前日練習では元気な姿を見せた松原。コンディションは悪くないようだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 7月1日のリオ五輪メンバー発表を前に、U-23日本代表は今日、南アフリカとの強化試合を迎える。18人の登録メンバー入りを懸けたまさにサバイバルマッチだ。

【PHOTO】リオ五輪に生き残りをかけた南アフリカ戦前日練習@松本
 
 このゲームに人一倍強い想いを持つ男がいる。それが右SBの松原健だ。
 
 松原はかつてこの世代きっての有望株だった。各年代別代表で活躍しながら、2014年8月のキリンチャレンジカップではA代表に初選出。所属の新潟でもレギュラーの座を掴み、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していた。しかし、15年4月、彼をアクシデントが襲う。右外側半月板の損傷。全治5か月の重傷だった。
 
 16年1月にはリオ五輪最終予選を控えるなかでの戦線離脱。ショックは相当なものだったはずだが、松原は黙々とリハビリに励み、最終予選のメンバー入りを掴み取る。それでも、決戦の地・カタールで待っていたのは辛い現実だった。「どうしても低くて早いのを蹴ろうとすると多少痛みが出る」と、右膝の状態は万全ではなく、チームが快進撃を続けるなか、松原は1試合それも68分の出場に止まった。
 
 そして帰国後の2月には右膝外側半月板を再手術。全治3か月と再び長いリハビリ生活を強いられた。
 
 
 松原がブラジルの地を踏むのは難しい――、そんな声も囁かれるなか、しかしながら本人は決して諦めていなかった。5月29日のJ1第1ステージ・14節の仙台戦で67分から実戦復帰を果たすと、その後はルヴァン(ナビスコ)カップを含めて4試合連続でフル出場。6月11日の15節・大宮戦では手倉森誠監督の目の前で先制点の起点になるなどアピールした。
 
 そして運命の南アフリカ戦のメンバーにギリギリで滑り込む。
 
 今の状態に関しては「試合も結構フルでやれているので、コンディション的にはだいぶ良くなっている」と話す。加えて試合勘も「だいぶ戻って来た」という。
 
 南アフリカ戦へ向けては「またこうやってみんなと一緒にサッカーができる喜びを感じていますし、みんなと一日でも長くサッカーするためにはオリンピックに行くしかない。明日の試合でしっかりアピールできるように全力を尽くしたいと思います」と宣言する。
 
 SBはG大阪の藤春廣輝がオーバーエイジとして内定しており、CBとSBを務められる塩谷司も同じくオーバーエイジに内定している。
 
 すると18人の本大会メンバーのなか、U-23世代のSBに割り当てられる枠は「2」が妥当となる。ライバルは左右をこなせる亀川諒史、松原と同じく戦線復帰したばかりの室屋成だ。
 
 果たしてかつてA代表まで登りつめた俊英は復活を果たせるのか。ヒリヒリとする緊張感のなか、右サイドを果敢にアップダウンする松原の一挙手一投足に目を凝らしたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)