糖尿病治療もついに外科の時代に

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生活習慣の改善や薬物療法など、標準的な治療で血糖値が改善されない2型糖尿病患者には、「Metabolic surgery」と呼ばれる減量手術を治療の選択肢として推奨すべき――各国の糖尿病分野の学会など42団体が、糖尿病治療の新たな指針を共同声明で発表した。

「Metabolic surgery」は、胃と小腸をバイパスする、いわゆる「減量手術」によって食事摂取量を制限し、血糖値を安定させる外科治療のこと。単純に食事量が減るだけでなく、手術そのものにも血糖値を安定させる効果があることを示す研究結果が発表されており、一部の医療機関ではすでに糖尿病治療法として取り入れられていた。

共同声明では、手術を推奨する理由として、糖尿病の薬物療法や生活指導の方法は進化しているにもかかわらず、治療目標の血糖値まで改善できているのは、全糖尿病患者の半数以下となっており、より高い改善が期待できる治療法が必要であると考えたためとしている。

ただし、無秩序に手術を推奨するわけではなく、ガイドラインも発表されている。「2型糖尿病の有病者」で、かつ「生活習慣指導と薬物療法による血糖値改善が見られない肥満(BMI40以上)、もしくは過体重(BMI35〜39.9)の患者」もしくは「BMI30〜34.9で高血糖」の場合に手術を考慮するよう提案。

アジア圏の患者の場合は、BMI値を前述の数値から「2.5」差し引いた数値が目安になるという。手術のリスクは低いものの、食事摂取量が減るため、生涯継続的な栄養サポートが必要になる可能性もある。声明では「軽度の患者や若年層への手術は、まだ検討する必要がある」としている。発表は、2016年5月24日、米国糖尿病学会誌「Diabetes Care」オンライン版に掲載された。

参考文献
Metabolic Surgery in the Treatment Algorithm for Type 2 Diabetes: A Joint Statement by International Diabetes Organizations.
DOI: 10.2337/dc16-0236 PMID:27222544

(Aging Style)