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中国のファーウェイは6月26日〜29日、中国深セン市にある同社本社のキャンパスツアーや法人向けICTソリューションの成長戦略について説明するメディア・ツアーを開催。6月27日には、法人向けICTソリューション事業グループ 産業ソリューション担当最高技術責任者 ジョー・ソー/Joe So氏が法人向け事業の成長戦略を説明した。

同氏は研究開発(R&D)およびプリセールス担当エンジニアを統括。スマートシティ、エネルギー、金融、交通・運輸、マネージド・サービス・プロバイダなどの各産業向けに、IT、無線・有線ネットワークおよびUC&Cなどを活用したソリューション群の開発を進めている。

ファーウェイの2015年度の法人向け事業は、対前年度比43.8%増となる276億人民元(約5,120億円、42億米ドル)の売上を達成している。これは、2011年に同事業を開始してから最も高い伸びだという。このうち75%がパートナー経由の売上で、主な領域は、スマートシティ、銀行、交通、電力、ISP、教育などだ。

通信事業者向けネットワークやコンシューマー向け端末事業を主軸としてきた同社にとって、法人向け事業は後発分野。2015年の売上比率で見れば、通信事業者向けネットワークの約59%、コンシューマー向け端末事業の約33%に対して、法人向けICTソリューシ ョン事業は7%程度に過ぎない。そのため、同社は自社の強みが発揮できる領域にフォーカスする戦略を採っているという。

では、同社の強みは何なのか? これについてジョー・ソー氏は、R&Dに重点的に投資することによるイノベーション力の高さ、端末、インフラ、ネットワーク(有線/無線)なと、End to Endですべてのソリューションを提供できる点、オープンなシステムであり、3000に上るAPIを公開し、企業はeSDKという開発プラットフォームを使って自由にシステムを構築できる点を挙げた。

R&Dについては、売上の10%以上を投資することを社の方針として決めており、2015年度は3,950億人民元(約7兆3,200億円)という売上に対し、約15%に相当する596億人民元(約1兆1000億円)を投資したという

同社にはワールドワイドで17万人の従業員がいるが、45%に相当する79,000人が研究開発に携わり、日本(横浜)を含む世界各国に16のR&Dセンターを設置している。

また、オープンなシステムである点について同氏は、「お客様がファーウェイのシステムはもういやだといったときでも、他社のシステムを組み込むができる。非常に互換性強い。それがファーウェイの強みだ」とアピールした。

今後の法人事業の売上については、2018年度に2015年度(約42億米ドル)の2倍以上である100億米ドルを目標にしており、ジョー・ソー氏は、「これは、ほぼ確実だろう」と自信を見せた。

75%を占めるパートナー経由の売上については、「各地域で強いインテグレータと組んで製品を売っていくのが我々の戦略だ。例えば、中国の98%の事業はインテグレータにお願いしている。海外はそれほど割合は高くないが、その方向は変わらない。販売はパートナーにお願いして、弊社はソリューションに力を入れていく」と、今後もパートナーとのエコシステムを重視していく点を強調した。

ジョー・ソー氏はこれらの成長を支え、今後の伸びが期待できる分野としてスマートシティやスマートセーフ、ISP、教育分野を挙げた。

「スマートシティは非常に大きな分野で、この中にワイヤレスなど数多くのソリューションが含まれている。我々は個々の製品というよりもソリューションに力を入れている。1つの製品を売ったから終わりではなく、ソリューションを売っている。特に中国は大きなマーケットで、アフリカ、発展途上国も大きなポテンシャルがある。そのほか、ヨーロッパも伸びている」と注力する地域を挙げた。

日本市場について同氏は、「日本はアプリケーションの開発の面で非常に力がある。将来は日本でも(自社のソリューションを活用した)多くのアプリケーションが見れるだろう。日本はアプリケーションの仕様が非常に細かく、日本で成功すればほかでも成功できる。そういう意味で、日本はテストベッドだ」語った。

そして、日本で期待する領域については「スマートシティは大きなポテンシャルがあり、我々のソリューション上に日本の技術を乗せることができる。日本は光ファイバーや3G/4Gの携帯ネットワークもあり、スマートシティの準備はすでにできている。ビジネスモデル、コマーシャルモデルさえ見つかれば、日本はすぐに着手できる。ただ、スマートシテイはそれぞれの自治体が個別に取り組んでおり、協調性をもっと高めれば、もっとよくなる」と述べた。

また、スマートシティ以外では、ヘルスケア、環境、教育の面でも日本は成長が期待できるという。

(丸山篤)