つまり高血圧と高尿酸血症が合併していると、腎障害が起きやすいということだ。また高血圧の人は、薬で血圧を下げても、尿酸値が高いと大血管障害(太い血管の動脈硬化などで起きる心筋梗塞や脳梗塞)などのリスクが下がらないと言われている。
 東京都多摩総合医療センターの循環器科外来担当医は、こう説明する。
 「高尿酸血症を合併する高血圧の患者さんには、尿酸値を低くする降圧剤を利用する方法もありますが、その場合、血圧の治療だけでなく尿酸値の状態も確認しておく必要があります。合併症を防ぐためには大事なことです。また、生活習慣の改善を併用しても尿酸値が下がらない場合、高尿酸血症の段階から薬物治療を始めた方がいいと思います」

 ガイドラインでは、尿酸値8以上で高血圧患者の薬物治療を進めているが、これは主に痛風予防の観点からの提言だ。
 「高血圧に合併する高尿酸血症は、脳心血管疾患のリスクを高めていますが、痛風発作がなくても尿酸値が7を超えたら薬物治療を考えた方が得策と思われます」(同)

 前述の通り、厄介なのは、高血圧と高尿酸血症が合併すると腎障害のリスクが高まり、高血圧の人は薬で血圧を下げても、大血管障害の危険度が下がらない点。肥満と高尿酸血症は直接結びつき、BMI(肥満度を表す指数)が上がるに従い高尿酸血症が増えることも確認されている。
 いずれにしても、尿酸値が高い状態を放置していると、高血圧や脳卒中、狭心症、虚血性心疾患などの合併症のリスクを高めてしまうことを頭に入れておこう。

 専門家によれば、尿酸値の上昇や痛風の発作を防ぐには薬物治療を行うことがほとんどだが、目標の数値は6/dl以下だとする。
 「1年以内の痛風発作の再発率は15%。7mg/dlでは30%、5mg/dl下なら10%未満です。治療しない人の再発率は1年で62%、2年で78%、10年では90%を超えてしまう。治療薬としては、尿酸が作られるのを抑制する尿酸生成抑制剤と、尿酸の排泄を促す尿酸排泄促進剤の二つのタイプがあります」(専門医)

 2011年には、前者の尿酸生成抑制剤と同様のタイプとして、40年ぶりに国内初の新薬が登場している。従来の薬は、代謝物が体内に残り副作用が起きる可能性があった。腎機能が低下した患者には薬の減量が必要で、尿酸値が十分に下がらないこともあったという。
 「この新薬の場合は体内にほとんど残らないのです。腎機能が低下していても比較的安全に使用可能で、1回の服用で長時間効果が続く。尿酸値の変動が起こりにくく、痛風発作予防の面からも使いやすいと言われています」(医療ジャーナリスト)

 尿酸値が上がり痛風を患う人の数は世界的にも増加しており、アメリカでは甘味飲料の消費量の増加に伴い過去数十年間で患者数が倍増している。とくにメタボリックシンドロームの人は、思わぬ病の発症に注意しよう。改善のカギは、1日の総カロリー数を抑えること。レバーなど、プリン体を多く含む食品は控えるべきだ。