常子、火の始末を忘れる「とと姉ちゃん」76話

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連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第13週「常子、防空演習にいそしむ」第76話 6月30日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:岡田健


「非常時だからこそ身だしなみをただすことで心をただすのではありませんか」
鞠子(相楽樹)がついに立ち上がった。
今日もまた理不尽な組長・三宅光政(有薗芳記)が登場し、小橋家に供出品を要求。その流れで家訓まで咎める。
「戦いを忘れるな」と叱咤する三宅に「私たちだって戦いを忘れていません」と理路整然と返す鞠子。前述の台詞が出ると、ついに三宅が折れた。
すごいぞ、鞠子。常子のようにただただ相手を否定するのではなく、鞠子は、三宅が服にアイロンをかけて身だしなみを整えていることを正しい心の表れだと肯定する。なんにしても一度は相手を認めてみることの大切さを鞠子は感じさせてくれた。

時に昭和20年3月9日。
常子と美子の誕生日が3月10日、鞠子が5日。毎年恒例の合同誕生会が、この一件によって中止に。
だが、かか(木村多江)は明日(10日)、おはぎを作ろうとあずきをとりだして、三姉妹を喜ばせる。
喜びもつかの間。夜中にあずきを煮込んでいたら、空襲が来てしまい・・・。
その空襲は、3月10日、深川を含む下町を焦土と化した東京大空襲。
「生きてることに感謝しなきゃ」
「今日から泣くのは禁止します 次に泣くのは嬉しい時 嬉しくて泣ける時まで涙は我慢しましょ」とかか。
「ほんのわずかな差で自分たちは生きているだけ。簡単に人は死に、自分たちも例外でないことをいやおうなしに気づかされたのです」(語り:壇ふみ)
この時、常子は火の始末をしていなかったため、せっかくのあずきを無駄にしてしまっている。これだって、ともすれば火事につながったかもしれない。危ない危ない。

冒頭登場し、「本を読んで勝手に楽しむ分には誰もとがめないだろう」と言う貸本屋のお客さんを演じたのは俳人でもある俳優・小倉一郎。役名は衣裳の胸元の名札によると大澤二郎(クレジットには表記なし)だった。一郎演じる二郎、今回だけのゲストなのか? それとも今後絡んでくるのか。単なるゲストだとしたら、
西田征史脚本作「ママさんバレーでつかまえて」に出演していたよしみだろうか。
おわりには、常子タイピスト編に登場したお竜さん(志田未来)が再登場。出会ってから5年くらい経っていて、かつ薄汚れているにもかかわらず、常子はお竜にすぐ気づくのだった。
(木俣冬)