ジャガイモは昨今悪役にされがちな「糖質」豊富な食べ物。一方で、生活習慣病を予防する効果が認められた「カリウム」の含有量が高く、健康的か否かの決着がつかずにいた。

 しかし、米国立衛生研究所の助成による研究で「普通のジャガイモ料理でも、高血圧発症リスクが上昇する」との結果が報告され、注目を集めている。

 研究者らは、米国で1970年代から続く中年の看護師や医療関係者を対象とした大規模調査のデータを使い、ジャガイモ摂取量と高血圧との関係を解析。それぞれ登録時に標準的な血圧だった男性3万6803人、女性15万0650人のデータを対象とした。

 また、ジャガイモは、ベイク(焼き)/ボイル(ゆで)/マッシュ(つぶし)といったノンオイルのヘルシーな調理法と、高温の油脂で調理するフライドポテト、ポテトチップスの3調理法に分類。20年の追跡期間中、1カ月に食べたジャガイモ量と調理法、高血圧発症との関連を調べた。

 その結果、ジャガイモの摂取量が毎月1サービング(50〜110グラム)未満の人に比べ、1週間に4サービング(200〜400グラム)以上食べる人の高血圧発症リスクはマッシュポテトなどヘルシーな調理法でも1.11倍に上昇。一方、フライドポテトの発症リスクも1.17倍に上昇したが、意外にもポテトチップスは0.97倍と発症リスクが低かった。

 また追加研究としてヘルシーなジャガイモ料理1日1サービング分を緑黄色野菜など非でんぷん質の野菜に置き換えたところ、高血圧の発症リスクが有意に低下した。

 米国では、2010年から子供たちに無料の「健康的」なランチプログラムが提供されている。しかし、当初設けられていた「ジャガイモなどのでんぷん質野菜」(野菜!?)摂取量の制限は、2年後になぜか撤廃。今回の調査報告はこれに警鐘を鳴らすものだ。

 日本ではジャガイモを「野菜」として食べる人はいないだろうが、イモ類の糖質は案外吸収が速く、高血圧のほか食後高血糖要因にもなりやすい。やはり、食事はバラエティ豊かに、が大原則である。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)