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 運動が体にいいのは常識ですが、ここ数年は「頭を良くする」ためにも欠かせないことがわかってきました。

 そのカギになるのが、BDNFという物質。脳神経や機能の発達をうながすタンパク質の一種で、脳をまともに働かせるためには欠かせません。

 たとえるなら、脳をエンジンとすれば、BDNFはガソリンみたいなもの。いくらがんばって勉強をしようが、BDNFが足りないと成果は上がないわけです。

 基本的にはどんな運動でもBDNFは増えますが、いくつかのコツを押さえておくと、さらに効率よく運動で頭を良くすることが可能になります。7つのポイントを紹介しましょう。

◆運動で頭を良くするための6つのポイント

1.とにかく運動を楽しむ

「脳を鍛えるには運動しかない!」などの著書で有名なジョン・レイティ教授によれば、楽しんで運動をしたほうがBDNFは出やすくなります。運動を楽しむことで脳の報酬系が活性化するのが原因です(1)。

 いっぽうで2014年にコーネル大学が行った実験では、強制的に運動をさせられた人は脳の活動が低下してしまったとか(2)。まずは、自分が好きなエクササイズを選ぶのが最大のポイントです。

2.失敗する確率が高いエクササイズを選ぶ

 安全な運動よりも、ちょっと危険なエクササイズのほうがBDNFは出やすくなります。

 たとえば、普通のウォーキングでもBDNFは出ますが、ボルダリングやサーフィンに比べれば分泌量は少なめ。その点では、格闘技なども頭を良くするには最適かもしれません。
 とにかく、ハイリスハイリターンな運動を選ぶのが脳機能の改善には大事です。

3.運動は毎日やる

 多くの研究により、週に2〜3回の運動よりも、毎日体を動かしたほうがBDNFは出ることがわかっています(3)。

 つまり、週末にまとめて10キロ走るのだったら、毎日1kmちょっとずつ走ったほうが頭を良くするためには有効。毎日軽いウォーキングをしつつ、週1〜2のペースで好きなエクササイズを行うのがいいでしょう。

◆話題の「タバタ式」もオススメ

4.HIITを取り入れる

 HIITは「ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング」の略で、短い休憩と激しい運動を交互に行う手法です。具体例をあげると、

1.20秒ほど猛ダッシュ
2.10秒休憩
3.1〜2の手順を4回くり返す

 といった感じになります。普通の有酸素運動よりも効率よく体力がつくことで有名ですが、実はBDNFの分泌量を上げる働きも持っています(3)。

 なかでも効果が高いのは、日本の田畑泉博士が開発した「タバタ式トレーニング」でしょう。70年代に生まれたHIITの一種で、普通の有酸素運動にくらべて5倍も代謝をあげる効果を持っています(4)。具体的な方法は以下のとおりです。

1.負荷が高い運動を20秒間
2.10秒間お休み
3.1〜2の手順を8回くり返す

 すべてをこなしても、たった4分しかかかりません。負荷が高い運動は何でもOKで、猛ダッシュでも腕立て伏せでも縄跳びでも構いません。自分が好きな種目を選んでください。

 研究によれば、頭を良くするには2分のスプリントでも十分に効果が出るとのこと。逆に長時間の有酸素運動はストレスホルモンが出すぎてしまうので、45分以上の有酸素運動は避けてください。

5.運動は勉強から4時間後する

 2016年にラドバウド大学が行った実験(4)によれば、勉強から4時間後に運動をした被験者は、長期の記憶力が12%もあがりました。運動でBDNFが出たのはもちろん、海馬(記憶をつかさどる脳のエリア)が活性化したのが原因のようです。

 いっぽうで、勉強の直後に運動をしたグループには、記憶力アップの効果が出なかったとのこと。数時間の差をつけるのがコツのようです。