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ユーザーのため”情報鮮度の向上”に力を注ぐ

- まずは、現在関わっているサービスについて教えてください。

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◇株式会社じげん 生活事業部プロジェクトマネージャ 大久保健彦氏

大久保氏:私の担当は生活事業部で、賃貸住宅情報サイトの『スモッカ』を初めとする住まい関連のサービスのプロジェクトマネジメントをしています。自分自身が開発に参加するだけではなく、制作メンバーのマネジメントも担当しています。

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- 実際に『スモッカ』の画面を見てみると、膨大な賃貸情報が見やすい形でユーザに提供されていると思うのですが、具体的にどういう所を工夫されていますか?

大久保氏:一番工夫しているところは「スピード」ですね。繁忙期で約550万件の物件情報が掲載されますが、毎日そのうち8割の情報が更新されます。賃貸は契約が決まったらその情報は必要無くなる、つまり情報鮮度が重要になってきます。

なので、データを収集してから弊社の検索サーバにインポートし、検索結果として表示されるまでのスピード感を重視しています。また、ユーザが検索してから問い合わせまでの流れを、なるべく効率化できるようにも工夫していますね。

少しずつの積み重ねが、良いサービスを作る近道

- ありがとうございます。次は松永さんにお伺いしたいと思います。松永さんは求人情報サイト『転職EX』を担当されているんですよね。

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◇株式会社じげん 求人事業部プロジェクトマネージャ 松永賢一氏

松永氏:そうですね。『転職EX』、『アルバイトEX』といった仕事探しに関連するサービスを担う求人事業部のマネジメントを担当しています。複数サイトの求人情報を一括して検索できること、応募フォームを自社で用意していることが、多くの求人系サイトの中でも珍しい特徴です。

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- 先ほどと同じような質問になりますが、ユーザが使いやすいようにするために工夫している点はありますか?

松永氏:最近は、ユーザの行動履歴やアクションに対して、検索結果の並びやレスポンスを変えるようにしています。SEOには当然力を入れていますが、いろいろ研究している中で、結局は「ユーザのため」という基本的な部分を忠実にやっていくことが大事なのだと最近は実感しています。

“言いたいことを言える”雰囲気や“個人の強みを生かす”環境がチームの作業効率を上げる

- 現在、チームは何人体制なんでしょうか?

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大久保氏:生活事業部は全体で20人くらいですね。そのうちエンジニアは、自分を含めて6人です。新卒が2人、自分より前からいる方が1人、20代後半から30代がメインですね。

松永氏:求人事業部は30人くらいです。エンジニアは8人ほどで、全体の30人をさらに5人から2人ほどの小さなチームに分け、それぞれにミッションを与え、各チームに運営を任せてミッション達成を目指しています。

- チームの作業効率があがるように具体的に工夫されていることはありますか?

松永氏:普段から言いたいことを言える雰囲気をつくれるように心がけています。たとえば、大きな売り上げに影響してしまうようなバグを出してしまった時に、エンジニアとしては言い出しにくいものですが、そこを言える雰囲気を保つことですぐに再発防止策をチームで話し合えるようにしています。

- ミスをした側は報告しづらいですよね。何か具体的にサポートしていたりするのでしょうか?

大久保氏:基本的には褒めて伸ばす方針なので、失敗してもガミガミ言わず、ミスの原因を分析して次に繋げるようにしています。

松永氏:組織を今後どのように動かしていけばいいのかを考えた時に、失敗を追求するよりも、個人の強みをどれだけ発揮して、どう成果を出していくかが大事だなと思っています。個人の強みを生かす組織を作れたら、モチベーションが上がり、組織へのコミットメントもより濃くなり、いい組織になるだろうと考えて日々取り組んでいます。大きな組織だとなかなか自分を出せない人もいるので、小さな組織を作って、個人の主体性を発揮して自分をアピールしやすい環境を作ることも意識していますね。

また、一般的にエンジニアは納期や品質が優先されがちですが、私たちは、作ったものがユーザに”どう利用され、どう役に立つのか”が本質的に大切なことだと考えています。比較的細かい施策を1,2日単位で実行し続けていることもありますし、与えられた業務を細かく納期通りに進めることよりも、チーム全体でスピーディに成果を出すために最も適切なコミットができているかを重視した雰囲気づくりを大事にしています。

きっかけは、幼い頃からインターネットに触れていたこと

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- なるほど。ありがとうございます。少し話は変わりますが、何故エンジニアになったのか、また御社に入社したきっかけもお伺いしたいです。

大久保氏:元々小さい時からモノ作りをしたくて、建築家を目指し、建築関係の学校にも通っていました。95年にWindowsが発売され、その時にインターネットやゲームに触れ、それらのゲームがWindowsで作れることを知ってから、エンジニアを目指しました。それからゲーム系のエンジニア・プログラマーの専門学校に通い、モノ作りの感覚で、OSSを通じて社会に貢献したいと考え、今のWebエンジニアになりました。

「じげん」に入社を決めた理由は2つあります。まず1つは、前職がいつも終電で帰るような働き方だったので、子供や家族と接する時間を増やしたいと思ったからです。今は職場が家から近いこともあり、昼休憩に家に帰り一緒にご飯を食べるなど、ライフワークバランスを考えた働き方ができることが大きかったです。もう1つは、職場の環境としてリフレッシュルームや、仮眠室があるなど、働き方に多様性を感じて決めました。

松永氏:私は、気が付いたらという感じですね(笑)。パソコンを触り始めたのが小学生くらいの頃で、親がパソコンをいじっているのを親の膝に座りながら見ていて少しずつ学んでいきました。そこからIT系の大学に進学し、気付いたらエンジニアになっていました。

1社目はネットワーク・インフラ系の会社に勤めていて、Ciscoルーターとかを散々触っていた感じです。その次に受託系の会社に入社して、3社目で「じげん」に入社しました。

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- 受託系からの転職を決めた理由などはありますか?

松永氏:そうですね。受託系の仕事の時はSEやPGをやっていて。プログラムを打つのは好きなんですが、そのプログラムがどう使われているのか、どんな意味があるのかという部分に疑問を感じていました。その答えを模索しながら転職活動をしていたら、「じげん」と出会い、事業との距離が近いのもあって、応募した感じです。

受託系の仕事をしていた時は納期が優先されていて、それ以外の価値観が得難かったのですが、ここにきてからは本当の成果、たとえば、ユーザの満足度やその行為にどのような影響があるのかというような部分が求められていますね。

職種を超えて全員で試行錯誤する、そこに働く楽しさがある

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- 営業は営業、開発は開発で割とバーティカルな感じなんでしょうか?

松永氏:いや、1つのチームにエンジニアもデザイナーもセールスもいる、というように全職種が入り混じっています。また、エンジニアの数よりサービスの数の方が多いので、いかに小ユニットで回していくかという部分が日々の悩みでもあり、面白い部分でもありますね。

企業によってはエンジニアを多く抱えている所もあると思うのですが、エンジニア・デザイナー・セールスそれぞれの意見が違うので、それをぶつけて話し合いながら、意見を固めていくのは楽しんじゃないかなと思いますね。ちなみに、私たちの場合はエンジニアだから意見を出さないという訳ではなく、どんどん意見を言っていきますよ。

大久保氏:そうですね。エンジニアだけを束ねればいいわけではなく、1つのチームにエンジニアとマーケターとセールス、デザイナーのリーダーがいてそのメンバー全員でいかに成果を出すかを考えるので、事業部全体を見てよいチーム作りを心がけています。職種を超えて働く難しさや面白さがあるのではないかなと思います。

- 色んな職種の立場があるからこそ、刺激があってアイデアも生まれるのではないかと思います。突然ですが、仮にお金を自由に使えるとしたら何をしますか?

大久保氏:会社としてのミッションは「生活機会の最大化」で私自身もその思いに共感しているので、ライフサイクルの中で起こる色々なイベントそれぞれに対して課題を解決するサービス提供を進めていければなと思います。

松永氏:現在労働人口の減少や、少子高齢化等が問題視されているので、誰もが引退せずに仕事を続けられる仕組みを作り、そこに投資もできたらいいなと思います。

大久保氏:理想をいうなら寒い所が苦手なのでハワイでリモートワークができたらいいなと思います(笑)

- 他の企業に比べてエンジニアの“組織や成果への意識”が強そうだなと感じました。

大久保氏:おっしゃる通り、事業や会社全体のことをかなり考えていると思います。通常、営業が案件を探し、ディレクターが仕様書を書き、エンジニアが開発を行うという体制が多いと思いますが、私たちは何か新しいものを生み出すなら全員で試行錯誤することが非常に大事だと思っています。

このような姿勢がゆえに、デザイナーがエンジニアになりたいと思ったり、セールスで入社したのにデザイナーになりたいと思ったりと、社内でキャリアを変えたいという人も出てきています。そういった変化も受け入れていける社風があるのかなと思います。

- ありがとうございました。

エンジニア・デザイナー・セールスそれぞれの枠にとらわれない。職種の異なるメンバーが1つのサービスについて、日々話し合い試行錯誤を繰り返すことこそが、「じげん」が成功し続けている所以だろう。互いに影響を与え合っている証拠だろう「社内でキャリアを変えたい」と言う人の要望も当たり前に受けいれることのできる、前向きな変化を続ける株式会社じげんの今後に期待したい。

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今回取材した方

株式会社じげん 求人事業部プロジェクトマネージャー 
松永賢一(まつなが・けんいち)氏

2006年通信ネットワーク系の企業に入社。IP-VPN /インターネットVPN網を利用したネットワークの設計、導入に従事、その後、受託のシステム会社に入社し、100人月規模のシステム開発でPMを経験。大手の記事配信システム、検索システムの開発・導入支援を実施。2013年「株式会社じげん」に入社。2015年、「アルバイトEX」や「転職EX」といったサービスを推進する求人Divのエンジニアのマネージャーになり、開発の現場を統括し、エンジニア目線での組織改革にも挑む。

株式会社じげん 生活事業部プロジェクトマネージャー 
大久保健彦(おおくぼ・たけひこ)氏

2002年 情報処理系企業に入社。windowsサーバでの社内システム整備を担当後、官公庁をメインにLinux系WEBシステムの提案から構築を担当する。2009年独立。個人事業主として大手電子書籍サイトの自社フレームワーク設計、iOSアプリのリファクタ支援等を実施。中堅クーポン系サイトのテックリーダーとして設計・開発にも従事。2014年には国内初の遺伝子解析サービスのサーバサイドの技術選定・開発等にも携わる。じげん入社後は、「スモッカ」や「マイスミEX」といったサービスを推進する住まいDiv.に配属され、2016年より同Divのプロジェクトマネージャーとして制作職のマネジメントを担当する。

ReadWrite[日本版] 編集部
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