オフラインでのユーザー行動が可視化できる時代になってきました。本連載ではユーザーのリアル行動をどのように捉え、活用していくのか解説します。2回目は「リアル行動データを活用したプロモーションを行う際の評価指標の考え方や、運用方法」がテーマです。

■リアル行動データ活用の指標、“来店率”と“CPV”とは

 前回のコラムでは「位置情報から行動履歴へ、行動履歴から見えてくるユーザー像」という内容でリアル行動データの可能性についてご紹介しました。2回目の今回は、リアル行動データを活用したプロモーションを行う際の評価指標の考え方や、運用方法について解説したいと思います。

 リアル行動データを取得し可視化することによって、オフライン上での行動が評価できるようになりました。店舗やある特定の場所への誘導など、オンライン上にCVポイントがない企業にとって、このデータは非常に魅力的です。

 リアル行動の可視化が可能になったことで、新たな指標も生まれました。それが、“来店率”と“CPV(Cost Per Visit)=来店単価“です。

 来店率はその名の通り、広告配信数のうち実際に実際に来店に至った割合です。この数字が継続的に改善しているかを見ながら、メディア選定やクリエイティブ運用を行います。

 CPVは、1来店を促すためにかかる費用です。来店率を測定できれば、「10,000円で1ユーザーを来店させたい」など「1来店につきいくらの投資をして良いか」から逆算してCPVを算出し運用することが可能です。現在のデジタル広告のCPA(Cost Per Acquisition)の概念に近いでしょう。

 現在、リアル行動ターゲティングのプロモーションでは、来店率をメインで見ている企業が多く、CPVは次の段階だと言えます。ですが、将来的には、これらのPDCAを回すことで「来店の運用」が可能となるでしょう。

 それでは実際にどのような可視化と運用ができるのか。PDCAイメージをご紹介します。

■リアル行動データを活用したユーザーの可視化

 リアル行動データを活用し、ユーザーをどのように可視化するか。ここでご紹介するのはヒートマップレポートと来訪率レポートの2つです。

●ヒートマップレポート

 ヒートマップレポートとは、特定の店舗に来店経験のあるユーザーが、他にどのエリアに行くことが多いのかがわかるレポートです。下の図では、赤い色がついているエリアでの活動が多いことを示します。

 例えば、店舗に来店しているユーザーが新宿によく足を運んでいるとすれば、その店舗と新宿の相関性が高い=地点の相関性が高い、と判断することできます。そこで、新宿によく行くユーザーに絞ってアプローチをする、という戦略を立てることができるでしょう。

●来訪率レポート

 来訪率レポートとは、その名の通り、特定の店舗や場所について広告を配信した際、どれくらいの人が来訪したかがわかるレポートです。

 広告の配信セグメント内において、広告が表示されたユーザーや広告をクリックしたユーザーに対して、指定したエリアや店舗への来訪率を1日単位で確認することができます。
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 山手線利用者と中央線利用者などといったセグメントごとの来店数やCPVを比較することで、注力するセグメントやテコ入れをするセグメントがすぐにわかります。

 ユーザーの可視化が可能になれば、新たなアクション=運用ができます。

羽片 一人[著]