日経平均株価チャート(15分足・10日) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

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 6月24日の日経平均株価は「英EU離脱ショック」で急落しました。24日の日経平均株価は前日比1286.33円(7.92%)安の1万4952.02円と、年初来安値を更新し、2014年10月21日以来およそ1年8カ月ぶりの安値水準に沈みました。下げ幅はITバブル崩壊時の2000年4月17日以来、約16年2カ月ぶりの大きさを記録しました。

 ここまでの急落となった最大の理由は、世論調査に関する事前報道が「残留優位」という方向に投資家をミスリードしたことです。EU残留を呼びかけていたジョー・コックス下院議員が殺害された16日以降、残留派の巻き返しを示す報道が相次いだのです。

 この結果、16日以降の市場は「残留」を織り込む格好で、順調に戻りを試していました。実際、23日のシカゴ日経平均株価先物9月物は1万6495円大証比325円高でした。EU残留支持が優勢との世論調査の結果が伝わったことが買い材料になりました。

 そして24日、日経平均株価先物9月物は1万6290円で始まった後、9時7分に1万6360円に本日高値を付けました。しかし、開票が進むにつれ「離脱派」が優勢になったことで、徐々に売り圧力が増し、日本時間の昼休み中に、「これはほぼ離脱で決まりだな・・・」ということを多くの投資家が覚悟を決め始め、投げ売りが加速していきました。

 そして、14時33分には1万4790円の本日安値を付けました。通常取引の清算値は前日比1220円(7.54%)安の1万4950円でした。1万4790円から若干下げ幅を縮小させた背景は、日銀の臨時会合開催や、政府による経済対策策定への期待があったと思われます。なお、英国のEU離脱を受け、安倍首相が出席する関係閣僚会議を18時から開くと発表されています。ここには、麻生財務相らが出席し、一時1ドル=98円台まで急騰した円高への対応などが議論される見通しです。

日経平均株価は今日の急落で「離脱」を織り込んだが、
移民問題と格差社会が注目されると今後の日本株にはマイナス

 日経平均株価は24日の急落で一応、「離脱」を織り込んだとみてよいでしょう。

 しかし、今回の英国離脱を受け、今後予定されているスペイン、ドイツ、フランスの選挙において、EU離脱派が勢いを増す可能性が高くなりました。このため、EUの存在自体への不安が燻り続け、各国の選挙結果に対して、投資家が神経質に反応する状況が続くでしょう。

 また、今回の英国国民の決断の背景は、「移民問題に上手く対応できないEUと現在の英国政府への不満」「格差社会への不満」が大きいとみられます。これは、米国の大統領選挙において、トランプ共和党候補に追い風になるでしょう。そして、それは日本株にネガティブです。

 つまり、現時点において、日本株は英国離脱問題は織り込んだものの、その後の流れ次第では、世界の金融市場は不安定な状況が続くかもしれません。

NY市場が上がれば週明けの日本株は上昇するが、
週末に各国の政策当局が発表する政策も重要となる

 短期的な運用戦略としては、今晩のNY株式市場が意外にも上がったら、週明けの東京株式市場でも買い戻しが加速するでしょう。そうなれば、日経平均株価はいったん5日移動平均線(24日現在1万5878.10円)程度までの戻りが見込まれます。

 逆に、下がったら場合ですが、日本時間午後の時間外取引でのNYダウは前日比600ドル安程度で推移していましたので、600ドル安程度は、24日の日経平均株価は織り込み済みです。ザックリ言えば、1000ドル安とかで終わらない限り、週明け27日の日経平均株価は買い戻し先行で、スタートする見通しです。

 27日の月曜日に関しては、日本時間24日夕方から土日の間の日米欧の政策当局が、どのような政策を打ち出すかを見極めないとなりません。効果的な対応が出てくれば、「買い」です。しかし、そのような対応が出ないようなら、「見送り」でしょう。なぜなら、具体的、かつ効果的な対応が打ち出されないと、世界的に株式市場は「政策催促相場」に突入する可能性があるからです。

しばらく乱高下が続く可能性は高い
ボラティリティが収まるまでは投資金額を抑えよう

 なお、短期的・中長期的な株式市場と為替の見通しは、現時点では、あまりに不確定要素が多すぎて、正直、分かりません。

 繰り返しますが、英国のEU離脱というネガティブサプライズはほぼ織り込み済みです。しかし、今後は、他のEU諸国の選挙や、日本の参議院議員選挙、米国の大統領選挙などの結果次第では、日本株も円相場も大きく変動するからです。

 ただ、ひとつ言えるのは、今回の件を受け、株式相場も為替相場もボラティリティーが上昇し、これが低下するまでは、乱高下は続く可能性が非常に高いということです。

 このため、個人投資家の皆さんは、ボラティリティーが高いうちは、平時に比べて、リスク資産への投資金額を抑えるべきです。つまり、ある銘柄を買う場合、平時なら300万円買う人も、半分の150万円、3割の90万円程度に抑えましょう。また、信用取引を行う場合も、維持率100%超を維持しましょう。そして、ロスカットを厳格に行いましょう。とにかく、市場のボラティリティーが低下するまでは、リスク管理をより厳格化し、安全運転を心がけましょう。