連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第13週「常子、防空演習にいそしむ」第73話 6月27日(月)放送より。 
脚本:西田征史 演出:岡田健


先週から2年の歳月が過ぎ、昭和19年。
太平洋戦争はますます激しくなり、常子(高畑充希)たちもかなり貧しくなっていた。甲東出版も五反田(及川光博)以外、全員召集されてしまい、常子とふたりきりで細々とやっている。
高畑充希が痩せて見えるのは気のせいか、それとも、戦争で食べ物がなかなか手に入らない役づくりだろうか。
かばんを斜めがけした胸元がふくよかだと、戦時中な感じがしないものなあ。

東京から田舎へ足をのばしても、着物や小物は食べ物と交換してもらえず、美子(杉咲花)の大切にしているおままごと道具と交換するしかないと思う常子と鞠子(相楽樹)。でも美子は滝子(大地真央)との思い出のつまったものだからと拒む。
食べ物と交換をお願いする人たちはけんもほろろに常子たちを扱い、小橋家が加わっている隣組の組長の態度は美子いわく「目が蛇みたい」でいやな感じ。後に、その組長の意地悪には戦争に起因するものがあると語られるとはいえ、「とと姉ちゃん」得意の“身内以外は敵”の構造である。

戦争で人々の心は荒んでいくばかり。これが、映画「戦争と一人の女」(12年/井上淳一監督)や「この国の空」(15年/荒井晴彦監督)なんかだと常子や鞠子みたい若い女性がかなり酷い目に遭うのだが、朝ドラはそこまでは描かない。当たり前だけれど! でも、女ふたりで遠出する姿を見ると、襲われてしまわないかと余計なお世話だが心配で心配で。なんかあったら、また鉄郎(向井理)が助けに来てくれるのか。
いろいろあって、ついに美子はままごと道具を手放す決意をする。大切なものを手放さないとならない哀しみいっぱいだけれど、一番大事な家族はいっしょなのが小橋家の救い。家族が一緒にいる大切さを強調しながら、13週の向かう先はーー。
(木俣冬)