就労状況にある女性の57%が非正規雇用という現代。非正規雇用のなかで多くの割合を占める派遣社員という働き方。自ら望んで正社員ではなく、非正規雇用を選んでいる場合もありますが、だいたいは正社員の職に就けなかったため仕方なくというケース。しかし、派遣社員のままずるずると30代、40代を迎えている女性も少なくありません。

出られるようで、出られない派遣スパイラル。派遣から正社員へとステップアップできずに、ずるずると職場を渡り歩いている「Tightrope walking(綱渡り)」ならぬ「Tightrope working」と言える派遣女子たち。「どうして正社員になれないのか」「派遣社員を選んでいるのか」を、彼女たちの証言から検証していこうと思います。

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今回は、都内で派遣社員をしている坂上由紀さん(仮名・28歳)にお話を伺いました。ショートカットにボーイッシュなファッションの由紀さん。一見、仕事が更新されないようなトラブルとは無縁そうに見える由紀さんでしたが、「派遣」という雇用形態を選ぶようになったのは理由がありました。

由紀さんは、大学在学中にダブルスクールへ通い、Web制作で必要なソフトの技術を学びました。一般的には知名度が低い私大に通っていた由紀さんは、専門学校に来ていた求人で就職します。

「ECサイトを持っている企業の本社に、DTPオペレーターという職種で勤務していました」

順風に見えた社会人生活。しかし、ある人との出会いで一転します。

「実は同じ会社に、契約社員で働いていた男性と同棲を始めました。ファッションとか比較的自由な会社だったのですが、金髪にコンバースを履いていて。Twitterとか探してみたら、政治についてとか論じていたり、バックパッカーで出歩いていたり。かっこよく見えちゃったんですよね」

由紀さんは正社員として働いていましたが、彼氏は正社員ではなく、契約社員だったそう。

「彼が契約社員なのは、正社員になると休みがとりづらくなるからと聞いていたのですが、実際は元々彼がいた会社が何度かの吸収合併で、本社に取り込まれる形で契約社員になったようでした」

次第に由紀さんは、仕事よりも彼氏との生活を優先するようになったと言います。

「仕事はサイトのリニューアルデザインを任されたり、やりがいがあったのですが、彼氏の束縛がきつくて。深夜残業などが続くと機嫌が悪くなったり。今思えば、私が正社員だったのが気に入らなかったんですよね」

由紀さんは同棲していた彼氏の口車に乗って、大きな決断をしてしまいます。

「彼が“仕事やめてオーストラリアにワーホリに行こう”って誘ってきたんですよ。私もまだ25歳前だったし、焦りとかなかったので一緒についていく事に決めました」

しかし、海外へ移住する前に意外な行動に出ます。

「雇用保険を掛けていたので、退社後すぐに訓練学校に入校しました。授業自体は知っていることの繰り返しだったので苦痛だったのですが、DTPの技術が学べる学校に半年通いました」

働かずに、訓練校への通学で失業保険と給付金を貰っていたと言う由紀さん。

「全部、同居していた彼の言うとおりにしていました。学校も夕方に終わるので、一緒にいられる時間も長いし、今思えば楽しかったです」

半年間の訓練学校での修学を終え、彼氏と一緒にオーストラリアへと旅立った由紀さん。

そんな由紀さんを、思いがけないようなトラブルが襲います。

自宅のPCにはデザイン系ソフトがインストールされていないので、就業先のPC環境がどんどんバージョンアップされていくと、操作に慣れるのが大変だそう。

【派遣女子・どうして更新されないの?】 ダメ男にハマり、脱毛症。派遣を続ける理由は○○だった?〜その2〜に続きます。