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拝啓 電力全面小売自由化 様

真夏はエアコンの消費電力量が増えるから、電力会社を変えることで、少しでも電気料金を減らしたいと考える人も少なくないだろう。でも、その前に、あなたが知っているエアコンの節電方法、本当に正しいですか?

エアコンは贅沢品ではない。つけっぱなしでも大丈夫!



エアコンは誤解が多い家電である。特に真夏のこの時期は、その電気代に対して多くの方が関心を持つはずなのに、古いイメージなどが蔓延り、間違った節電方法が実行されている場合も数多く目にするので、ここではその誤解を解きたい。

そもそもエアコンは夏よりも、実は一般的に冬の方が電力消費量が大きいことを覚えておこう。だから、まずはケチケチしないで使うこと。高齢者を中心に“エアコンがもったいない”と我慢するあまり、熱中症で命を落とす方も毎年後を絶たないので、まずはとにかくエアコンを使おう。そのうえで、節電すればいいのである。使い方として正しいのは、電源を入れたら自動モードで、基本的にはつけっぱなしにしておくことをオススメしたい。

10年以上前のエアコンなどは異なるかもしれないが、近年のエアコンはセンシング技術が発達し、部屋が暑ければ冷やすものの、一度冷えた部屋は維持するだけで無理には冷やすことはない。その時の電力使用量などたかがしれたもの。だからこそ、ちょっと外出などでは消さずに、基本はつけっぱなしで全く問題ないのである。

誤解(1)冷房のほうが暖房より電気代が掛かる!?

暖房の方が断然電気代は掛かる。我慢せず冷房を使いましょう!





「外気温との差に注目。暖房は外気温10℃以下を25℃前後まで、約15℃前後引き上げるのに対し、冷房は外気温35℃としても25℃に引き下げる場合でもその差はせいぜい10℃前後。温度差からも分かるように実は冷房の方が消費電力は少ないのです」

 

誤解(2)弱冷房設定が一番電気代を節約できる!?

センサー技術の向上で、一番の省電力は自動運転です!



「今のエアコンはほとんどロボットです。センシング技術の向上により、部屋中の温度をしっかりと監視しているどころか、人の体の温度まで見ているものもあります。設定温度に達したら、自動でスリープモードになるなど、自動運転こそが最も省電力なのです」

 

誤解(3)ちょっとの外出でもエアコンはオフ!?

数時間の外出ぐらいであればつけっぱなしでOKです





「エアコンが最も電力を消費をするのは、実は起動時です。逆に温度を一定に維持するだけであれば、コンプレッサーがまったく起動せず、電力消費は非常に少ないといっても過言ではないのです。数時間くらい家を空けるくらいなら、そのままつけっぱなしでOK」

 

誤解(4)暑い部屋を冷やすために18℃設定に!?

電源オンして即18℃設定にしても、いきなり18℃の冷風は出ません!



「夏の帰宅時、いくら暑いからといって、エアコンをMAX18℃設定にしたとしても、いきなり18℃の冷風が出るわけではありません。人間はスポーツをやる前に準備運動が必要なように、エアコンも同じなのです。徐々に温度を下げていくものなのです」

 

誤解(5)サーキュレーターは棚上で省スペース!?

夏は床上から上方へ風を吹かせ天井の熱い空気を対流させましょう!





「家電の多くは配置場所を決めて使うものですが、サーキュレーターは冬と夏で置き場所を変えましょう。夏は床上に置いて、天井に向けて風を吹かせ、上方に溜まりがちな熱い空気を対流させます。エアコンのセンサーが床面の温度に合わせて働くからです」

 

誤解(6)ドライ機能で体感温度を下げて節電!?

実はドライには二種類あり、再熱除湿は電気代が掛かります!



「再熱除湿のドライ運転は、室内機の中で部屋の空気を一旦冷やして除湿し、下がり過ぎた空気を温めて、再び設定温度にコントロールする難しい運転をしています。ドライ運転は湿度を取るだけで電気代が掛からないと思われがちですが、実は冷房より電気代が掛かります」

 

誤解(7)夏の初めにフィルター掃除したからOK!?

2週間〜4週間に1回はフィルターを軽く掃除しましょう!





「夏前にフィルターを掃除したとしても、日々ホコリを吸い込んでしまうもの。もちろん掃除ロボットも搭載してますが、できることなら2週間〜4週間に1回は軽く掃除をしましょう。消費電力が確実に変わります」

 

誤解(8)就寝中はだるくなるから冷房は消す!

実は……部屋が暑くて目が覚めるより着けっぱなしで快適な眠りを!



「エアコンを着けっぱなしで寝るとだるくなるのは昔の話。設定温度時はほぼ稼動しませんし、おやすみ運転モードなどを使えば、直接風を体に当てないからです。むしろ朝日によって部屋が暑くなって目が覚めてしまうよりは、着けっぱなしで寝ましょう」

 

誤解(9)室外機の上や前を物置きに有効利用!?

室外機は風通し良く。直射日光を当てないことも大事!





「室外機は屋内の熱を外へ放出するのに、多くの電力を使用します。室外機前に余計なものがあると抵抗になり、空気を放出するのにより大きなパワーが必要になり、その分電力消費が増えてしまいます。なるべく日陰に、かつ風通し良くしておきましょう」

 

誤解(10)窓はカーテンで日差しを遮れば十分!?

グリーンカーテンなど、部屋の外で太陽光を遮る工夫を!





「カーテンは素材にもよりますが太陽の光を遮る時、同時に熱を吸収するもの。それ自体が熱を持ってしまい、部屋の温度を高めることもあります。できることならグリーンカーテンなど、部屋の外で強い太陽光を遮ることで、カーテンの効果も高まります」

 

室外機もエアコンの一部で扱い方で大きな節電に繋がる



誤解(8)でも触れたように、多くの人々が昔のイメージを多くの人が引きずっているだけだと思われるが「エアコンをつけたまま寝るとだるくなる!」というのも、実は大きな誤解だ。設定温度に達すると、エアコンは室温を監視しているだけで、ほぼ動いていない。かつ「おやすみモード」などを使えば、仮に朝日が出て、室温が上がり出しても、天井方面に風は吹き出すものの、人に直接冷風を浴びせないので、快適な室温(例えば28℃設定)が維持され、それが原因で体がだるくなることは考えにくいからだ。

また、室外機も大切なエアコンの一部であるが、屋外にひっそり設置されているため、無意識に前方の隙間的スペースにモノを置いたりしてしまうものだ。とはいえ、これもNGで、節電のためには、室外機は風通しを良くしておくことがマストだと覚えておこう。

たしかに真夏の日中は、冒頭ページの円グラフの通り、エアコンは家庭内で電力消費量の大半を占める。だが、節電方法を知っているだけで、その消費量は大幅に減らせ、それが大きな節電に繋がることを忘れてはならない。

文/滝田勝紀(編集部)

※『デジモノステーション』2016年8月号より抜粋