暑い夏でもパジャマは必要? 快眠を得るためのベストな格好

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パジャマ派、肌着派、全裸派など、睡眠時の格好は人それぞれ。特に夏場は寝苦しく、薄着で寝る人が増える季節です。中でも肌着については、ブラジャーをつけたままが良いのか、トランクスとブリーフはどちらが寝る時の格好として適しているか、また、ノーパン睡眠は本当に健康に良いのかなど、議論は盛り上がりそう。

 

今回はそんな論争に終止符を打つべく、夏の快眠につなげるためには、どのような格好がベストなのか、また身に着ける肌着はどのようなものがいいのか、被服を研究している横浜国立大学の薩本弥生教授に話を伺いました。

キツい肌着をつけて眠ると、脳が覚醒しリラックスできない

 

薩本先生によると、肌着の締め付けと睡眠は、大きく関連しているとのこと。睡眠には種類があり、身体の修復や疲労回復を目的とした睡眠である「レム睡眠」において、脳の動きは活発化します。レム睡眠中に目覚めると人は夢を見ていて、昼間の活動中の記憶を整理していると考えられています。

 

対して「ノンレム睡眠」は、眠りが深く脳も身体もリラックスしている状態です。ノンレム睡眠は、1〜4段階に分けられますが、そのうちの3、4段階を「徐波睡眠」といい、これが最も深い眠りになります。レム睡眠と徐波睡眠は、睡眠環境が悪ければ出現頻度は下がるといわれています。

 

「補正下着を着用した場合や何も身に着けない場合など、数パターンの環境で被験者の睡眠中の脳の動きを計測しました。その結果、補正下着をつけていた方が、つけていない時よりも前半のレム睡眠が抑制されることがわかりました。つまり、肌着などによって締め付けられた状態は快眠が得られないとともに、疲労も十分に回復されません」(薩本先生)

 

女性であれば、ブラジャーを着けたまま寝るか着けないで寝るかで悩んだことがある人も多いと思いますが、締め付けの強いブラジャーは、快眠を妨害する原因となります。では、男性の場合、ブリーフとトランクスでは、締め付けが弱そうなトランクスの方が快眠に適しているのでしょうか。

 

「先ほどの締め付けの問題はもちろんのこと、タイトな肌着はムレやすく、快眠を妨害しやすいという懸念があります。身体と衣服との間に隙間があると、そこに空気の流れが発生(ふいご作用)し、涼しく感じることができるのですが、これは衣服が肌に密着している場合には起こりません。特に夏場は締め付けやムレを軽減するため、身体との間に十分に隙間を確保できるトランクスの方が適しているといえます」(薩本先生)

暑い夏の快眠には肌着だけでなくパジャマも必要

 

快眠を促すためには、締め付けない肌着を着用することが重要だということがわかりました。そこで、一部の芸能人も実践し、一説では睡眠にも良い影響があるとされている「ノーパン睡眠」についても、薩本先生の見解を伺いました。

 

「人間は、就寝時にたくさんの汗をかきます。シーツや布団はなかなか毎日洗濯できるものではないので、汗や皮脂、垢などが寝具に付着することを防ぐためにも、肌着やパジャマを着用することをおすすめします」(薩本先生)

 

過度な締め付けは快眠を妨げる原因になりますが、肌着には寝具を汚れから保護する役割もあります。どうしても肌着の締め付けが気になる場合は、寝る時だけ、少し大きめのサイズの肌着に着替えるなど、昼夜で使い分けることも有効だといいます。

 

また、「ノーパン睡眠」だけでなく、暑い夏だからといって、パジャマを着用せず、肌着だけで寝るという習慣も快眠にはおすすめできないと薩本先生。

 

「寝苦しいほど暑い夏の夜、薄着になるのはごく自然なことですが、肌着のみでは寝ている間に身体が冷えすぎてしまう可能性があります。体温調節の機能を阻害しないためにも、肌着だけでなくパジャマも着用した方がいいでしょう」(薩本先生)

 

夏場は寝苦しさから、ついつい薄着になってしまいがちですが、肌着の着用は衛生面、体温調節などのために夏でも必要です。また、過度な締め付けは肌と衣服とが密着するため、風の通りを悪くし、ムレやすくなり、快眠を阻害します。少しゆとりのある肌着を着用し、寝苦しい夏の夜でも快眠できる環境を整えましょう。

 

監修:薩本弥生(横浜国立大学教授)

 

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photo:Thinkstock / Getty Images