英国のEU離脱を受け、韓国メディアで「アベノミクス」への悪影響を指摘する記事が目立っている。中には「アベノミクスの終えんを意味する」との記事もある。資料写真。

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2016年7月2日、「日本経済に大打撃」「最大の被害者は日本」。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を受けて、世界経済の先行きに警戒感が強まる中、韓国メディアで「アベノミクス」への悪影響を指摘する論調が目立っている。「アベノミクスの終えんを意味する」と断じる記事もあるほどだ。

英EU離脱について、朝鮮日報は「世界危機のたびに円高、日本の苦悩」との記事を掲載。「韓国は危機が訪れると、ウォン安に振れ、景気回復には追い風となる。しかし、危機のたびに円買いが進むため、日本経済は景気回復が遅れることになる。市場が混乱すれば、世界の投資家は日本を資金の避難先として選ぶが、日本の景気回復にとっては『毒』になる」などと説明した。

その上で、専門家の話として「韓国市場は世界市場が好況時には海外投資家の投資を集めるが、危機のたびに資金が引き揚げられる『ATM』の役割を果たす。円はその正反対だ」と例示。「「アベノミクスで円安に誘導し、低成長から脱出しようとした日本にとっては、英国のEU離脱は恨めしいに違いない」とも述べた。

別の記事では「日本経済に大打撃」として、「日本政府は7月10日の参院選が終了後、10兆円規模の景気浮揚策を打ち出すことを検討している。英EU離脱の余波で、日本円が3〜4年前の水準まで上昇し、円安を土台にしたアベノミクスを揺るがしていることへの対応策と言える」と、日本メディアを引用して報道。「アベノミクスに逆風が吹くことを恐れ、安倍政権が極度に緊張している」と伝えた。

東亜日報は「ブレグジットの最大被害国は日本、アベノミクス揺らぐ」との見出しで、為替相場の沈静化を図る麻生太郎財務相や日本銀行の黒田東彦総裁の発言に言及。「円高は輸出企業の業績を悪化させ、投資や消費低迷へとつながるので、景気回復に悪影響を及ぼす。日本政府は今回の事態が、ただでさえ最近効き目が弱くなっているという批判を受けているアベノミクスに致命的打撃を与えるだろうと懸念している」と報じた。

ハンギョレ新聞も「ブレグジットでアベノミクスに陰り」と解説。トヨタ自動車を例に「(円高で)日本の主要大企業の実績悪化は不可避と見える。この間のアベノミクスをめぐる問題が、大企業の高い実績が賃金引き上げなどにより社会全体で共有されないことだったとすれば、今はその大前提の企業実績自体を憂慮しなければならない状況に立たされたわけだ。これはアベノミクスの終えんを意味するものだ」と論じた。

さらに、韓国・ニュース1は「過去3年余りの間に推進してきた円切り下げの努力が一気に水の泡となった」と指摘。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの「日本銀行は現在よりも強い経済刺激策に出るか完全にあきらめるか二者択一を迫られた」との見方を紹介している。(編集/日向)