中国では近年、経済成長率の鈍化に伴い、「過剰生産能力」が問題となっている。日本で開催されたG7においても、中国の同問題が議論されたことから、その深刻さが見て取れる。(編集担当:村山健二)

写真拡大

 中国では近年、経済成長率の鈍化に伴い、「過剰生産能力」が問題となっている。日本で開催されたG7においても、中国の同問題が議論されたことから、その深刻さが見て取れる。

 鉄鋼業界では、中国が鉄鋼を大量に生産し、輸出を増やしていることから世界の鉄鋼価格が下落、各国の鉄鋼メーカーも苦境に追い込まれている。中国メディアの千人智庫はこのほど、中国では現在、「過剰生産能力」が問題となっていない産業は見当たらないほどだと伝える一方、中国経済の本質的な問題は「過剰生産能力ではなく、産業の空洞化にある」と主張した。

 記事は、自動車や造船など、中国にも工業製品は存在すると指摘し、特に自動車においては中国は世界最大の市場であると指摘。だが、造船は主要な部品を輸入して組み立てているだけに過ぎず、自動車市場において「売れているのは合弁メーカーの自動車ばかり」と指摘した。また、中国で生産される電子機器などについても、生産ラインは日本やドイツから輸入しているのが現実だと論じた。

 また、パソコンやスマホにおいても中国はCPUを内製化できず、同じように輸入に頼っていると指摘。CPUは端末の大脳にあたる重要な部品であり、非常に多くの部品から構成されていることを紹介する一方、CPUには中国製の部品はほとんど使用されていないと論じた。

 このように中国には基幹部品を生産できるような基幹技術がないにもかかわらず、すでにメーカーは中国から撤退し、向上を東南アジアに移転させている。鉄鋼などの分野で過剰生産能力が大きな問題となっているが、記事は中国経済が抱える問題の本質は技術に競争力がなく、産業がますます空洞化している点にあると論じている。(編集担当:村山健二)