こんにちは、編集者/ライターの池田園子です。
ライターとして食べていくためのリアルについて語る本連載、第8回目では「企画の生み出しかた」についてお話しします。

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記録グセをつけて企画を生み出す体質になる

編集の仕事をはじめてからは、ライターだけをしていたころよりも、たくさん企画を考えるようになりました。もちろん、考える時間を意識的に確保していますが、「新しい企画をつくらないとなぁ」といった思いが常に頭にあるので、お風呂に入っているときやランニングしているとき、人と話しているときなどに、ふっと企画がおりてくることもあります。
そんなときはすかさずメモ。紙に書きだしたり、スマホのメモ帳に入れたりと、どんな形でもいいので記録を残しておくことが大事です。不意にうかんだアイデアはどんなにすばらしいものであっても、なにかをきっかけに消えさることもあるため……。たとえお酒を飲んでいなくても、人間は「もの忘れの名人」ですから。

企画づくりに休みはない!?

ただ、いつなんどきでも、五感にふれるものすべてを材料(ネタ)にするくらいの気持ちで、新たな企画をつくるスイッチを入れておくことをおすすめします。
私の場合はオンやオフという概念がなく、仕事も遊びもシームレスにつながっているので、どんなときでも企画を考える体勢ができています。企画づくりに休みナシ!
ということで、企画をつくるときに意識しているアプローチを、ときおり事例をまじえながら以下4つご紹介します。

1. 異色な要素をかけ合わせてつくる

突然ですが、「初体験」という言葉をきいて思いうかべるものはなんですか? おそらく多くの人は初体験=若い人がするもの、と連想するのではないでしょうか。
たとえば、そこをあえて「アラフォー」×「初体験」と組み合わせてみることで、変化球が生まれます。いい大人が初体験? どんな初体験? とおかしみや期待感を演出する手段になるのです。
具体的には「アラフォーの“初”クラブ潜入記」と企画を立ててみると、「アラフォーなのにクラブ未経験!?」といった意外性もありますし、アラフォーの視点でクラブを見て体験することから、若い人がレポートするのとは異なる読みものができるはず。

2. 疑問からつくる

「どうして?」「なぜ?」といったモヤモヤがうかんできた瞬間は、まさに新しい企画をつくるとき、といえます。自分が「?」と思っていることであれば、世界になん人も同じように「?」と思っている人がいることはまちがいなし。
個々の人間にはそんなに大きなちがいはありません。だからこそ、日常生活で生まれた疑問は、どんなにささいなことでもメモしておくことが大事です。

3. 自分が読みたいからつくる

ちょうど1年前Googirlで連載を執筆していました。こちらは「自分が読みたいから」という理由でつくった企画。
「86世代」はよく「期待の星」(?)のような形で華やかにとり上げられ、注目度も高め。私も86世代のひとりではありますが、活躍している86世代の人たちはどういう魅力やパワーをもっているのか、実際に見て、話して、確かめてみたいと思ったのです。
(2)の話とかさなる部分もありますが、自分ひとりが関心をもっているテーマであれば、同じように世界にはそのテーマが気になっている人はいる、それは確かです。だからこそ、自分が「読みたいものをつくる」という発想はかかせません。
自分が求めるものだとつくるときのモチベーションも上がりますし、結果としていいものをつくることへとつながるメリットもあります。

4. 「ない」からつくる

編集長をつとめる媒体「DRESS」で「女を磨く離婚道」というシリーズものを展開しています。こちらは私自身が離婚し、一時期傷ついていたこともあり、そのつらさや苦しみをいやす手段を探しもとめていたのを機に考えたもの。
そんななかAmazonで本を探しているとという本を見つけました。
これを読んで心を回復させたいと思ったものの、古い本のため現在は絶版になっていて、入手困難だとわかったのです。そのとき「手に入らないならつくればいいんじゃない」と心の中の小さな私に言われました。
離婚経験者に自らの経験をふりかえってもらい、暗闇をどうもがき、どうトンネルを脱したか、ハウツーを書いてもらえば、悩んでいる人にとってヒントになるのではないかと考え、そうして生まれたのが「女を磨く離婚道」でした。
離婚経験者の女性に順に寄稿いただき、読後感のよさを重視し、読んで元気づけられる、前を向ける内容としてとどけていて、好評をいただいています。

いい企画は「自分ごと」から生まれるものだと思います。他人ごとではなく、「自分ごと」目線をもってみてください。
次回は「編集者としてのありかた」について考えてみます。