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イグニッションデザインラボ(IDL)は6月30日、都内で記者会見を開き、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」においてターボチャージWi-Fiルータ「Portal」の予約販売を開始したと発表した。価格は1万5800円、11月頃の発送を予定している。

冒頭、イグニッションデザインラボ 日本法人代表の高木映児氏は「Wi-Fiは、普及したがためにシステム内の干渉が大きくなっているほか、5GHz帯では十分な帯域が無線LANに割り当てられているにもかかわらず多くがレーダー優先帯域があるため、帯域が有効活用されていないことが原因だ」と述べ、Wi-Fiの課題について言及した。

5GHz帯の通信では、レーダーなどに影響を与えないよう、無線LANルータが付近でレーダーが使用している電波を自動的に検出し、その周波数を避けて運用するDFS(Dynamic Frequency Selection)という機能が用いられる。しかし、それらの帯域を活用する場合、当該チャネルの使用前に1分間レーダーがいないか確認し、その後もチャネル使用時にレーダーを常に監視する必要がある。また、新たにレーダーを検知した場合、ただちにチャネルの使用を停止し、移動しなければならない。

そのような状況を踏まえ、IDLでは受信専用チップにより常に無線LANの全チャネルをモニタすることで、レーダーを検知した際に1分を待たずに新しいチャネルの使用を可能とするPortalを開発したという。

規格はIEEE802.11ac Wave2に対応するほかIEEE802.11a/b/g/nにも対応し、9本のアンテナ、5GHz帯が4ストリームで最大1733Mbps、2.4GHz帯が3ストリームで最大600Mbps、インタフェースはGB-Etherポートが5、USBポートが2となる。

高木氏は新製品について「全チャネルでレーダーなどの干渉波や無線LANトラフィックを常時モニタする受信専用チップの搭載している。そしてスマートフォンで入力を可能とするなどエンドユーザーの視点から使いやすさを追求した」と説明。

また、今後の日本市場における事業展開について同氏は「欧米に比べてブロードバンド回線が普及しており、Wi-Fiの混雑度が高いため日本市場には期待している。まずは、クラウドファンディングによりB2C市場に参入し、市場での認知度向上とともにユーザーの声を収集したうえで、次期製品の洗練化を目指す。そして、間を置かずにB2Bへ参入し、リテール市場やキャリア市場、CE市場などへ展開していく。また、製品展開は1社で完結することなく、幅広くパートナーと連携していく」と期待を寄せた。

(岩井 健太)