側面にガールズ&パンツァーのイラストが描かれたシルビアS14前期型

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ドリフト競技の最高峰「2016D1グランプリ・シリーズ」の第4戦が、筑波サーキット(茨城県)で行われ、人気アニメ「ガールズ&パンツァー」のイラストが描かれたシルビアS14を駆る村山悌啓(PACIFIC RACING TEAM with DUNLOP)がD1グランプリ初勝利を挙げた。

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この日の筑波は前日に行われた第3戦とは異なり快晴。会場にはレース前から多くのファンが詰めかけた。昨日優勝し、D1史上初の開幕3連勝を記録した斎藤大吾も「今日勝てば開幕4連勝、昨年から数えると5連勝。今日のD1はドリフト・ワンではなく、大吾(だいご)・ワンです」という冗談が飛び出すほどの好調ぶりをアピール。会場は多いに沸いた。

午前中に行われた、午後の追走トーナメントの組み合わせを決める「単走決勝」では、最年長で人気の野村謙と、軽量マシンであるユーノス・ロードスターを操る岩井照宣が活躍!特に岩井は自身初となる単走優勝を果たした。いっぽう、斉藤大吾を止める最有力候補、昨年のディフェンディング・チャンピオンである川畑真人は単走11位に沈んだ。

午後の追走トーナメントは、波乱の展開。中でも「斉藤 対 川畑」は、川畑が140km/h以上という、その日の全車種最高速を記録する鬼神の走りをするもコースオフ!車を降りた川畑は「自分の未熟さが原因です。一から出直します」と声を震わせた。誰もが斉藤の開幕4連勝は確実と思われたが、準決勝で斎藤のマシントラブルが発生し、まさかの敗退。決勝はD1グランプリ1年目の松山とD1開催当初から参戦し10年目を迎える村山の対決となった。

どちらも勝てば初優勝。ここで村山は安定した走りを魅せて見事に勝利し、D1グランプリ史上31人目のウィナーとなった。さらに、アニメの舞台が茨城県・大洗町ということから、初優勝の地が“アニメの地元県”というサプライズも。

現在36歳、大学生時代からドリフトに打ち込むもののD1グランプリでは勝利のなかった村山は「今まで苦労してきたことが報われた気がします。本当にうれしいです」と目に涙を浮かべながら語った。表彰台から降りた後、多くの関係者や、コースに入ったファンが村山を取り囲み、祝福の言葉を受けていた村山。1人1人に「ありがとうございます」と応える姿が印象的であった。

次回のD1グランプリは、8/6(土)〜8/7(日)、「ジャンプドリフト」で知られる福島県のエビスサーキットで行われる。【東京ウォーカー】