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データセンターサービス市場の拡大が続いている。IDC Japanによるものをはじめ、各種調査が今後も継続的に同市場が拡大傾向にあると予想しており、2019年まで年率で7%近い成長を続けていくと想定されているものもある。この成長の原動力は近年のクラウドサービスの普及が大きいのではないだろうか。

すでになんらかのクラウドサービスを使っている企業もあれば、検討中の企業もいるだろう。いずれにせよ、企業におけるITインフラのクラウドへの移行トレンドは今後も加速していくことが見込まれる。クラウドサービスの成長は、その提供インフラの拡大をもたらし、そしてインフラが設置されるデータセンターの拡張を要求している。

一方、災害対策やセキュリティ対策を目的とした企業のデータセンター活用も引き続き活発である。現在、日本国内でデータセンターサービスを展開している事業者は170社以上に達するが、市場の拡大や変化に対応するべく、各社が差別化を図っている。

これらの事業者は、提供主体によっておおよそ4つのカテゴリーに分類することができる。データセンター専業、システムインテグレーター、地方、通信事業者である。それぞれどのような特徴があるのかを2回に分けて紹介する。

○データセンター専業系

名前の通り、データセンター事業を専門に提供する事業者を指している。経営資源をデータセンタービジネスに集中させているため、データセンターに求められるサービスは充実している。ファシリティに強みを持つ事業者も多く、各種設備(電力供給、空調、アクセスコントロールなど)のスペックも高い。

データセンターを利用する企業にとって不可欠となる通信サービスのつなぎこみについては、特に通信事業者(キャリア)を制限しない「キャリアニュートラル」を採用していることが多いのも、このカテゴリーの事業者にみられる特徴の1つだ。

利用企業は自社のビジネス要件に沿った通信事業者を選択することができる。さらに、このカテゴリーの事業者をクラウド事業者が利用しているケースも見受けられ、クラウド事業者が提供するサービスをデータセンター内で接続して使うことができるケースがある。

また、特に外資系の事業者では世界各国にデータセンターを展開していることが多く、サービスや提供プロセスをグローバルで統一させている。これには同じ仕様で各国のデータセンターが利用できるというメリットがあるのだが、ローカルのルールを認めないことから、柔軟性に欠けると感じる利用者も少なくない。

○システムインテグレーター(SI)系

このカテゴリーの事業者の強みは、データセンターを含めたITインフラ全体へ配慮ができることである。コンサルテーションやシステム開発の中で培われた能力を活用して、平常時の監視やバックアップ、障害時の対応など顧客が求めるシステム運用のサービスを充実させている。

データセンターとシステム運用管理サービスの両方を利用する場合、ワンストップで提供してくれる事業者の存在が有利に働くこともある。特定の1社に大きく依存することを避けたいという意思がある企業には向かないが、セキュリティ対策や継続性対応などファシリティとシステム運用は複雑化していくため、一括でアウトソースする戦略は有効であり、企業の支持を受けている場合もある。

一方、最近オープンしたデータセンターは、全体としてファシリティのスペックは専業系と比較して高いとはいえない。ファシリティへの要求が高い場合(電力の使用量が大きいなど)には注意が必要であるほか、通信サービスの接続性についても特徴がみられないのがこのカテゴリーである。

○まとめ

ここまでデータンセンター事業者の4つのカテゴリーのうち、専業系、システムインテグレーター系の2つを紹介した。カテゴリーによっては提供サービスや強みに差があり、それらは各事業者のコアビジネスとデータセンター事業との関係から由来するものであることが理解いただけただろうか。残る地方データセンター系、通信事業者系もまた、それぞれに異なる特徴を持っている。この2つのカテゴリーについては、次回説明していく。

Coltテクノロジーサービス株式会社
ヨーロッパ全域で事業展開するColtグループのAPACにおけるビジネスユニット。旧称 KVH株式会社。自社構築のインフラを世界28カ国48エリアで所有の上、超低遅延・完全冗長化ネットワークをグローバルに展開し、法人向けネットワーク、音声、データセンターサービスを提供している。

(Coltテクノロジーサービス)