アップルが「iPhoneにアイデアを盗用された」男性から10億ドルの請求訴訟を受ける。ただし根拠は無効となった特許

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アメリカのフロリダ州在住の男性が、アップルに対して「iPhoneやiPadなどは自分のアイディアを盗用している」として、100億ドル(約1兆290億円)を請求する裁判を起こしていることが報じられています。男性は「electronic reading device」(電子読書デバイス、以下ERD)の特許を1992年、つまり初代iPhoneが登場する15年前に申請していたとのことです。

アップルが自らのアイディアを盗んだと訴えているのは、Thomas Ross氏という人物。Ross氏は1992年5月23日から9月10日の間に、長方形のパネルと丸みを帯びた角を持つ携帯デバイスを手描きでデザイン。このデバイスには「1992年以前には存在しなかったデザインと機能の融合がある」と主張されています。

Ross氏によれば、ERDはストーリーや小説写真、、ビデオや映画を見られる機能や、バックライト付きタッチスクリーンも備えているとのこと。そればかりか電話やモデム、メモをとるなどの入出力機能、内蔵メモリおよび外部ストレージの読み書きもでき、バッテリーやソーラーパネル実装さえ想定していたとされます。

実際にRoss氏は1992年に特許を申請したものの、申請料金を支払わなかったために1995年に却下されて無効になっています。しかし、Ross氏を代理する弁護士いわく、アップルはiPhoneなどをデザインするさいに「ゴミ箱あさり」をしたとのことです。

Ross氏による手描きのデザインは以下のとおり。1992年といえば、アップルが1月のCESでPDA「ニュートン」を発表した年であるという事実も噛み締めつつ、読者諸兄の目でご確認ください。

Ross氏は100億ドルに加えて、アップルの今後の収益に付き1.5%のロイヤリティを要求。同社の昨年の収益は2350億ドル(約24兆1670億円)に上るため、もしこの要求が通れば年間35億ドル(約3600億円)の富を得ることになります。

さらにRoss氏は「我々は偉大なアイディアを盗む恥知らずなことをしてきた」という故・スティーブ・ジョブズの発言まで引用し、「カネでは償いきれないほどの深く傷ついた」と述べています。無効となった特許を「ゴミ箱あさり」という法律にはない概念で覆せるのか、今後の成り行きを見守りたいところです。