層に侵入するのには1日程度の時間がかかると言われていますので、毎日、足を洗えば感染を予防できます。
ただし、ゴシゴシと強く洗いすぎると、小さな傷口から白癬菌が侵入し、かえって感染しやすくなります。さっと流すか、出来るだけ撫でるように優しく洗うようにしましょう。
さらに、以下のような点にも注意が必要です。

・靴は何足かを交互に履くようにし、陰干しするなどして湿気を取る

・バスマットやスリッパの共用をさける

・床掃除をこまめにする


家族の誰かが水虫やかくれ水虫と判明した場合、すでに家族全員に感染している可能性があるため、治療はみんなが同時に受けて再発を防ぎましょう。

【参考】
http://www.lamisil-at.jp/knowledge/what.html#sec02
http://asahi.co.jp/hospital/archive/doctor/broad_120807.html