連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第14週「常子、出版社を起こす」第79話 7月4日(月)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原托


「いいか、おまえの稼ぎで家族養ってるんだぞ。もっと金稼ぐことを真剣に考えろ」
おっとっとー。鉄郎(向井理)、あんたがえらそーに言うことか! と誰もがツッコんだことであろう、月曜の朝。貸本屋なんて金にならないと否定した後、出版が儲かると知って、常子(高畑充希)に出版やれと言う調子の良さくらいだったら、鉄郎ったら! で笑って済むが・・・。

週明け、舞台は戦後に。
昭和21年、2月。戦争中はさっぱりしていた街の描写が、戦後になったらがぜん凝ったセットとたくさんのエキストラと
CGまで駆使してしっかり描く。悲劇的な部分はあくまで淡く、戦後復興の活気のみ強調したい制作意図もよくわかる。いいよね、みんな元気に生きて行こうとする感じ。残された人々は生きていかなくてはいけないのだもの。
とはいえ、小橋家は女ばかりで非力なので、食べ物がなかなか手に入らない。
「何が入ってるか分からないシチュー」と嘆く鞠子(相楽樹)。でも、映っていたのは、ニンジンのへたとすぐわかる物体であった。
鞠子、すっかりぼやきキャラに。せっかく鉄郎が手に入れてきた食料にも「でも、何日もつか」と水を差す。
仕事がみつからないから苛立っているようだ。
一方、常子のほうは、出版社に追い風か? という気配。

本を出せば売れそうな風向きで、五反田(及川光博)、谷(山口智充)も復帰した。
久々の再会でも「僕の胸で」という申し出を常子に拒否される五反田。彼がなぜにいちいち芝居がかった言動をするのか(復帰第一声は「「静かにしろ、金を出せ」だもの」、その理由が判明。小説家志望だったのだ。
谷は7月の発刊に際して、小説を五反田に書かせようとする。
「こう見えてロマンティックで美しい物語を書くんだよ」と言う時の谷の「うつくし〜」の響きに愛情を感じた。五反田×谷のカップリングは物語になりそうだ。

五反田が自分の年齢をやたら気にするのもロマンチストだからなのか。
五反田の小説も気になるが、書き手が足りないってことは、いらいら鞠子ちゃんの出番かもしれない。
(木俣冬)