東南アジアを中心に、高速鉄道建設における激しい受注争いを展開している日本と中国。中国メディア・新華網は28日、日本が進めるタイの高速鉄道建設協力について、日本の東南アジア戦略と密接に関わっているとする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 東南アジアを中心に、高速鉄道建設における激しい受注争いを展開している日本と中国。中国メディア・新華網は28日、日本が進めるタイの高速鉄道建設協力について、日本の東南アジア戦略と密接に関わっているとする記事を掲載した。

 記事は、昨年日本とタイ両国政府が署名した鉄道協力の覚書において、日本がタイ国内の3つの鉄道建設に参加することが盛り込まれていると紹介。6月に入って製造コスト高・低収益が取りざたされたバンコク―チェンマイ間の「南北線」が1本目、タークからピッサヌロークを通りムックダーハーンに達する「東北線」が2本目、カーンチャナブリーからバンコクを通り、サケーオに向かう「東南線」が3本目であるとした。

 そして、なかでも日本が西はミャンマー国境から東はカンボジア国境を結ぶうえ、主要な港や工業地帯と接続する「東南線」の建設協力を重要視していると解説。そこには「タイを生産あるいは中継点、地域の販売の中心地とし、ミャンマーをインド洋と太平洋を結ぶ新たな窓口にする」という日本の戦略計画が存在するとした。

 さらに、タイ・カシコン銀行のシンクタンクの中国部門に所属する専門家が「日本とタイの鉄道協力は、日本によるタイや東南アジアの経済戦略の布石と密接に関わっているが、日本では政府から民間に至るまで、この戦略を口にすることは極めて少ない」と指摘したほか、両国間の鉄道協力は貨物鉄道のグレードアップをはじめ、機関車、車両、レールなどといった設備の輸出など、多様化の様相を見せていると解説したことを併せて紹介した。

 東南アジアにおける鉄道建設で、日本と中国が激しい受注争いを繰り広げるのは、両国とも同地域を経済的、政治的に重要なエリアと位置付けているからに他ならない。単に技術力や資金面での優位性のみならず、現地にとってより明るい将来像が描いてアピールし、相手の心を掴めるかどうかが勝敗を決するのである。「作って終わり」というような姿勢では発注国の気を引くことは難しい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)