24日、中国メディアはEUからの離脱派が勝利した英国の国民投票の結果を受けて、「中国人は代議制民主主義と国民投票の『抱き合わせ』が今後どうなっていくのか注視するべき」と論じる記事を掲載した。

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2016年6月24日、環球網は23日に行われた英国の国民投票でEU(欧州連合)からの離脱派が勝利したという結果を受けて「中国人は代議制民主主義と国民投票の『抱き合わせ』が今後どうなっていくのか注視するべき」と論じる記事を掲載した。

EUからの離脱の是非を問うた23日の英国の国民投票では、離脱派と残留派の得票率はそれぞれ51.9%と48.1%で僅差により離脱派が勝利した。この投票結果を受け、24日に英ポンドとユーロはそれぞれ10%と3%の大幅安となり、キャメロン英首相も同日辞意を表明した。しかし、スコットランドは英国からの独立要求を強めており、北アイルランドとウェールズもロンドンに対する不満を募らせている。記事は「かつては『太陽の沈まない国』と称された英連合王国も分裂して300年前に逆戻りし、最終的にイングランドだけが残るかもしれない」と論じた。

記事はさらに今回投票した英国民は年金や移民問題といった身近な話題を考えて投票を行ったが、そうした人々は国家やグローバルレベルで解決が必要となる大きな政治課題は念頭に置いていないと主張。そして仮にいま国民投票で決める課題が「英国の核兵器と原子力潜水艦を売り払って国民の福祉を充実させる」といったような事柄になるなら、民族主義者が過半数の選挙民を扇動して「イエス」と回答させるようなことも可能かもしれないとした。

記事は続けて英国のEU離脱はとどのつまり「欧州の衰退」を表しており、増え続ける移民やテロの問題に現在欧州はなすすべがなく、国民も困惑し、同時に各国に極端な民族主義的風潮が高まっていると指摘した。ある専門家は国民投票は必ずしも国家の重大な政治課題を決める有効な選択肢ではないと主張し、英国は代議制民主主義の国家であるにもかかわらず、政治家でも是非の判断に迷うような複雑な政治課題の決定を国民に委ねることは、政治家の国民に対する責任放棄にほかならないと論じている。

最後に記事はEUはいま最も困難な時期を迎えているが、この変化の時代にあって一番有利になるのは米国だと主張。米ドルの強敵の地位が揺らぎ、米国も欧州を政治的にコントロールしやすくなるからだ。また中国社会にとってみれば、現在はグローバル化と民主主義という重大な問題が危機に差し掛かっている時期であり、中国人は代議制民主主義と国民投票の「抱き合わせ」が今後どうなっていくのか注視するべきだと論じた。(翻訳・編集/矢野研介)