「世界最大の小売業」はなに?

 皆さん、お久しぶりです。約4ヵ月お休みをいただいていましたが、この間、国際会議に出るための海外出張やIoT、サイバーセキュリティなどをテーマに活動を続けてきました。今回は連載再開の第一弾として、最近、講演で来場者にウケがいい話から紹介しましょう。

 私はよく講演の初めにこんな質問を投げかけます。「世界で一番大きな広告代理店を知っていますか?」。あなたはどこかわかりますか? 答えはフェイスブックですが、実は驚くことにフェイスブックが作った広告なんて1つもありません。

 来場者の皆さんは、恥ずかしがりやなので最初はなかなか答えてくれませんが、私はかまわず、「世界で一番大きい会社は?」といろいろな業界について質問を投げかけます。映画会社なら動画共有サービスを手がけるYouTubeですが、売り上げは業界トップながら、やはり映画を制作したことはありません。

 タクシー会社なら、配車サービスのウーバーテクノロジーズ。ここもタクシーを1台も持っていません。

 ホテル会社のトップは、ヒルトンとハイアットを足した以上の売り上げを稼ぎ出すエアビーアンドビー(Airbnb)。自宅の空きスペースを旅行者などに貸し出すウェブサービスを展開していますが、自社では不動産施設を1つも所有していません。

「では最後に、世界で一番大きな小売店はどこでしょうか?」このあたりになると、チラホラ手をあげる人が出てきて、「アマゾン?」と答えます。でも、答えはノーです。

 正解は中国のアリババ・グループ。しかもここはアマゾンとは違い、自社で商品在庫を1つも持っていないのです。

 何が言いたいのか、もうおわかりだと思います。そう、これらの会社に共通するのは「資産や在庫を1つも持っていない」ことです。そして、いずれの会社もわずか数年で業界地図を塗り替え、大成功を収めています。

 すべて海外の企業ですが、なぜ日本ではこうした新たな視点でビジネスを創り出す企業が生まれなかったのでしょうか。この間、日本が政情不安だったり恐慌だったり、規制がジャマしていたわけではない。インフラも整い、企業の資金も豊富で、いくらでもチャンスはあったはずなのに。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)