前半の終盤に3ゴールを奪って逆転に成功した日本。ただし、南アフリカの動きの悪さがあったことも付け加えなくてはならないだろう。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ]U-23日本4-1U-23南アフリカ 6月29日/アルウィン

「言い訳はしない。日本は確実に我々より“うわて”だった」                                           
 
 試合後の記者会見で、南アフリカのオーウェン・ダガマ監督は、開口一番そう語ったが、実情はやはり厳しいものがあったようだ。

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「言い訳はしない」と語った同監督だが、選手たちの動きの重さについて次のように語っている。
「土曜日に国内で試合を終えて、すぐに出発して香港経由で24時間かけて日本に着いた。それから中1日ですぐに試合だったので、最初の20分から25分まではよく身体も動いていたが、その後はフィジカル的にも辛いものがあった。かなり多くの選手が『身体が重い』と言っていた」
 
 その言葉を裏付けるように、30分に亀川のハンドで得た幸運なPKによって先制点を奪ったものの、その後は日本のパスワークに翻弄され、中央を次々に破られ失点した。巻き返しを図ろうとした後半立ち上がりにも浅野に裏を取られて4点目を献上。指揮官は、「前半のラスト10分、後半最初の10分で、メンタルの弱さに付け込まれた」と敗因を語った。
 
 さらに「オリンピック予選を通過してから親善試合としてはまだ2試合目。一緒にプレーする機会が非常に少ないのは確か。協会とリーグの連係が合わず、クラブのほうから選手を出してもらうのが難しい」と、リーグやクラブとの折り合いの悪さも強化に影響しているようだ。とはいえ、インターナショナルマッチデーに入っていない五輪の選手招集に非協力的なのは、万国共通とも言えるのだが……。
 
 ただ、アフリカ3位で五輪出場権手にしている南アフリカには、5人のオーバーエイジ候補がいるようで、なかには欧州チャンピオンズ・リーグでのプレーも経験している選手もいるという。本大会ではさらに強力なメンバーを加えて、戦力を拡充してくることは間違いなさそうだ。
 
 ダガマ監督は、「今日見てもらった試合は、我々の70パーセントくらいの力」と語っているが、確かにその低調なパフォーマンスからも4-1のスコアは額面通りに受け取るべきではないだろう。
 
 コンディション不良があったとはいえ、ダガマ監督は連続3失点を食らった前半終盤の混乱については、弱点を抱えていた守備が日本のある選手の鋭い動きに翻弄されたため、としている。
 
「混乱の原因は13番の中島選手がすごく深いところにボールを入れてきたためでした。(ボランチの位置で起用されていた)メコアには『日本がポゼッションをしている時には、なるべく13番の中島をマークするように』と指示を出していましたが、センターバックには本来中盤をやっている選手(6番のムバロ)が入っていたり、我々のディフェンスの弱みが出てしまった」
 
 2得点をマークし、勝利に大きく貢献した中島だが、どうやら敵将には攻撃に奥行きをもたらすチャンスメーカーとしても脅威に感じられていたようだ。実際、バイタルエリアから自ら持ち上がったり、浅野や野津田、矢島との絡みなどでたびたび最終ラインの裏にボールを送り込んでいたのは確かだ。ダガマ監督は、日本の攻撃を「中盤でチャンスを見つけて突破していくといったプレーが非常に優れていた」と評価している。その中軸として君臨していたのが中島だったというわけだ。
 
 五輪前の国内ラストマッチで13番を着けて戻ってきた中島は、相手チームからも恐れられるほどの輝きを放っていたようだ。