がん検診が1回の尿検査で済む日も近い?

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株式会社日立製作所と住友商事グループは、尿中の代謝物から、乳がんと大腸がんのバイオマーカー成分を特定し、健常者と乳がん、大腸がん患者の尿を識別する技術の開発に成功したと発表した。

バイオマーカーは血液中や尿中、体の組織内に含まれる、体の状態を知るための指標となる物質のこと。現在のがん検診でも、がんのバイオマーカーとなる「腫瘍マーカー」を血液検査などで分析することができる。

ただし医療検査機関での受診が必須で、がんの種類によってバイオマーカーの種類が異なるため、一度に検査する方法がない。受診者にとっては時間的、経済的な負担が多く、早期診断、早期治療の妨げになっているという。

日立と住友商事グループは、受診者自身で採取できて、取り扱いも簡単な尿に注目。健常者と乳がん患者、大腸がん患者の各15検体を対象に、液体中の成分を分離し、多様な物質を高感度で計測することができる「液体クロマトグラフ/質量分析計」という装置で解析した。

糖や脂質など1300種類以上の代謝物を解析したところ、健常者とがん患者では、含有量が大きく異なる代謝物(バイオマーカー成分)があることを発見。

さらに、これらの代謝物を詳しく解析した結果、特定したバイオマーカー成分の含有量から、健常者、乳がん患者、大腸がん患者それぞれの尿検体を識別することに成功した。

今後、両社はバイオマーカー候補物質の構造解析を行い、大腸がん、乳がん以外のがんの識別および実用化に向けた研究を推進する予定だとしている。

発表は、2016年6月14日、日立製作所公式サイトに掲載された。

(Aging Style)