癌やエイズ…死の宣告と同等!? 7割の治療女性が陥る「不妊ストレス」の実態

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一般的になって久しい、不妊という言葉。近年ようやく治療費助成や周囲の理解が進んできた印象ですが、治療中の女性がどれほどのストレスを抱えるか、ということまで考えたことがあるでしょうか。

先の見通しづらい不妊治療を続ける女性には、じつは想像以上のストレスがかかっていたのです……!

■知ってた? “日本は世界一の不妊治療大国”という事実

結婚してしばらくしたら赤ちゃんができて……そんなエスカレーター式に家庭が築かれていく様が当たり前だと思っている人は、案外少なくないのではないかと思います。しかし、産婦人科専門医による著書『卵子はよみがえる「不妊治療」の先の真実』にはこうあります。

<不妊治療専門のクリニックは全国に600軒、体外受精の件数は24万件。(中略)どちらも世界最多です。いつの間にか「日本は世界一の不妊治療大国」となっているのです。>

「私の周りではそんなに聞かないけど」と思っても、それが真実とは限りません。不妊治療をしていることを、誰にでもふれ回る人の方が珍しいもの。

きっかけがあってよくよく聞いてみたら、じつは何年も治療に取り組んでいた、という人は少なくないと思います。

■先の見えない治療に……7割の妊活女性が、うつ状態!?

この国で多くの夫婦が苦しむ、不妊。原因は男性にあることも多いのですが、治療で圧倒的に心身に負担を強いられるのは、やはり女性です。

治療を始めて運よくすぐに授かればいいのですが、長く続いてしまった場合、体よりも心が辟易としてしまう。

いわゆるうつ状態ですが、同書はこんな数字を挙げています。

<不妊治療を受けている女性の60〜70%は精神的な抑うつ状態にある、と(報告)されています。>

この6〜7割という割合、不妊治療経験者の中には、むしろ低くすら感じる人もいるかもしれません。

いつ授かるのか、それともずっと授からないままなのか……それが全く見えないまま進めることになる不妊治療。その間の精神的・肉体的負担、金銭的負担、やりくりしなければならない時間……そのすべてがストレスになると言っても過言ではないからです。

■癌やエイズ、死の宣告と同等のストレス!? 当事者にしかわからない、不妊の辛さ

それがどのくらいのストレスなのか。同書には非常にわかりやすく、かつショッキングな記載があります。

<不妊が与える精神的ストレスの深刻さは、がんやエイズなどで余命宣告を受けた場合と同等であるという専門家もいます。(中略)まるで死の宣告を受けたかのような心理過程を歩む女性に出会うことが少なくありません。>

不妊という現実は、女性にとって容易に受け入れられるものではありません。それはなぜか。その答えとなりそうなことも、同書にはありました。

<(妊娠を望む理由を聞くと)女性であれば、そう望むのは当たり前、という人もいます。産めて当たり前、それが「普通」、と捉えている場合です。(中略)しかし、その「普通」のことができないとなると、自分は女性として劣っているのではないかという感情が芽生える人もいます。>

■悩み過ぎないで! 不妊への理解はこれからも広がるはず

筆者の母は、20代で私を含む子供3人を産みました。親戚は父方も母方も、兄弟の子供、つまり筆者のいとこがそれぞれ2〜3人いる家庭がほとんどです。

近年、不妊がクローズアップされるようになったのは、女性の活躍による晩婚化も要因の一つ。年齢が上がれば相対的に妊娠しづらくなるという一面があるのは事実なので、一昔前より不妊が深刻なのも間違いない。

しかし、母が若かった時代にも不妊に悩む女性は大勢いたはずなのです。先述の、“産めて当たり前、それが「普通」”という考え方が、その時代は今よりも強くはびこっていたであろうことは、想像に難くありません。

そう考えると、徐々にとはいえ不妊への理解が広がってきた現代の女性は、少し気持ちを楽にできるのではないでしょうか。

以上、不妊が女性に与えるストレスについてでしたが、いかがでしたか?

不妊という現状にストレスを溜めるな、と言われても難しいかもしれません。だけどせめて「自分は普通じゃない」「劣っている」なんて、考えないでください。何が“普通”かなんて、正解はないのですから。