AKBから最後の昭和世代が卒業表明

小嶋陽菜がセンターを務めた「ハート・エレキ」

ついに、AKB48から小嶋陽菜(こじま・はるな)さんが卒業することを発表しました。48グループ最年長の小嶋さんは、1988(昭和63)年生まれの28歳。先日新潟で開催された「第8回AKB48選抜総選挙」では、選抜メンバーである16位に見事ランクインを果たしたものの、その舞台で「やっと卒業します」とファンに報告。唯一残された昭和世代として孤高奮闘していた小嶋さんが、ついにいなくなるのは同世代としても寂しいものです。1期生で、元祖”神7”。グループの中核を担いながら、ソロとしてもドラマやバラエティなどで大活躍。2010年に女性誌『MAQUIA』の専属モデルに抜擢されてからは、数々のファッション誌のカバーを飾るようになりました。アイドルでありながら、一般女性の憧れ的存在としても注目されています。

こじはるが提唱する”ギリ昭”の美学

お気楽ご気楽な天才肌だと思われる小嶋さんですが、ブレない美学を持っています。

「今って、病んでることがおしゃれな時代なのかなと思うんです。『疲れた』とか『もう無理』とか平気で書けちゃうし、みんなでコメントし合って共有して。その感覚が“ギリ昭”の私からすると考えられないんです。私の同世代の友達は、明るくて一緒にいてパワーをもらえそうなコが多いから。私も疲れることはあるけど、それは書かないし、書きたくない。ましてや共有することの意味がわからない」(週間SPA! 27周年記念号インタビューより)

アイドルだから、ネガティブ苦労売りはしたくない。病んでいる売りをしている若手へ、さらっと警報を鳴らしています。華やかな部分だけを切り取って、スターとしての背中を見せているのです。徹底して、キラキラした部分しか出さないのは、プロ根性ゆえ。妬みを浴びたとしても、それを跳ね返すパワーをまとっているのです。

ブランド物=NGという風潮にNO!

彼女の暮らしぶりは、とにかく華やかで豪快。Instagramで日々公開される私物も、SAINT LAURENTのライダースにChloéのチェーンバッグ……羅列したらキリがないほど、ブランド物にあふれています。ストレス解消法は買い物だといい、とにかく歩いていろんなところに行って吟味するのだとか。

一般論としてブランド物はご法度、というシーンは非常に多いです。「若手がブランド物のバッグで出勤するのはどう思う?」など、Yahoo!知恵袋や発言小町は常に燃えています。そしてまたアイドルも、写真に写り込んだ私物から「XXが7万5000円の高級財布を愛用!」「ZZがシャネルのマトラッセ(45万円)を持っている件」なんて大騒ぎされてしまったり……非常に世知辛いです。モテという視点からも”主張が強いブランドバッグはNG”というのは、合コンの鉄則。女性の金銭感覚は、対男性・同性共にトラブルの火種になりがちです。

こじはるはアイドルであり、ロックスター

アイドルファンとしても、どうしても”質素で慎ましい子でいてほしい”とか”業界に染まらないでほしい”とか考えてしまいがち。各種メディアでも、”休みもないのに給料が安い”とか、”大人に搾取されている”、なんていうネガティブなコラムなどをよく目にします。そんな世知辛いアイドル業界、国民的アイドルグループのオリジナルメンバーが稼いでなかったら、夢がないものです。もちろん、給与は対価ですし、そればかりを考えてアイドルをしている子は多くないはずですが、小嶋さんは豪快な生活を後輩に見せて、出世へのモチベーションをあげているのでは? そう、こじはるはアイドルであり、ロックスター。”ギョーカイ、稼いでナンボ!”という芸能界ドリームを、体現している特異な存在です。

慕ってくれる後輩にはプレゼントを欠かさない

小嶋さんは、私利私欲だけではありません。慕ってくれる後輩にも、豪快に奢ります。「(後輩に対して)相談があるとたかみな(高橋みなみ)に行くし、パフォーマンスは優子(大島優子)を見る。私には来ないんですよ」と冷静に分析しつつ、「唯一、小森だけは私のことをずっと好きって言ってくれるから好き。なので、ファンの人と、小森を大事にしたいと思います(笑)」と語っています。そんな小嶋さん、宣言通りに小森さんの誕生日プレゼントにはmiumiuのバッグをプレゼント。金払い、良過ぎです。

若手への富の再分配、こじまーけっと

天真爛漫に見えて、まわりを俯瞰して見られる彼女。お買い物事情も、一見無計画な豪遊にも見えますが、実は後輩想いです。駆け出しの新メンバーに対し、AKBの楽屋で”こじまーけっと”と称して服を譲る会を主催しています。高橋さんのようにわかりやすい仕切りをするわけでも、背中でひっぱる大島さんタイプでもありませんが、気遣いは欠かしません。自分が稼いだお金は、後輩にもきっちり回します。普段のお買い物は、ファッションアイコンとしての衣装代のようなもの。着なくなった服も、はやりが終わる前に若手にバトンを渡します。

異性への奢り奢られ論よりも、同性への振る舞い方に人間性が出る

もちろん、一般OLが後輩にそんな高額のプレゼントをするのは難しいですが、モテとは関係ない、年下の同性へのお金払いって、人間性が出ると思います。小さな額だったとしても、気遣いは大事です。たまには「ここは私が出すからいいの!」と発言してみてはいかがでしょうか。ブランド物やいい暮らしを外にひけらかすのは反感を買うかと思いきや、「この職場で頑張っていれば、30代でこんな素敵な暮らしができるんだ」と、ポジティブに受け入れてくれる年下が出てくるかもしれません。地に足ついた貯蓄も大事ですが、自分の稼いだお金で自分の好きなものを買って、自分の好きな服を着て何が悪い! 小嶋さんのように、景気よく生きていきたいものです。

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(小沢あや)