なぜZeldaシリーズは毎回発売が遅れるのか。任天堂・宮本茂氏と青沼英二氏が回答

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任天堂を代表するIPの一つであるZeldaこと『ゼルダの伝説』シリーズは、なぜ毎回のように発売が遅れるのか。海外メディアのKotakuが「ゼルダ」シリーズのプロデューサーである青沼英二氏と、その上司で「ゼルダ」の生みの親である宮本茂氏に、ファンなら抱いて当然の疑問をぶつけたインタビューが公開されています。

過去20年における「ゼルダ」シリーズは、ほとんど全てが発売延期されていて、たいていは予定より1年ほど遅れています。この4月にも新作「ブレス オブ ザ ワイルド」が「さらなるクォリティ向上のため」2017年に発売延期と発表され、当初の予定から2年遅れに。『マリオカート』や『マリオパーティ』など、任天堂の他のシリーズはほぼ期日通りに発売されており、なぜ「ゼルダ」だけが?と訝しく思うのも無理からぬこと。

遅れが目立ち始めたのは3Dアクションに移行して以降で、その第一弾「時のオカリナ」はNINTENDO64が発売された1996年内の予定が98年までずれ込み、「風のタクト」は2002年から 2003年へ。当初はゲームキューブ用に2005年発売予定だった「トワイライトプリンセス」も、結局は2006年に延期され、新ハードWiiのローンチタイトル(ゲームキューブ用も発売)になっていた......という経緯は、Wii U専用のはずが新ゲームハードNX(開発コード名)用の開発も進められている「ブレス オブ ザ ワイルド」そっくりです。


記者がプロデューサーの青沼氏に積もる疑問をぶつけたところ、「本当はみなさんにプレイして楽しんでもらえるよう、少しでも早くリリースしたいのです。が、「ゼルダ」を開発するときは、 なにか新しいものにしたい。それにはどれだけ時間がかかるか分からないし、どこまでやれば「新しい」といえるか判断がしにくいのです」と回答。

青沼氏は「時のオカリナ」からシリーズに参加し、それ以降は全ての主要タイトルにおいてディレクターないしプロデューサーとして開発を主導している人物。最初にリーダーを務めた「ムジュラの仮面」は予定通りに発売されているので、青沼氏が「ゼルダ」延期の伝統をスタートしたわけではありません。

この回答をとても額面通りに受け取れなかった記者は、さらに数日後、上司である宮本茂氏にインタビュー。「僕が考えるに、遅れにはいくつか理由があるんです。一つは方向性が決まってない、これがたぶん最悪のケースです。もう一つは、方向性は決まっているものの、それを実現するためにはとても時間がかかる。半年かかるかもしれないし、十分やるためには1年かかるんです」とのこと。

さらに部下であり開発現場を指揮している青沼氏について、宮本氏はこう述べています。
「彼は苦しい立場にあるんです。「これは出来ません」とは言えない。だから、誰かが客観的に判断しなくちゃいけない」

そういう宮本茂氏ご本人は、「面白くない」と判断すると白紙に戻すちゃぶ台返しの名人(時には細かくひっくり返す「オセロ」の場合も)として知られ、やはり言葉通りには受け取れないかもしれません。

現在開発中の「ブレス オブ ザ ワイルド」はオープンワールド(攻略順に縛られず自由に世界の探索ができる)や物理エンジンおよびAIの導入など、「ゼルダ」シリーズとしては初めてづくし。そのため開発が長引くのもうなずけますが、宮本茂氏からはモノリスソフトから100人以上が参加しているというコメント(追記:その後、「モノリスソフトだけで100人」ではなく「任天堂とモノリスソフトを含めて100人以上のスタッフ」と訂正がありました)もあり。同社は『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』でオープンワールド開発の実績もあり、「スカイウォードソード」にて「ゼルダ」シリーズにも参加済みで、発売日はともかく面白さは期待していいところでしょう。