(写真・AFLO)
「本来は6月上旬に氷上練習を再開する予定でしたが、6月下旬までズレ込んでしまいました。左足の腫れは引いたものの、本格復帰とはいえない状態。新プログラム作りにも入れないなど、出遅れ感は否めません」(現地記者)

左足リスフラン関節靭帯損傷で全治2カ月と診断されていた羽生結弦(21)が6月22日、氷上練習を再開させていたことが分かった。早期復帰が期待されるなか、回復が思うように進んでいない羽生。そんな彼に追い打ちをかけるような事態が起きていたという。フィギュア関係者が明かす。

「6月5日に行われた国際スケート連盟総会で、チンクワンタ会長(78)が名誉会長に就任。替わって副会長だったダイケマ氏(71)が新会長に就きました。そこで今秋から適用される“異例のルール改正”が発表されたんです」

特定選手に肩入れした不正な採点を無くすため採点の匿名性を廃止すること、正確な技術判定が求められるテクニカル・コントローラーに70歳定年制を導入することなど、かねてからの批判に応えたものも多かった。だが中には「羽生潰し」ともいえる過酷な改正が盛り込まれていた。前出のフィギュア関係者が続ける。

「まず今回、フリーのジャンプの本数を制限するという案が可決されました。現行では最大8本まで認められていたものが、再来年以降7本に削減されることになります。またペアと男子シングルの演技時間短くなることも決定。これは今シーズンから適用され、ショートが10秒短縮。今後もフリーを最大30秒短縮する案が浮上しています」

ジャンプ回数や演技時間が減ると、当然、総合得点はダウンする。羽生は昨年末のグランプリファイナルで歴代最高330.43点を叩き出しており、満点まで残り9.01と迫っていた。こうした高得点の流れに、連盟が歯止めをかけたい狙いもあるという。

「その他にも現行だと何回転倒しても1回の転倒につきマイナス1ポイントとカウントされていましたが、今後は3〜4回以降の転倒でマイナス2ポイント、5回目以降でマイナス3ポイントと転倒時の減点幅が拡大されました。さらに18年の平昌五輪後には、演技前の6分間練習もショートで4分間、フリーで5分間に短縮される予定です。羽生選手は試合前のルーティンを重視しており、たかが1分間という問題ではありません」

平昌五輪を前に暗雲立ち込めるなか、羽生はどう立ち向かって行くのだろうか。