自己評価の塊・太田宏介さんに学ぶ、世界一クラスが集った座談会でもひるまないで済む自分ほめそやし型の自己評価術。
高めよう、自己評価!

最近、会社で「自己評価シート」というのを書かされました。非常に書きづらく、困りました。「福山雅治のルックスと櫻井翔の知性を併せ持ち…これ以上の人間は羽生結弦氏ぐらいしか見当たらず…世が世なら中国全土を支配下に…」みたいな内容を2000字ほど書いてもよかったのですが、先に健康診断に行かされそうな感じだったので、つつましく等身大よりやや低い感じのことを書いてしまいました。

下手にこう視野が俯瞰的と言いますか、空中に目がある感じのものですから、我が身の至らなさとかを無視できない性分は本当に損ばかりです。どうせ外人との商談なんて役回りはめぐってこないし、証明書を出せって話にもならないんですから、語学能力「S」、TOEIC「1000点」とか書いておきゃいいんでしょうが、ウソはつきたくないのです。言っておきますが僕はウソはつきたくないタイプですからね。マックスまで膨らませた悪意で歪んでいるだけで、言っていることは基本的に真実ばかりのつもりです。

そんな中、僕に「もっと自己評価高めろよ!」と厳しい檄を飛ばしてくれた人がいます。オランダの名門(?)サッカークラブ・フィテッセに所属する太田宏介さん。太田さんは海外組にありがちな出稼ぎ期間を迎えており、やや小さめの番組のオファーを多数こなしている真っ最中。もちろん「全盛期の日本代表はスマスマとか嵐とかやぞ」「CSはテレビではない」「で、誰?」などという標準的な感覚は太田さんには通用しません。

太田さんの基本的なスタンスは「天才的な俺が生み出す天才的プレーに何故世界は気づかないのだろう、不思議だなぁ」というもの。えーと、あらかじめ、あ行の1文字で相槌打つのは禁止しときますね。イチイチ「え?」とかやられると話が進みませんから。「イチローをずっと2軍で寝かせていたバカ」クラスの感じで世間が節穴である…という角度から、太田さんは世界と自分を見ています。

自分の話をするときの太田さんはキラッキラしていました。本当に楽しそうでした。僕もそうなりたい。上を向いて歩きたい。自分の性根を叩き直し、僕も「作家です」といけしゃーしゃーと言い張りたい。「手作りの電子書籍は作家って言わないでしょ…」などという心の声を抹殺し、日記をまとめたものを堂々と天に掲げたい。世界チャンピオンに囲まれながら、自分のスゴさを一瞬も疑わなかった太田さんのように…!

ということで、90年代の超常能力者みたいな感じで、ひとつの証拠で100のスゴさを語る太田さんの自己評価術を、4日のフジテレビ「スポーツジャングル」から学んでいきましょう。

◆太田さんがスゴイと言うんだからスゴイんだろう、太田さんの中では!

「日本が誇るサイドバック」から始まった番組の第一声。「あ?」が禁止の状態なので、スルーするしかないわけですが、まずは基本的な風呂敷感が全然違います。僕はココで「ちょっと一回止めて」「ウソはダメだよ」「日本屈指のサイドバック、に変更して」とご丁寧にウソを正すからダメなんでしょうね。「屈指ならベスト20まで許せるけど、誇る以前に国レベルでは無名なのでダメです」とか面倒なこと言っちゃうもんだから。

つづけざまの「左足から繰り出される正確無比なキックで数々のゴールを演出」についても、「正確無比の場合、世界で1番という意味になりますのでダメです」などと言っちゃうから、いつまで経っても自己評価が高まらないのでしょう。こういう常套句みたいなのはフワッと受け入れることが大切である。開始10秒でいきなり学びがあるとは、今日は期待が持てそうです。

↓予告で出てきた一瞬の振る舞いだけで、こんなに自己評価高めていけるなんて、そもそも立っているスタート地点が違う!


類友:「私は秒速で1億円を稼ぎます」
類友:「ヨガの修行で浮遊能力を得ました」
類友:「回収率300%、驚異の予想術」

この日スタジオに登場したのは太田さんのほかに、柔道の藤直寿さん(世界選手権王者)、バドミントンの奥原希望さん(全英オープン優勝、世界ランクTOP3入り)、柔道の篠原信一さん(世界選手権王者、五輪銀)、岡崎朋美さん(五輪銅)らそうそうたる顔ぶれ。一般的な感覚ならば、「世界で何番どころか日本で一番でもない自分が…」「クチを開くのも恐縮というか…」「井の中の蛙とはまさにこのこと…」などと引き気味になるところですが、さすが自己評価の塊。太田さんは、いかに自分がスゴイのかというトークテーマで、延々としゃべり倒し始めたのです。

↓アモーレ一発で流行語大賞にも加わってきた長友さんに、若干のウエメセから真っ向勝負を挑む!
字幕:「太田宏介の探検テーマは、左サイドは長友だけじゃない!」
司会:「(半笑)」
太田:「自分で言うのもなんなんですけどね」
太田:「日本の左サイドバックっていうのは」
太田:「長友佑都選手がずっとポジションを確保してきて」
太田:「そろそろ俺もいっていいんじゃないかと(呆)」
太田:「俺も負けへんで、って言うかですね」
太田:「去年の10月くらいから代表に入っていないので」
太田:「2年後のワールドカップを目指して」
太田:「オランダへの移籍を決断しましたし」
太田:「ただ、オランダリーグは」
太田:「放映権の問題で日本では映像が見られないんですよ」
太田:「いや、ホントそうなんです」
太田:「オランダの映像をホントは流してほしかったんですけど」
太田:「ココは大人の事情でというか」
太田:「だから、ハリル監督もそうですし」
太田:「日本のサポーターのみなさんも」
太田:「アレ?太田宏介どこ行ってんだ?みたいな」
太田:「しっかりプレーしてんのか?っていうところがあった」
太田:「だからココで僕が日本に必要であることを伝えたい」

類友:「現金は見せられませんが、通帳なら見せられます」
類友:「浮遊する瞬間は見せられませんが、写真なら見せられます」
類友:「ハズレ馬券は見せられませんが、当たり馬券は見せられます」

「見る価値」とか言うなよ!

「平山相太が8点取ったリーグ」とか言うなよ!

オフ・ザ・テレビの動きがスゴイんやで!

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ここから太田さんは、自分には三種の武器があるという主張を展開していきます。その3つの稀有なるチカラで、私は日本に必要なのであると。太田さんが掲げた三種の武器は「左利き」「クロスの質」「FKが上手い」という3点。これだけ聞くと普通のド真ん中みたいな話ですが、そこを盛って盛って盛っていけば、すごく立派に見えてくる。「他人に評価させるな、自分で評価しろ」という揺るぎない信念を全身からほとばしらせながら…!

↓まず太田さんは最初の武器「左利き」について自画自賛を始める!
字幕:「太田三種の武器 超貴重なレフティ」
太田:「レフティ、わかりますか?」
太田:「サッカーではそもそも左利きって少ないんですね」
太田:「右利きだったら絶対にプロにはなれてないくらい」
太田:「左利きで特別な武器を持っちゃったんです」
太田:「日本代表でも本田圭佑選手、柏木陽介選手」
太田:「ホント(左利きは)少なくて」
太田:「利き足は左なのに、利き手とかは全部右なんですよ」
太田:「ちょっと天才肌」
太田:「そろそろ僕の貴重な左足を」
太田:「日本代表スタッフ、気づかないかな?」
太田:「放映権の問題なのかな?」

類友:「特別な商才を持っちゃったんです」
類友:「特別な法力を持っちゃったんです」
類友:「特別なサインを解読しちゃったんです」

「利き足wwww」とか言うなよ!

「イチローは自力で打席を左にした」とか言うなよ!

天然の左は少ないんやぞ、わりと少ないんやぞ!

↓つづいて太田さんは次の武器「クロスの質」について自画自賛を始める!
字幕:「太田三種の武器◆完璧なクロス」
太田:「現代のサッカーは僕のSBというポジション、すごく大切で」
太田:「守ることはもちろんですけど」
太田:「攻撃でもしっかり結果を残さなきゃいけない」
太田:「攻撃で結果を残すとなると」
太田:「クロス、センタリングという」
太田:「アシストをするような形があるんですけど」
太田:「そのクロスが、僕めちゃめちゃ得意で」
太田:「武器で!」
太田:「それで海外挑戦のチャンスをもらえたくらい」
太田:「(参考映像を見せながら)特別なことをやっているようには見えないと思うんですけど」
太田:「すべてコレは僕の中で計算されていて」
太田:「手元にあるiPadで説明していきたいと思います」
太田:「トラップをした時点で」
太田:「得点を決めた前田選手という人が」
太田:「ペナルティエリアの外にいるんですね」
太田:「まず、その選手の位置を見て」
太田:「浦和レッドダイヤモンズの槙野選手という」
太田:「赤いスパイクの選手」
太田:「槙野選手の前にスペースができていて」
太田:「僕はそこを見てるんですよ!」
太田:「そこに得点を決める前田遼一さんが入ってくるな、って」
太田:「普段の練習から培われた共通意識で確認して」
太田:「入ってくるのがわかるから」
太田:「僕はいいボールを供給するだけで」
太田:「その共通意識からこのゴールが生まれるんです」
太田:「ただ、得点をした選手がクローズアップされるので…」
太田:「点を決めた選手が僕のところにきて」
太田:「ありがとうと言ってほしいですね」

<自称「完璧なクロス」の参考映像>



類友:「イギリスがEUを離脱する時点で、株安の未来が見えました」
類友:「あなたは死ぬ!近い将来あなたが死ぬ未来が見えました」
類友:「JRAのCMを見ただけで、どの馬が勝つか見えました」

「普通」とか言うなよ!

「日本が放映権買ってる国のサッカーでは普通」とか言うなよ!

あと「ほとんど前田のゴール」とか言うヤツは帰れ!

↓そして太田さんはみっつめの武器「FKが上手い」ことについて自画自賛を始めた!
字幕:「太田三種の武器、完璧なフリーキック」
太田:「これも武器になりつつありまして」
太田:「3〜4年前からFKを蹴るようになって」
太田:「全然僕そういうタイプではなかったんですが」
太田:「蹴れって言われた次の週に」
太田:「完璧なゴールを決めてしまい」
太田:「そこからFKで得点を量産したという」
太田:「(参考映像を見せながら)プロで初めて蹴ったFKで」
太田:「見た目もキレイなんですけど雰囲気も」
太田:「気持ちよかったですね」
太田:「(自分のプレーは)Youtubeでめちゃめちゃ見ますね」
太田:「ファンの方があげてくれたりするので」
太田:「しっかり保存しますね」

<自称「完璧なフリーキック」の参考映像>


類友:「初めてのFXで億を稼ぎました」
類友:「生まれたときに天上天下唯我独尊と叫びました」
類友:「金杯からいきなり大的中、万券連発」

「量産?」とか言うなよ!

「ちなみにGKは西部洋平(誰?)」とか言うなよ!

あとYoutubeでShunsuke Nakamuraの動画を探すんじゃない!

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これだけ自分のことをしゃべり倒したうえで、太田さんはまだ何も成し遂げていない時点で出してしまった自伝本の宣伝をし、怒涛の自己評価を終えました。このあと、バドミントンの奥原希望さんが「立位体前屈でヒジがつきそうになるくらい軟体です」「自慢の粘りで50回以上のラリーを演じ、五輪銀メダリストを根負けさせました」「相手が打った瞬間に、場内のエアコンの風まで計算して、シャトルのインアウトのジャッジができます」という三種の武器を披露しますが、太田さんは恥ずかしさで縮こまるようなことはありません。

素人が見ても「これは異次元ですわぁ」と思うものと、「これは普通じゃないですかね?」と思うものが並んでいても、決して揺るがない自己評価。軟体VS利き足で勝ち目がある気はしませんが、太田さんは新幹線の先頭車両みたいな顔に苦渋の表情を浮かべたりはしないのです。そう、他人と比較するのではなく、自分のことだけを見つめること。新幹線の先頭車両がレールだけを見ているように、自分の足元だけを見つめることが、自己評価を高める秘訣だったのです。

他人と比べれば、結局世界一になるまで自己評価は高まりません。まぁ、だから太田さん以外は「世界一」クラスが出てきているわけですが、太田さんはそこに「日本でそこそこ」という段階でわって入ることができた。僕らも同じように、足元だけを新幹線の先頭車両のように見つめたら、クラスや会社で自画自賛するくらいにはなれるはず。僕も今日からは「(僕の中では)完璧です」「(僕の手応えでは)天才的」「(放映されていないだけで)すごい成果」と言い張っていこうと思います。TOEICも1200点くらいに引き上げて…!

↓なお、太田さんはバドミントンゲームで奥原さんにボッコボコにされました!


類友:「相手の土俵に乗っちゃダメだよ」
類友:「力比べとか絶対ダメだよ」
類友:「誰も確認できないところで戦わないと」

自分のチカラを見せつけるときは、サッカー教室で子供相手に!

大人と戦うときは放映権のない国で!

最後の最後まで学びをありがとう!

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今日からは「(僕の中では)僕が一番できる」の気持ちで頑張るぞ!