国立精神・神経医療研究センターとヤクルトの共同チームは2016年6月9日、うつ病患者は腸内の善玉菌が少ないという研究成果を発表した。

うつ病患者には過敏性腸症候群を発症している人が多いこともわかったという。

医療機関で治療を受けるうつ病患者は年間約70万人、治療を受けていない患者数はその3〜4倍いると推定されている。うつ病の原因は不明な点が多いが、近年、腸内細菌が脳にも影響を及ぼしており、うつ病の発症に関係しているのではないかという報告が増えている。

そんな中、研究チームはうつ病患者43人と健康な57人を対象に、腸内の善玉菌であるビフィズス菌と乳酸桿(かん)菌の数を比較した。その結果、うつ病患者のグループは健康な人のグループに比べ、2種類の菌がともに少なかった。また、ビフィズス菌、乳酸桿菌の数が一定値以下だと、うつ病発症リスクがそれぞれ3倍、2.5倍高くなった。

さらに、うつ病患者のグループでは、下痢や便秘を伴う腹痛が繰り返され、ストレスで症状が強くなる「過敏性腸症候群」を発症している人が多かった。健康な人で発症していたのは12%だったのに対し、うつ病患者は33%いた。

研究チームは今後、「プロバイオティクス」という生きた善玉菌を含む乳酸菌飲料などの食品がうつ病の改善や治療に活用できないか研究を進めていく考えだ。