梅雨が明けたら、いよいよ、本格的な真夏が到来しますが、そんな季節の中で、身体が反射的に欲するものといえば、アイスクリームではないでしょうか。そんな万国共通、老若男女に愛されるアイスクリームの世界人気ブランドランキングが発表されました。日本でおなじみのあのブランドが、世界では下位にランクイン。

欧州ユニリーバのブランドが一人勝ち! 日本代表「明治」は14位に

米Forbs紙の記事によると、全世界を対象にしたアイスクリーム売り上げランキングには、欧米勢のアイスクリームが首位を占めています。

日本を代表する老舗ブランド「明治」は、ランキング内で15位中14位という結果になっています。

1位 マグナム (ユニリーバ・グループ / イギリス&オランダ ) 25.4億ドル(約2597億円)

2位 ハーゲンダッツ (ジェネラルミルズ/ アメリカ) 20.86億ドル(約2144億円)

3位 コルネット (ユニリーバ・グループ / イタリア ) 15.95億ドル(約1639億円)

4位 Ben & Jerry’s (ユニリーバ・グループ / アメリカ) 12.32億ドル(約1266億円)

5位 Breyers (ユニリーバ・グループ / アメリカ) 9.6億ドル(約986億円)

6位 Carte d’Or (ユニリーバ・グループ / フランス) 8.27億ドル(約850億円)

7位 Dreyer’s/Edy’s (ネスレ/ アメリカ) 7.73億ドル(約794億円)

8位 Blue Bunny (Well’s dairy Inc / アメリカ) 7.23億ドル(約743億円)

9位 Klondike (ユニリーバ・グループ / アメリカ) 6.52億ドル(約670億円)

10位 Mihan (Mihan Dairy Group / イラン) 5.75億ドル(約591億円)

11位 Drumstick (ネスレ / アメリカ) 6.16億ドル(約633億円)

12位 Nestle (ネスレ / スイス) 4.49億ドル(約461億円)

13位 Outshine (ネスレ / アメリカ) 4.36億ドル(約448億円)

14位 明治 (明治 / 日本) 4.34億ドル(約446億円)

15位 Popsicle (ユニリーバ・グループ / アメリカ) 4.32億ドル(約444億円)

このランキングみると、オランダとイギリスの多国籍企業「ユニリーバ・グループ」が圧倒的なシェアで、ランキングのほぼ半分を独占していることがわかります。

1位 マグナム(Magnum)

 

Magnum Ice Creamさん(@magnum)が投稿した写真 - 2016 5月 19 10:12午前 PDT

日本であまり流通されていないこともあり、聞いたことがない人も多いかもしれませんが、世界を代表する高級志向のアイスバーブランドです。

ヨーロッパを始めとして、アジアなどでも販売されているので、海外旅行先のコンビニで食べたことがあるという方もいるかもしれませんね。

ユーロモニターの市場調査によると、このベルギー産のチョコレートがたっぷりかかったアイスバーは、2015年に2.54億ドルの利益をあげました。

これは前年度と比較して8%アップで、次位のハーゲンダッツに4.5億ドルの差をつけました。

同調査によると2016年は2.69億ドルまで売り上げるのではないかと予測しています。

 

Magnum Ice Creamさん(@magnum)が投稿した写真 - 2016 5月 16 1:14午後 PDT

キレイなモデルを起用して、イメージ戦略もバッチリ

この勝因としては、ユニリーバが本拠地であるヨーロッパから、アメリカ、中国、インドへとその流通市場を拡大したことにあるといえそうです。

贅沢なプレミアム感を売りに、大人のヨーロピアンの心をがっちりと掴んだMagnumは、ヨーロッパの家庭の冷凍庫に必ず常備してあるようなユビキタスな存在へとすっかり定着しました。

2位 ハーゲンダッツ

 

Häagen-Dazs Ice Creamさん(@haagendazs_us)が投稿した写真 - 2016 3月 24 12:32午後 PDT

日本では2004年に全店舗が撤退したハーゲンダッツです。

専門店販売はなくなりましたが、今は日本ではコンビニやスーパーなどの店舗販売が主流ですよね。

高脂肪・プレミア感が売りです。

高級アイスクリームの市場を開拓し、創業当時から長い間頂点に経ち、常にその名を轟かせ続けたハーゲンダッツ。

 

Häagen-Dazs Ice Creamさん(@haagendazs_us)が投稿した写真 - 2016 5月 10 4:21午後 PDT

本来アイスクリームは「子供のお菓子」というイメージを覆し、大人向けとして宣伝をしたことが功を奏しました。

男女が絡み合うセクシーなCMは今や日本でも定番となりましたね。

しかも、名前からしてヨーロッパのブランドかと思いきや、なんと発祥は米国ブロンクスと意外な場所でした。

ちなみに、名前に意味はなく、デンマークの酪農が盛んだったことから「デンマークっぽく」見せるような名前をつけたかったんだそうです。

創業者であるブロンクスの夫婦もまさかここまで大企業になるとは当時思っていなかったんでしょうね。

今はジェネラルミルズというアメリカの食品会社がブランドを所有しているそうです。

3位 コルネット(Cornetto)

 

Cornettoさん(@cornetto)が投稿した写真 - 2016 2月 14 8:13午前 PST

ヨーロッパのキッズを魅了しつづける大衆向けアイスクリームブランド「Cornetto」は3位にランクインしました。

日本でいうジャイアントコーンのような、チープな紙に巻かれたワッフルコーンアイスクリームは2015年に1.60億ドルの売り上げを記録しました。

ブランド創立25周年の2015年にはユニリーバは、「チョコレートバー」タイプのアイスクリームに対抗すべく、大がかりなキャンペーンイベントを催したそうです。

世界におけるアイス市場は右肩上がり

アイスクリーム市場は右肩上がり

世界のアイスクリームの売り上げは、過去5年感で著しい成長をしてきました。

今やグローバルアイスクリーム市場の5分の2を占めるまでに昇り上げてきたブラジルと中国、この2カ国での大幅な売り上げ上昇と拡大によることも一因といえるでしょう。

薄利多売のビジネスに人口マターは欠かせないですね。

その一方で、アイスクリーム市場の景気が悪い国もあります。

それが意外にもアメリカ。

2014年の売り上げに比べて、2015年は5900万ドルも売り上げが下がってしまったんだとか。

6年続けての下降ということです。

ただ、カテゴリー別に見てみると、「ヘルシー経済」は話が別のようで、値段が高い手の込んだアイス、もしくはプレミアムブランドについては前年に比べて2%の売り上げ増加があったのだとか。

最近のアメリカ人消費者は安さよりも質を求める傾向にあるようです。

さて、ランキングを見てもわかるように、ほとんどが欧米で日本からは「明治」のみがランクインしました。

なぜ世界で売れない?日本のアイスクリーム

SankeiBizによると、「世界最高品質」の日本のアイスは、海外における物流システムのレベルの低さや、消費者のコンビニアイスへの低い期待値などが原因で、日本のアイスクリームは海外で、「売れていない」のではなく、「売っていない」のが実情だそうです。

先進国での敗因は、新興国の消費者のようにコンビニへのアイスクリームへの期待値が低く、そもそも高い技術力を求めていないとのことです。

海外では、少し贅沢をしようと思ったら、高級アイスクリーム専門店に行き、ひとつ500円のアイスを頼むという人が多いのだそうです。

これでは、確かに、コンビニで安くて美味しいアイスクリームがいつでも入手できる日本のアイス文化が、海外で根付くのには時間がかかりそう。

しかし、いつの日か日本のアイスクリームが世界の市場に参入し、認められる日が来ることを期待したいところですね。

日本人にとって馴染みのあるブランド、例えば「ガリガリ君」や「雪見だいふく」などがのアイスが世界的に名を馳せる日がくることを願って。

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source by: Forbs, ユーロモニター, ジェネラルミルズ, SankeiBiz

文 / 臼井史佳

出典元:まぐまぐニュース!