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アマゾンジャパンが電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」を日本でも8月以降に開始する計画だという。月額980円を支払うことで、対象の電子書籍、雑誌、漫画などが読み放題となる。なお米国では、すでに2014年7月よりスタートしており、原稿執筆時点の2016年6月末現在では、約133万冊の電子書籍が対象となっている。

本件は文化通信が関係者の話として報じている。それによれば、日本版Kindle Unlimitedは8月初旬開始を目標として、出版社らに対し6月中の契約締結を求めており、コンテンツ提供に同意した作品がサービス開始時点での読み放題対象になるとみられる。

アマゾン側は、主にロングセラー作品の提供を出版社に対して求めている。作品の内容は、Kindle版コンテンツと同一のものになるという。収益は、電子書籍のダウンロード量に応じて半額を分け合う形だ。この収益は、単品販売時にアマゾンから出版社に支払われる利用料よりも安くなる場合が多い。そこでアマゾンは、参画する出版社を増やすため、契約初年のみ単品販売時と同額の利用料を、出版社に対し支払う条件で交渉しているようだ。

前述した米国版Kindle Unlimitedは、2014年7月に64万冊の電子書籍と7,000のオーディオブックを対象にサービスを開始した。翌2015年には、提供する電子書籍の冊数が100万冊を超え、現在では約133万冊にまで達している。

英語圏では、サブスクリプション型の読み放題サービスが増えつつあり、米国版のKindle Unlimitedも、こうした流れにならったものだ。ただ、Kindle Unlimitedについて解説した記事にもあるように、対象書籍はKindle書庫全体の3分の1程度に過ぎず、しかも単品では比較的安価に販売されている書籍の比率も多い。

こうしたことから、毎月何冊かをコンスタントに読むユーザーでないと、メリットはそれほど大きくないとする向きもある。また、ベストセラーといったメジャータイトルはKindle Unlimitedの対象外であることも多い。この点も「読書の幅を広げたい」というユーザー以外は、あまりメリットを享受できないと思われる。

一方で日本版のKindle Unlimitedだが、国内でも電子雑誌の読み放題サービスが増えており、他社と競合していくことになるだろう。競合サービスよりも大きな存在感を示すには、バックナンバーを含めた品揃えへの対応が鍵になるはずだ。

(Junya Suzuki)