定番アイス「ピノ」40周年!開発陣にロングセラーの秘密&未来について聞いてきた

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子どものころから好きでした!

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小学生のころ、毎日のように食べていた森永乳業のアイス「ピノ」。箱に入っていて、蓋を開けると6粒の一粒アイスが入っている、日本人ならほとんどの人が知っている定番のアイスです。

そのピノが、40周年を迎えました。おめでとうございます! そこで、森永乳業のピノのブランド担当者である蓮沼裕二さんに、ピノ40年の歴史や開発秘話、そしてこの夏の限定フレーバーなどについてお話を伺ってきました。

ピノの秘密が、今暴かれる(かも)!?

国民的アイス「ピノ」の開発秘話

――ピノが40年前に生まれたときの経緯を教えてください。

1970年代は、カップアイスやバータイプのアイスしかありませんでした。そこで森永乳業の当時の研究者が、「新しいスタイルのアイスをお客様に提供したい」という想いから開発に至ったそうです。

――一粒タイプになったのは、どういう経緯があったのでしょうか。

アメリカを視察した際に、小粒サイズのアイスがあったようです。それをヒントにピノが生まれました。

――一口サイズのよさというのは、どういうところにあると感じていますか?

いろいろなよさがありますよね。友だちや家族とシェアできるというよさもあれば、今日はカロリーを抑えたいから一粒か二粒にしようということもできます。

子どもがアイスを食べるとき、口が小さいためこぼしてしまうことがありますが、ピノなら一口で食べやすいという面もあります。

そのほか、量はそれほどいらないけれどもちょっと食べたいというニーズにも答えられます。

幅広いシーンでピノが「ちょうどいい」というところが、いいところなのではないかと思っています。

――ピノは、ほどよい甘さで、6個というボリュームがちょうどいいと思っていたのですが、そのあたりはどのように決められたのですか?

味の部分でいえば、チョコとアイスという定番の組み合わせなのですが、アイス8:チョコ2という「黄金比率」で、チョコとアイスが同時に口の中で溶けて楽しめるようにしました。

その絶妙なバランスが、幅広い層に愛していただいているポイントだと思います。

6個というボリュームは、男性にとってはちょっと少ないかなと思いますが、「また食べたい」と思ってもらえる量だと思います。一箱でもういいや、とならず、また食べたいと思われるところが、ピノのロングセラーにつながっているのではないでしょうか。

アソートパック発売で家庭での購入が増加

――発売当初から人気アイスだったと思いますが、ターニングポイントになった商品はどれになりますか?

1992年に発売したアソートパックですかね。それまでは6粒入りのパッケージしかなかったのですが、このアソートパックを発売したことで、一気に家庭内での消費が進みました。

そのとき改めて、シェアできるよさというものが広まっていったという点で、転機でした。

もうひとつの転機としては、2004年に発売した「ピノ いちご」です。1994年以降からアイス市場の売り上げが下がっていった時期がありました。そ

こで、市場を活性化したいという想いと、お客様からの“いろいろな味を食べたい”というニーズに応えるため、そしてお客様との接点を広げたいという思いで発売しました。

これは非常に売れました。

ソレイユパッションは「ひと粒のご褒美」

――今回、ソレイユパッションというシャーベットタイプのフレーバーが発売されました。これは女性をターゲットにした商品なのでしょうか。

それまでも、期間限定のフレーバー商品を毎年出していましたが、マンネリ化してきていました。そこで、ピノとしてもこれまでにないフレーバーにチャレンジするということで、2015年にルージュベリーというフレーバーを発売しました。

ターゲットは、20代の女性ですね。

そして、自分へのご褒美というテーマがあります。見た目の色と香り、味や食感といった、五感価値を高めた切り口です。

――なるほど。今年のソレイユパッションも大人女子向けなパッケージになっていますね。

ひと粒のご褒美というコンセプトを意識しています。

形状は普遍的なもので変わりませんが、フルーツの濃厚な味と香りをダイレクトに感じていただけるように、今までのピノとは異なり、乳脂肪分をほとんど使用しない設計にしました。

種類別は氷菓となりますが、一般的な氷菓のようなジャリジャリとした食感ではなく、ピノらしいなめらかな食感、チョコとアイスが同時に溶ける一体感は大切にしました。

――マンゴーとパッションフルーツという、非常に夏らしいフレーバーですが、フルーツへのこだわりを教えてください。

女性のご褒美ということで考えたときに、見た目の色や香りというのは、リラックスや癒やしに繋がるのではないかと思いました。

そこで重要なのがフルーツです。今回はマンゴーとパッションフルーツを使用していますが、かなりこだわっています。

柔らかい食感・サイズにこだわったマンゴー果肉と、マンゴーの王様と呼ばれるアルフォンソマンゴーピューレをふんだんに使用し、マンゴーの濃厚ジューシーな味わいを立たせています。

そのため、本体の価格が160円と、通常のバニラの130円に比べると高くなってしまっています。

しかし、コストを安く仕上げようという考え方はありません。コストではなくおいしさが重要なので、開発段階でおいしくなければ、もっとよい原料を使って、価格を少し上げようという考え方でやっています。

――同時に「ピノ ハッピーベリーアソート」も発売されました。こちらはどういう経緯で開発されたのでしょうか。

40周年の記念として、何かやりたいなということになりまして。

ピノのブランドが“ひと粒の幸せ”というコンセプトなので、幸せのイメージがあるピンク色のストロベリーチョコですべて統一した商品を作ろうということになりました。

マルチタイプは、家族や友だちと分け合うという、基本的に楽しくて幸せなシーンに登場するので、そのような場でこの商品を食べていただいて、みなさんに幸せが広がればいいなという思いを込めて開発しました。

バニラ、ストロベリー、ミルクチョコのアイスを、ストロベリーチョコでコーティングしています。

ピノの新フレーバー開発期間は1年以上!

――新しいフレーバーの開発は、どのようなスケジュールなのでしょうか。

1年前にはアイデアを考えて、依頼書を研究所に提出します。

そして、研究所から試作品が上がってきて、それを評価していきながら完成を目指すといった段取りになっています。

――1年前にはすでに来年のフレーバーの開発が進んでいるんですね。

はい。ただし、ソレイユパッションは2年前から考えていました。

新たなチャレンジをする場合はだいたい1年半〜2年は必要ですね。今回のソレイユパッションはマンゴーの果肉にこだわっているのですが、これも1年くらいかけて何十種類も試して、サイズや食感、味などを決めました。

ピノは、安心感のあるおいしさ、期待通りのおいしさを期待されている製品なので、その期待を裏切れません。新しい商品にチャレンジをしても、おいしさはしっかりと意識しています。

――ソレイユパッションは、パッケージも鮮やかで。トレイが金色で、こういうところにもこだわりが感じられますね。

金色のトレイにラメ入りの赤ピックという(笑)。

このピックのラメは非常にわかりづらくて。でも、こういう細かいところに気を使うのが、ピノらしいかなと思っています。

――ピックの先端も、以前とは変わっていますね。

先端が尖っていると危険なので、安全性を高めるように改良しています。

実はトレイやピックは何回も改良しています。

トレイは、ピックが動かないようにへこみを作ったり、ピックの首の部分も丸から六角形にして安定性を高めたり。

ピノのコンセプトは“ひと粒の幸せ”なので、いかにピノで幸せを感じていただけるかということを考えてます。味はもちろん、ピックの数字だったり、隠れた仕掛けをしたり。

お客さまがニコっと笑顔になるような仕掛けをピノでは大事にしています。

ロングセラーの秘訣はピノの「おいしさ」

――その話に繋がるんですけど、アイスは毎週ごとにいろいろな新商品が発売されていますが、ピノというブランドは長い間愛され続けています。その理由はどこにあるのでしょうか?

ひとつは、定番のバニラが非常に安定した売り上げを維持しています。

これが、お客様とピノを繋げている接点となっています。

その根底にはいつの時代でも「おいしい」ということがあると思います。そのために、時代によって微妙にブラッシュアップをしているところが、時代が変わってもお客様に「おいしいね」と言われている部分だと思います。

あとは、時代に応じたラインナップ展開をしているところですかね。

1992年に家族向けとしてアソートパックを発売したり、2004年には期間限定品でいちご味のピノを発売したり、ソレイユパッションは一口のご褒美というように、時代に合わせた見せ方を随時行っている点です。

――これだけさまざまな種類のアイスが登場している中、類似品が他メーカーからあまり出ていませんね。

ひと口形状のアイスは過去にも他メーカーから発売されていますが、ピノの特徴的なカタチやピックスタイル、何より“安心感のある味”が、長い間愛して頂いている理由だと感じています。

知っているとちょっとうれしいピノトリビア

ここからは、ピノの素朴な疑問に答えていただきました。長年の疑問が解消されるかも?

Q 「ピノ」の名前の由来は?

「ピノ」は、イタリア語で「松ぼっくり」という意味の単語です。見た目が松ぼっくりらしいのと、ピノっていう音感がかわいらしいというところから決まりました。

Q ピノはなぜ丸ではなく円錐台の形状なの?

口を開けたときの形をイメージしています。また、丸よりも円錐台のほうが、口の中に入れたときにチョコと接する面が多くなり、チョコとアイスが混ざり合って溶けやすくなるということを計算しています。

Q ピノのおいしい食べ方、正式な食べ方はあるの?

公式な食べ方は存在しません。私どもは一口で食べます。バランスを見るときに、一口で食べて口の中での溶け具合や混ざり具合を確認するので。

お客様によっては、舐める派、かじる派がいらっしゃるようです。また、ピックを刺す場所も、上、下、横といったスタイルがあるようです。

Q 隠れファンが多いフレーバーは?

アソートパックに入っているアーモンド味です。アーモンドはアソートパックでしか食べられません。ファンが本当に多くて、2年前にアーモンド味だけのファンクラブサイト「ピノアーモンドファンクラブ」を開設しました。アーモンド味のピノだけをつかみどりできるイベントを開催したこともあります。

この夏、また「ピノカフェ」でオリジナルピノが作れるぞ!!

40周年を迎えたピノ。いつの時代でもおいしさを再優先に、時代の流行やニーズを的確に捉え、目に見えない改良を加えたり、新フレーバーで飽きさせないという開発陣の意気込みがあってこその40年ということがわかりました。

これからは、40年の歴史と、開発陣の想いを感じながらいただきましょう。

取材の最後には、チョココーティングしていない「はだかピノ」に、自分でチョコをコーティングする体験をさせていただきました。

作りたてのピノは、いつも食べているピノとは違う味わい。ほんのり温かいチョコが口いっぱいに広がり、まさに「作りたて」といった風味です。

実は、この体験ができるんです! 昨年も好評だった期間限定のピノ専門店「pinofondue cafe chocolate & marshmallow」(ピノフォンデュ カフェ チョコレートアンドマシュマロ)が今年は東京と大阪でオープン。

7月15日〜8月31日まで東京・原宿の「東急プラザ表参道原宿」、7月22日〜8月31日まで大阪・梅田の「ブリーゼブリーゼ」にて展開します。今年は「ピノコーディネート」をコンセプトに、様々な味の“はだかのピノ”にチョコレート、マシュマロクリーム、トッピング、今年新登場の可愛いチャームを組み合わせて、自由に可愛くピノ・コーデを楽しめます。

自分だけのピノを作って食べられるなんて、とても幸せそうじゃないですか! これはぜひ行かねばなりませんね。

40年もの間愛され続けたアイス、「ピノ」。これからも我々消費者に、変わらぬおいしさと少しのドキドキ、そして新しいフレーバーを届けてください。

40周年、おめでとうございます!!