学生の窓口編集部

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ぶつかり合う拳、熱い男同士の友情……ヤンキー漫画を読んでいると自分もヤンキーになったような気がして思わず熱くなりますよね。今回は女性も熱くなれるおすすめのヤンキー漫画をランキング形式でご紹介します。

■第10位 「今日から俺は!」

今日から俺は! は当初増刊少年サンデーにて1988年9月号から1990年8月号まで連載され、その後掲載誌が週刊少年サンデーへ移籍となった作品です。1990年40号の連載開始から1997年47号まで連載は続きました。コミックス版全38巻。ワイド版全19巻、コンビニコミック版全14巻、文庫版全18巻で累計発行部数は4000万部を数え、アニメ化などもあり発売当時大ヒットしました。漫画のサブタイトルは全て「○○編」で統一されています。

舞台は千葉。中学まではさえない中学生だった三橋貴志と伊藤真司がそれぞれ私立軟葉高校への入学を機に「高校デビュー」でヤンキーになり、その後二人で千葉最強のヤンキーを目指す物語です。主人公2人と強烈な個性の仲間とのドタバタが楽しめるギャグ漫画の要素もあり、また周辺のライバル校とのケンカのエピソードもあり……と恋人や友人など大切な人を守るために全力でケンカをする姿に熱くなります。不良ものの漫画でありながら暴走族構成があまり登場せず、また絵のタッチが見やすく性的な描写も少ないため女性でも読みやすい作品となっています。

作者:西森博之
出版社:小学館
掲載誌:増刊少年サンデー→週刊少年サンデーに移籍
連載開始:1988年9月
巻数:単行本 全38巻

■第9位 「ビーバップハイスクール」

私立愛徳高等学校に通うツッパリダブりの高校生、中間徹(トオル)と加藤浩志(ヒロシ)の2人を中心に、ケンカに恋に明け暮れる日常を描いた作品です。不良の日常が描かれている点が人気を集め、1985年には仲村トオル、清水宏次朗主演で映画化もされ大ヒットしました。その他にも幅広い展開をみせ、実写映画はシリーズ化され、全6作が上映されています。その後1994年に原作者のきうちかずひろ自身の監督による実写映画化やオリジナルビデオ・OVAも発売され、また2004年、2005年にはTBS系列でスペシャルドラマとして放映されるなど広い人気を集めました。2004年にパチンコ機・2006年にはパチスロ機も発売されています。

能天気で短気なトオルと、スケベでひょうきん、口が上手くずるい手も使うヒロシとのコンビネーションがみどころ。私立城東工業高校や元城東などライバル校との抗争に明け暮れ、友情を育み恋愛をするヤンキーの日常が描かれたところが最大の魅力です。当時ビーバップハイスクールに憧れてツッパッてみたいと思った男子高校生も多かったのではないでしょうか?

作者:きうちがずひろ
出版社:講談社
掲載誌:週刊少年ヤングマガジン
連載開始:1983年
巻数:全48巻

■第8位 「ろくでなしブルース」

ろくでなしブルースは1988年25号から1997年10号まで『週刊少年ジャンプ』で連載され、それを原作にアニメや実写映画も制作されています。舞台となったのは東京都武蔵野市、吉祥寺にある帝拳高校。そこに通う高校生前田太尊(まえだ たいそん)が主人公の漫画です。ギャグの要素が大きいですが、他校とのケンカや抗争など熱いエピソードも多くあります。「何やってんだおまえわ!」や「そうぢゃねえ!」など独特なセリフ回しが有名で、その他にもキャラクターの独特のポーズや表情なども魅力のひとつとなっています。

サブタイトルや演出にローリング・ストーンズ、THE BLUE HEARTSの影響が感じられ、またブルーハーツメンバーをモチーフとしたキャラクターも登場しています。キャラクター名はプロボクサーや芸能人、高校名は実在するボクシングジムの名前からきているものが多いです。主人公の前田太尊はお寺の息子で、ボクサーを目指して上京、帝拳高校に入学。一年生の頃ボクシング部と応援団の抗争を治め学校の実質的な番長となりました。のちにプロボクサーになり驚異的な成績を収めるなど、ボクシングもテーマのひとつとなっています。

作者:森田まさのり
出版社:集英社
掲載誌:週刊少年ジャンプ
連載開始:1988年
巻数:単行本 全42巻 文庫版 全25巻

■第7位 「クローズ」

1990年に連載が開始され、その後2001年から2013年にかけて『月刊少年チャンピオン』で続編『WORST』、2007年6月より『クローズイラストBOOK』が発刊されました。累計発行部数は4,500万部を超えています。

クローズという題名は不良少年をカラス(CROW)になぞらえたところからきているそうです。主人公、坊屋春道が舞台である超不良校鈴蘭高校に転校してきたところから物語は始まり、仲間と強敵を相手にしたケンカを重ねることで物語は進んでいきます。登場人物はほぼすべて男性で、学校生活はほとんど描かれておらず教師も端役程度にしか登場しません。ひたすらにケンカと遊びの不良的青春が描かれています。

原作はケンカのシーンがほとんどなのでとっつきにくく感じるかもしれませんが、実写映画で小栗旬などイケメン俳優が多数出演したことで観たことがあるかたも多いかもしれませんね。ヤンキーではなく現代の不良の姿が描かれているので映画の原作をチェックしてみるのもおすすめです。

作者:高橋ヒロシ
出版社:秋田書店
掲載誌:月刊少年チャンピオン
連載開始:1990年
巻数:全26巻+外伝3巻、完全版全19巻+外伝2巻

■第6位 「湘南純愛組!」

湘南純愛組! は週刊少年マガジンで連載されていたシリーズで、その後ドラマにもなったGTOの鬼塚英吉の高校時代を描いた漫画です。主人公は鬼塚英吉、弾間龍二の二人で物語では「鬼爆コンビ」と呼ばれています。物語は不良の巣窟極東高校を治めていた鬼爆コンビは、もはやオタク以下と言われるヤンキーから足を洗いたいがために学校から退学通告を受けるよう仕向け、まんまと退学を果たすところから始まります。二人は童貞を捨てることを目的に与論島でアルバイトを始めますが、転入した辻堂高校でも不良にケンカを売られ、毎日ケンカに明け暮れていきます。

当初はギャグありケンカありのラブコメ路線で連載されていた作品ですが、その後不良物として展開していきました。2005年に発売された文庫版やコンビニ版の単行本、OVAやオリジナルビデオなど多数の作品に展開されています。2013年にはソーシャルゲームになるなど根強い人気を持つ作品です。下ネタや暴力シーンだけでなく、「男らしさとは何か」を問いかけ続けた作品のため、抵抗なく読める人も多いのではないでしょうか。

作者:藤沢とおる
出版社:講談社
掲載誌:週刊少年マガジン
巻数:全31巻

■第5位 「湘南爆走族」

湘南爆走族は1982年3月に少年KING3号で読み切りとして連載がスタートし、その後同年12月に正式に連載がスタートされました。その後「月刊・湘南爆走族」も発刊されています。神奈川県の湘南海岸が舞台で暴走族・湘南爆走族の2代目リーダーの江口洋助をはじめ5人のメンバーと、他の暴走族やグループとのケンカや恋愛などを描いた作品です。ギャグも多い内容ですが、喧嘩やバイクバトルなどの描写や、グループ間の抗争などシリアスな展開もありました。 連載は一話完結が主でしたが江口とライバルである権藤とのタイマン勝負や族同士の抗争などシリアスな展開で進む数話に渡るシリアスな長編もあります。

湘南爆走族は不良・ヤンキー・暴走族漫画の原点と言われる作品で、その後に続く同じジャンルの漫画に現在も多きな影響を与え続けていると言われています。 1987年には江口洋介主演で実写映画にもなり、その後1991年にOVAも制作されており7作目までで15万本を販売しています。江口率いる湘南爆走族と地獄の軍団などの抵抗勢力とのバトルなども見ものです。少し懐かしい作品ですがラブコメ要素が多いため読みやすいです。この機会にヤンキー漫画の原点に触れてみるのも良いかもしれません。

作者:吉田聡
出版社:講談社
掲載誌:少年KING
連載開始:1982年
巻数:全14巻

■第4位 「愛と誠」

「愛と誠」は1973年3・4合併号から1976年39号まで週刊少年マガジンに連載された梶原一騎原作・ながやす巧作画の漫画です。何度か休止をはさみながら連載を続けられていました。作品のタイトルは元インド首相ジャワハルラール・ネルーが娘に宛てた手紙の中の「愛」と「誠(誠実)」という言葉が由来となっています。

物語は主人公早乙女愛が蓼科高原で不良少年、太賀誠に出会うところから始まります。誠は幼い頃愛の命をを救ったために額に大きな傷を負い、さらに家族や自分の人生も破壊された過去を持ちます。そのことに強い怒りを抱いた誠は学園を暴力で支配しようとしますが阻止され、不良高校・花園実業へと転校します。そこでの番長との抗争に勝ったのもつかの間、愛の父の苦境を知った誠は命を掛けて愛を救います。この作品はパロディなど多数の作品を派生させ、2012年には妻夫木聡 、武井咲主演により再映像化されました。

原作・原案など:梶原一騎
作画:ながやす巧
出版社:講談社
掲載誌:週刊少年マガジン
連載開始:1973年
巻数:講談社プラチナコミックス版全6巻

■第3位 「ドロップ」

ドロップは漫才師・品川ヒロシ著の小説を原作に制作された漫画です。2007年にキャラクターデザインを原作小説の装画を担当した高橋ヒロシが、作画に鈴木大を迎え漫画化されました。現在は『ドロップOG(アウト・オブ・ガンチュー)とタイトルを変え月刊少年チャンピオンにて2015年11月時点で13巻まで連載が続けられています。2009年には著者本人により映画化され人気となりました。

物語は主人公・信濃川ヒロシが、全寮制の私立中学から狛江の公立中学に転校したところから始まります。不良に憧れていたヒロシは初日から中学を支配していた井口達也に呼び出され、他校の生徒とのタイマン勝負で勝ったことで仲間として認められ念願の不良デビューを果たします。信濃川 ヒロシ役を成宮寛貴、グループのリーダー格である井口 達也を水嶋ヒロが演じ映画化されました。その他にも、原作者である品川ヒロシの所属事務所である吉本興業の芸人が多数出演していました。

映画監督、小説家としての品川ヒロシ一躍有名にした作品の漫画化なので、映画や小説の導入としてはもちろん、漫画ならではの迫力のある描写を楽しむことが出来る作品です。表紙を手掛けた高橋ヒロシはクローズなどその他のヤンキー漫画の原案も担当しているので、ヤンキー漫画らしさも充分にあります。

作者:ジョージ朝倉
出版社:秋田書店
掲載誌:月刊少年チャンピオン
連載開始:1982年
巻数:全14巻

■第2位 「クローバー」

クローバーとは平川哲弘が2007年より週刊少年チャンピオンで連載していた漫画です。同じく秋田書店で連載している高橋ヒロシの影響を強く感じさせる作風で、レイアウトや絵のタッチなどとてもよく似ていると言われています。物語は、桃浜高校に通う孤独な高校生・トモキの前に小学校時代の同級生で親友のハヤトが転校し、破天荒だが温かいハヤトと触れ合うことで友情を取り戻していきます。当初は身寄りのないハヤトがトモキお家に居候していたため生活をかき乱されていたハヤトはトモキを快く思っていませんでしたが、友人を救ってくれた事をきっかけに友情を取り戻していきます。本作品は2012年4月13日から6月29日までテレビ東京系列で実写ドラマ化されていました。

友人との衝突と和解、校内の敵や「ヤクザ養成学校」の異名を持つ華咲男子高校との抗争、ヤクザとの闘いなどヤンキー漫画らしい要素が多数盛り込まれています。クローズを読んでヤンキー漫画にハマった方はぜひこちらもチャレンジしてみてください!

作者:平川哲弘
出版社:秋田書店
掲載誌:週刊少年チャンピオン
連載開始:1997年2月
巻数:全43巻

■第1位 「ホットロード」

ホットロードとは、紡木たくが1986年1月号から1987年5月号まで少女マンガである別冊マーガレットで連載していた作品です。巻数は単行本全4巻(絶版)、文庫版全2巻、完全版全3巻が刊行されています。少女漫画でありながらヤンキー漫画という異色の作品ですが、当時発刊されていた4巻で発行部数700万部を超えるベストセラーとなりました。

主人公の宮市 和希は母親と二人暮らしの中学二年生。不倫相手と関係を続ける母親に嫌悪感を抱き、愛されていないと感じながら孤独を感じて生きています。母親の誕生日に盗みを働くなど、ますます孤独を深める和希はある日友人の森下絵里にナイツの集会に誘われ、そこで春山洋志と出会います。反発しながらも引かれていく二人は一緒に暮らし始めることに。そんな中、春山がナイツの総頭になりライバルと抗争中に事故にあい、危篤状態に陥ってしまいます。

家族に愛に飢え、共に孤独だった二人が出会い、新しい人生を歩むまでを描いた物語は当時数多くの少女に読まれました。少女マンガでしたが、男性にも読者がおり幅広く愛されていました。連載から25年以上たった2014年8月16日に和希役に能年玲奈、春山役に三代目J Soul Brothers登坂広臣を迎え映画化されています。本作品は原作者の紡木が監修として参加し、能年なら和希を託せる、と映画化が決まりました。少女マンガならではのやさしいタッチの絵、女の子がキュンと来る描写などまさに女性のためのヤンキー漫画!といった感じです。

作者:紡木たく
出版社:集英社
掲載誌:別冊マーガレット
連載開始:1986年
巻数:完全版全3巻

いかがでしたか?掲載している雑誌が男性誌だったり下ネタや暴力表現が強すぎて読みづらかったり女性にはちょっと内容や絵的に抵抗があると思いがちなヤンキー漫画ですが、改めて読んで見ると男同士の友情に熱くなったり恋愛描写にときめいたり色々な楽しみ方ができると思います。一世を風靡したなつかしい作品から最新の作品までヤンキー漫画と一言でいってもストーリーや絵の雰囲気も様々です。いつもは女性向け漫画しか読まない方もたまにはいつもは読まない作品を手にとってみてはいかがでしょうか?ヤンキー気分になって物語の登場人物のように熱くなれるかもしれません!