脂肪がすべて悪、の時代は終わり(画像はイメージ)

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カロリー制限をしていない地中海食を食べていた人と、カロリー制限をした地中海食を食べていた人を比較すると、体重に差はなかった――減量のための脂肪制限に疑問を投げかける研究結果を、スペインの王立カルロス3世研究所の研究チームが発表した。

地中海食は、地中海沿岸諸国で食べられている伝統的な食事。野菜や果物、豆類、穀物類、適量のワインやオリーブオイルを積極的に取り、たんぱく源として肉類ではなく魚介類を主とし、植物性や魚由来の健康的な脂肪分が豊富なことで知られる。

研究チームは、地中海食の健康効果を調査するため、スペインの11か所の病院で実施された大規模研究「PREDIMED(PREvención con DIeta MEDiterránea)」から、過体重もしくは肥満状態で、況薪尿病か、心疾患のリスクを2〜3個持っているとされた55〜80歳の男女7447人を抽出。体重とウエスト周囲径を測定した。

その後、無作為に「エクストラバージンオリーブオイルを豊富に使う地中海食」「ナッツ類を豊富に使う地中海食」「極力脂肪を減らした(低脂肪)地中海食」のいずれかをとり続けるようにアドバイスし、被験者らを4〜8年追跡している。特に運動などをおこなうよう指示はしていない。

その結果、低脂肪食グループに比べ、オリーブオイルグループは体重が0.43キログラム、ナッツ類グループは0.08キログラム減少しており、ウエストもオリーブオイルは0.55センチ、ナッツ類は0.94センチ減少していた。

研究者らは、脂肪はすべて控えるべきというような脂肪制限は減量にも健康的にも意味がないとし、「植物油や魚、ナッツなど健康的な脂肪は積極的に摂取し、バターや肉類、加工食品からの不健康な脂肪、糖分の摂取量を減らす、選択的な食事をすることが重要だ」とコメントしている。

発表は、2016年6月6日、英医学誌「THE LANCET」オンライン版に掲載された。

参考文献
Effect of a high-fat Mediterranean diet on bodyweight and waist circumference: a prespecified secondary outcomes analysis of the PREDIMED randomised controlled trial.
DOI: 10.1016/S2213-8587(16)30085-7 PMID:27283479

(Aging Style)