高額な個人土産をリクエストされたときには、さりげなく集金の予告を。

7月に入り、そろそろ夏休みの予定を決めたいと思っている働く女性も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが「会社へのお土産」問題。
大手金融会社に契約社員として勤務している36歳、佐々木玲子さん(仮名)からもこんな質問が届きました。

「7年前から同じ会社の同じ部署で、データ入力の業務を月に15日程度しています。
派遣会社からの出向なので、夏休みがあるわけではないのですが、やはり、“どこか出かける?”という話になります。
私は毎年ハワイに行っているのですが、この春から上司の立場になった社員の女性の方から、“ハワイに行くんでしょ? お土産はエルメスのカレがいいなー”と、冗談だかなんだか、言われてしまいました。

彼女は前任の方に比べて派遣社員に厳しく、私も何度かグループ作業のスピードが遅いと叱られたことがあります。“ゆっくりやっても派遣には残業代は出ないから”とわざわざ席まで言いに来たり、ちょっと嫌味なところもあるんですが、実際、迷惑をかけているという思いもあるので、何か買ってこようとは思っています。

でも、彼女にねだられたエルメスのスカーフの値段を公式サイトで調べてみたら、5万6160円! これはちょっと無理だろうと思う反面、リクエストされたときにあいまいな返事をしてしまったので、当然買ってくるだろうと思われているかも……もし、買ってこなかったらまた意地悪を言われるんじゃないかと思うと怖くてしかたがありません。

私はどうしたらよいでしょうか?」

鈴木真理子先生に伺ってみましょう。

会社へのお土産は負担にならない範囲内で

派遣会社に登録し、短期の仕事をしている方もいる一方で、同じ会社に長期で関わっている女性も多いですよね。
そうなると、正社員でなくても、会社や部署内の方々との新密度も高まり、お土産を買って持っていったほうがいいのかな、という気持ちになるのもよくわかります。

お土産を買うことには、ふたつの意義があります。

ひとつは、コミュニケーションツールとしての意義。
お土産を渡す、受け取るという中で会話が生まれます。ふだん、あまり話ができない方とも、打ち解けるツールになるのです。
もうひとつは、自分が休んでいる間に、業務を引き継いでくれていた方への感謝を伝えるという意義。
全員が一斉にに夏休みをとる会社もありますが、それぞれが一定の期間の中で業務との兼ね合いをみながら夏休みを取得する会社では、少なからず、休んだ人のフォローを出勤している方が行ないます。その方々への感謝の気持ちの表現としてお土産を使うのです。

佐々木さんの場合、月に15日ほどの勤務とのこと。シフトが決まっているのだと思います。
決められたシフトを崩して夏休みをとるのであれば別ですが、もともと出勤日でない日にどこで何をしていようと佐々木さんの自由です。

お土産を買うために旅行しているわけではありませんよね。購入する場合は、自分の気持ちにもお財布にも負担にならない範囲内で済ますようにしましょう。
会社のお土産の上限は全体であれば2000円程度、個別なら500円程度が上限です。それ以上になってしまうと、受け取る側も困ってしまうと思ってください。そして、お土産はモノそのものではなく、贈る気持ちに価値があるものです。エルメスのスカーフなんて、一般OLが会社の方に送るお土産の常識を逸脱しているといえましょう。彼女の独り言なんて、スルーしてしまってOKです。

エレガントに相手に反省させるワザ

佐々木さんはその正社員の上司の方に対し、ずいぶん萎縮してしまっているようです。だから、ビジネスマナーとしてそんな戯言はスルーしてOK、と言っても、心がざわついてしまうかもしれません。

無視するのが怖かったら、ほかの人がいるところで「先日のエルメスのスカーフの件ですが、柄を指定してくだされば買ってきます。ドルでお支払いされますか?」と言ってみてください。
相手も、あなたが自分に対して怯えていると思っていて、タダで買ってきてくれたらラッキー! くらいに思っているかもしれません。みんなの前で、やんわりと、お金を払ってもらうつもりであることを伝えれば、自分が嫌味を言ったことを少しは反省すると思いますよ。

個別のお土産を買うなら「ミニセット」がおすすめ

ただ、それだけだと、人間関係が悪くなってしまいますので、何か買ってあげてもいいかもしれません。
エルメスのカレを知っているということは、おしゃれが好きなのでしょう。ネイルやネイルオイル、リップグロスなどを渡すのはどうでしょう。

ハワイはオアフ島にいくのでしょうか。それならABCストアやスーパーマーケットなどで、小さなコスメの色違いがセットになって売っていたりしますよね。会社の方に配るお土産のアイテムはその程度でいいのですよ。
ポイントは渡すとき。最初に「みなさんにお土産を買ってきたんですが、どれがいいですか?」と順番だけ先にしてあげましょう。
ランチタイムなどを利用して、全員にいちどに渡すときにも、「○○さんから選んでください」と一番に選ばせてあげましょう。どうやら、その方はプライドが高いようなので、一番で、といわれると、優越感が満たされるのではと思います。



■賢人のまとめ
夏休みのお土産は全体で2000円以内、個別で500円以内を上限に。負担になるなら買わなくてOK。やっかいな相手にはばら撒き土産を用意して「一番に選んでもらう」のがコツ。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/