週刊少年ジャンプで連載中の原作・附田祐斗、作画・佐伯俊のコンビによる人気マンガの第2シリーズ「食戟のソーマ弐ノ皿」の第1話が放送された。個人的に思う今一番ジャンプの主人公らしいのが、この幸平創真だ。


業達成率1割にも満たない名門料理学校「遠月茶寮料理学園」。その一年生最強を決める「秋の選抜本戦」一回戦から第2シリーズはスタートした。

対決テーマは弁当。そして幸平創真の相手は、日本料理界を牛耳る食の魔王こと薙切仙左衛門(なきりせんざえもん)の孫、薙切アリス。

過剰なまでのエリート設定


10歳にしてあらゆる賞を総なめにした分子ガストロノミーの申し子。取得した特許の数は45。契約している料理店は20。今大会優勝候補筆頭。間違いなく最強の相手。会場の予想は、創真に勝ち目は無いといった感じだ。

薙切アリスが得意とする分子ガストロノミーとは、料理を科学的に解析した学問の分野のことらしい。トレーラーで会場に持ち込んだのは、遠心分離機や凍結粉砕機という聞いても一体どんなものなのかわからない精密機器。もちろんジャンプ読者の大半を占める少年達からすればもっとわからない。わかることは、薙切アリスはなんだかわからないけど、とにかくエリートらしいという事だけ。

そんなアリスが作ったのは手鞠寿司弁当だ。液体窒素で冷やし、昆布の出汁を泡にして寿司に乗せて提供。料理説明の際に出てくるワードは、グルタミン酸、イノシン酸、ジュ、色素、繊維質……と、とにかく視聴者の舌を置いていく。審査員は絶賛するも、グルメ番組の肝である視聴者への共感を完全に怠っている品目だ。

対する下町の定食屋出身の創真の品目はノリ弁。あまりにもチープなメニューに会場は騒然とする。地味なちくわの磯辺揚げやタラのフライなどにも工夫を凝らし、審査員を喜ばせるもアリスは余裕の表情を浮かべる。

弁当に詰めるべき物はなんなのかって話


しかし、ここからが創真の真骨頂だ。ねるねるねるねなどの駄菓子から発想を得て味付けノリを凝固化し、なんとアリスお得意の分子学ガストロノミーを庶民らしい観点でノリ弁に応用したのだ。そしてこのノリ弁は分子学ガストロノミーを利用しているのにも関わらず、視聴者は味の想像がしやすかった。

まさにここだ!こういう所が幸平創真だ。自分らしさを保ちながら相手のお株を奪い、雑草がエリートを打ち破る。なんというジャンプの主人公力だろうか?今時こんなにわかりやすい主人公は少ない。アイシールド21の小早川セナ以来の王道タイプではないだろうか?

弁当箱に工夫を凝らして温かい弁当を諦めなかった創真。締めに葛餡をかけさせて弁当としての楽しさという点で勝利したのもジャンプっぽくてわかりやすい。

第2シリーズは主人公の魅力を再確認する話からスタートした。次話は今回戦った二人の相棒、田所恵と黒木場リョウのラーメン対決だ。
(沢野奈津夫)