睡眠時の音楽はモーツァルトやバッハが良い? 1/fゆらぎ効果で快眠

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ポップス、ジャズ、クラシックなど、人々の生活に深く浸透している音楽。「精神的に疲れてしまったとき、音楽を聴いて救われた」という経験がある人も多いのではないでしょうか。実は現在、うつ病の軽減や認知症予防など、音楽が人体にもたらす影響について科学的な検証が進んでいます。中でも睡眠に関しては、「不眠症対策の一環に、睡眠時に音楽を聴くことが効果的」という研究が発表され、大きな注目を浴びています。

睡眠時に音楽を聴くと、睡眠の質がグッと上がる!?

 

2006年にハンガリーで、「睡眠障害を持つ人は、睡眠時に音楽を聴くことによって快眠できるか」という研究が行われました。実験は睡眠に悩みを抱える19〜28歳の学生94人を対象に、“クラシック音楽を聴きながら寝るグループ”と、“オーディオブック(書籍を朗読した音声ファイル)を聴きながら寝るグループ”の2つに分けて、音楽の睡眠障害への影響度をはかるというもの。

 

実験開始から3週間後、オーディオブックグループで寝付きが良くなったのは30人中わずか9人という結果に。ところが、クラシック音楽を聴いたグループは、なんと35人中30人に「寝付きが良くなる」など睡眠の改善結果が認められたといいます。

 

さらに、気分の落ち込みなど抑うつ状態についても聞いたところ、睡眠時にクラシック音楽を聴いたグループは実験前に比べ、うつの症状がかなり軽減したそう。オーディオブックを聴いたグループからは同様の報告はなく、睡眠時に音楽を聴きながら眠るメリットを大きく印象付ける結果となりました(※1)。

 

また2015年に米国国立医学図書館のデータベース「PubMed」で、興味深い5件のメタ分析が発表されました。その分析とは、不眠症患者314人に3日〜5週間の間、1日25〜60分間、睡眠時に音楽を聴いてもらったときの効果を検証するというもの。その結果は、実験5件中の4件で、実験前に比べ睡眠の質が改善したといいます(※2)。

 

さらに、音楽が睡眠に与える効果は、若者だけでなく高齢者にも当てはまります。「寝付きが悪い」と悩む60〜83歳の60人を対象に、3週間、ジャズ、クラシック、ヒーリングミュージックなど、それぞれの好みの音楽を睡眠時に45分間聴いてもらう実験の結果、睡眠時に音楽を聴いたグループは睡眠時間が延び、入眠するまでの時間は短縮したことがわかったそう。また、夜中の目覚めや日中のボーッとした感じも減少し、睡眠の質がグッと高まったことが証明されたといいます(※3)。

 

睡眠時の音楽は“1/fゆらぎ”のリズムでリラックス

 

このように世界各国で音楽が睡眠にもたらす良い影響が報告されていますが、「音楽と一口にいってもジャンルが多くて、どれを聴けば良いのかわからない!」という人も多いはず。そんな人におすすめなのが、「1/fゆらぎ」という独特のリズムを持った音楽です。そもそも「1/fゆらぎ」とは、「規則正しさ」と「不規則さ」が絶妙に調和したリズムのことで、自律神経のバランスを整える働きを持ち、心身をスムーズにリラックス状態へ導いてくれます。

 

「1/fゆらぎ」は、小川のせせらぎや波の音、小鳥のさえずりなど、自然界に多く存在するので、睡眠時にヒーリング系の音楽は最適といえます。また、モーツァルトやバッハなど、クラシック音楽にも「1/fゆらぎ」は含まれているそう。かつて、「頭が良くなる」と胎教などで注目されていた「モーツァルト効果」も、これに起因するのかも?

 

「神経が高ぶって目が冴えてしまう」「うまくリラックスできない」など、なかなか寝付けない夜は、心を自然と落ち着かせてくれるクラシック音楽やヒーリングミュージックを試してみてはいかがでしょうか?

 

参考:
Theguardian/Can music help us fall asleep?
ストレス・ラボ
※1 Harmat L, et.al; J Adv Nurs. 2008 May;62(3):327-35
※2 Kira V Jespersen, et. al; The Cochrane Library; doi:10.1002/14651858.CD010459.pub2
※3 Lai HL, J Adv Nurs; 2005 Feb;49(3):23-44
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photo:Thinkstock / Getty Images