【全文その1】手倉森監督、U-23日本代表メンバー発表会見。悩んだ人選は岩波と中谷

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8月に行われるリオ五輪に向け、U-23日本代表メンバーを発表した手倉森誠監督。

会見は日本サッカー協会のYoutube公式チャンネルで生中継されたのだが、今回はその代表メンバー発表会見の全文その1をお届けしよう。

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※できる限り話し口調のまま掲載

田嶋 幸三(日本サッカー協会 会長)

「このように多くの皆様にお集まりいただき、ここでオリンピック代表選手を発表できることを本当に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

私自身もつい先程、メンバーを見ることができました。後ほどその具体的な発表、その意図は監督の方からあると思います。

選手にとってこのオリンピックに出る、出ないというのは本当にその人の人生や、様々なものに関わってくると思っています。

そういう選考をするわけですから、最も難しい選考をした手倉森監督の苦労というのはひしひしと分かりました。

ただ残念ながらそれをしっかりとやり、その18名を発表することが監督の仕事であり、それを全うし、本大会に一番いい形で臨む。このことを私たちはバックアップしていきたいと思っています。

そして、この18名に入った選手たちを支えてくれているJリーグのクラブ、そして特にオーバーエイジについても協力してくださったクラブの方々には改めて感謝申し上げます。

そして、選ばれなかった選手たち。非常に悔しい思いをすると思います。

ただ、まだまだ若い選手たちでこれからのサッカー人生は長いものがあります。ワールドカップもあります。それを目指し、本当に努力し活躍していただきたいと思っております。

今回発表がありますが、U-19の選手たちも何人かサポートメンバーとして行くことになっております。次の東京オリンピックも考えた形で、手倉森監督がそういうことを認めてくれたことに感謝をします。

改めてここまで来れたことに対して、日本サッカー協会を支えてくださっているスポンサーの皆様方。そして何よりも、選手を育ててくださった小学校、少年団、中学校、クラブ、Jのアカデミー、そして高体連のクラブ、大学の関係者の皆さんに感謝申し上げたいと思います。

良い成績が残せるよう私達サッカー協会は本当にバックアップし、リオデジャネイロのオリンピックに臨みたいと思います。ありがとうございました」

手倉森 誠(U-23日本代表監督)

「こんにちは。

えー…皆さんの思いが熱いのか、スポットライトが熱いのか…僕の気持ちが熱いのか(笑)

いよいよオリンピックメンバーを悩みに悩み抜いて決定することができました。

U-23日本代表は、今日から「サッカー日本オリンピックチーム」に変わるんだと。これまで僕とともに戦ってきてくれたU-23世代の選手たちの役割もここで分かれます。託す側と託される側に。

託す側に回った選手たちには、常々メッセージとして言っている『日本の将来のサッカーの発展に関わり続ける選手になれ』と、今日の発表をもって役割は託す側になったとしても、それを切らさずに是非やってほしいなと。

もちろん外れた時には悔しさがあります。その悔しさを糧に、日本サッカーの発展のために努力をし続けるということをメッセージとして伝えたいし。

託される側は、喜んでる場合じゃないと。仲間の思い、国民の思い。日本サッカーの将来の可能性を伸ばすための責任と覚悟を持ってオリンピックに臨んでほしいなと思ってます。

こうして切符を取れてオリンピックに出れてメンバーを選考するにあたって、協力してくれたJのクラブに感謝したいなと思いますし、いろんな人の支えによって今日こうして記者会見ができることを感謝しています。

それではメンバーを発表します。

(ポジション別にメンバーを発表する)

以上18名です。

集中開催であるリオの大会で、U-23世代の強みとして発揮された『まとまり』。これをまた18人で上手く発揮できるだろうなという、調和の取れたメンバーになったのかなと思います。

ここにオーバーエイジ3人加えましたけど、このチャンスをロシアに繋げられるメンバーということで期待していますし、戦術に関しても柔軟性や割り切りになったところの、柔軟性。そこを十二分に発揮できるメンバー構成だな、と。

そしてプラス世界の舞台で示さなければいけないメリハリという部分も上手くコントロールできるようなメンバー構成にしたつもりであります。

この間の南アフリカとのゲーム。

最初に辛抱させられてから相手の強みをしっかり受け止めた中で、弱みを探りながら隙を突いていく。そして、ゲームを読みながら勝利をもぎ取るというようなスタイルが私は今の日本代表のスタイルかなと思っています。

そういったゲームをコントロールしながら、読みながら、相手の心理も汲みながら、小さな隙を大きな穴にしていくと。そういったところを突けるような試合を是非本大会ではしていきたいなと思っています。

続いて、バックアッパー。

GK:
杉本 大地(徳島ヴォルティス)
DF:
中谷 進之介(柏レイソル)
MF:
野津田 岳人(アルビレックス新潟)
FW:
鈴木 武蔵(アルビレックス新潟)

この4人に関しては、『バックアップに回るけれども』という話を昨日直接電話で伝えました。

僕自身、この発表をもって彼らに分かってもらうことは不本意だなと。自分の口から彼らの役割、この役割に回った時の彼らの気持ちを直接知りたかったと。

4人とも快く『バックアップでも行きたい』、『チームに何かアクシデントがあった時には力になれれば』と快諾してくれました。そこにまた僕自身も勇気付けられたし。彼らのようなメンタリティが、また選ばれた18人をよりたくましくしてくれるだろうなと思っています。

もちろんバックアップに選ばれていない本当にメンバーもね、残っていくメンバーも同じ思いだと思います。

縁があれば彼らもピッチに立つことがあるでしょう、という話を昨日しました。

23人を登録することができる本来の国際大会であれば間違いなくメンバーに入る選手たちだな、と。でも今回は18人だと。そうなった時の役割を彼らは十分認識してくれていると思っています。

(トレーニングパートナーについて)

U-19の選手から4人連れて行きます。

これはアジア最終予選を勝ち抜いた後、18人でしかオリンピックの準備期間を考えた時になくてはならないところのパートナーを田嶋会長からすかさず『若い選手を連れて行ったらどうだ』という提案がありまして、そこに甘えさせてもらった形にもなります。

リオの五輪の後は東京オリンピックということを考えれば、ここでこのオリンピックチームに絡ませることは非常に重要なことだなと思ってますし。

今アメリカでU-19は最終予選に向け準備してますけども、またその最終予選に向けて万全な体制というところにも繋がればいいなと思うし、そして東京オリンピックに是非繋げてもらいたい、と。

GK:
杉本 大地(徳島ヴォルティス)
DF:
小島 雅也(ベガルタ仙台)
MF:
渡辺 皓太(東京ヴェルディユース)
冨安 健洋(アビスパ福岡)
FW:
小川 航基(ジュビロ磐田)

※杉本はバックアップメンバーも兼ねる

彼らを連れていきます。以上でメンバー発表を終わります」

(質疑応答が始まる)

―まずメンバーについて。最終的に決まったのはいつなのか、最後まで悩んだところはどこなのか、ということをお伺いしたいと思います。東京五輪についてという話が出てますが、オーバーエイジの選考で、今回当初監督が構想されていた状況からは違う選考になったと思います。来ると決断してくれた選手は実力もありますし出したクラブにも敬意は必要かと思いますけど、オーバーエイジの選び方について東京五輪に向けて改善点なり定義があれば教えてください。

手倉森「まずメンバーを確実に決定したのは、『よし、寝る!』と思った時ですね。昨日の深夜。

自分の中で決めて寝ました。選ぶのに難しかったのは、南アフリカ戦でのそれぞれのパフォーマンスを見せつけられた時に、ここから絞らなければいけないのかという思いに駆られてね。全ての選手に対して思い悩みました。

そのなかでもね、高いパフォーマンスをしてくれたDF中谷進之介。プラスここには来なかった岩波の回復状況というところで、こればっかりは予測での計算しかできないので、そこを決断するにあたって自分としては慎重だったし大きな決断だったなと思いますよね。

東京オリンピックへのオーバーエイジの提言というのは、今はリオのことしか考えてない…すみません」

―ポジションの配分を見るとボランチが4枚、サイドハーフが3枚という構成だと思うんですけど、ここも迷わなかったのか、あるいはどういうところに悩んだのかそのあたりの意図と、最終予選から武蔵選手、オナイウ選手を選ばなかったことでセットプレーの高さで減ると思うんですが、そこの手当てをどう考えているか。この二点をお願いします。

手倉森「アジア最終予選まで、メンバー構成に対しては自分の軸みたいなところだったと思います。

中央の枚数を増やして、両サイドの枚数を減らすと。高さも十分でなさそうだと。皆さんもお分かりの通りだと思いますね。だけど、自分はオリンピックに挑む時のイメージ、高さだけに準備して高さだけを用意することも少し是正しないといけないな、と。

日本の強みは何だと言えば、おそらく速さだな。そこを十分考慮してメンバー構成を作ってみようと。

この大会に挑もうとした時に、はたして攻撃的にやれるのか。僕は必ず押し込まれて守らなければいけない状況が続く大会になるだろうなと6割方思っていて。

そうなった時に相手を打ち負かそうとした時の守備。サイドバック、センターバック、ボランチを厚くするためにボランチを4枚にしました。ボランチの中に遠藤航という後ろのどこでもやれる選手がいる。そして塩谷もサイドもできる。

そういう複数のポジションをこなせる選手たちを後ろに置いた時に、後ろを万全にしておきたかったなというところで。前の選手たちは逆に言えば、少数精鋭かもしれない。だけどチャンスも少数かもしれない。そこを突けるような選手たちを揃えたつもりですから。

そんな戦い方もイメージしてメンバー、ポジション構成を考えました」