23日、中国新聞網は英国のEU離脱が日本へ与える影響について分析した日本の華字メディアの文章を紹介した。

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2016年6月23日、日本の華字メディア・新華僑報網は英国の欧州連合(EU)離脱が日本へ与える影響について分析した。

英国民にEUからの離脱を問うた23日の国民投票では、離脱票が残留票を上回り、英国は28カ国に拡大したEUから脱退する初の加盟国となった。自ら率いた残留派が敗北したことを受け、キャメロン英首相は24日すでに辞意を表明している。

紹介された記事では、距離がより近く同じ「欧州仲間」であるドイツ・フランスとは対照的に、日本政府は英国をなんとしてでもEUに残留させるため、今年5月初旬に安倍首相がロンドンを訪問した際には、キャメロン首相に「冷静の上にも冷静に」なるよう勧め、万一の場合には日本の英国に対する投資の魅力が失われる懸念を伝えたという。さらに5月下旬に仙台で開かれた主要7カ国(G7)の財務省・中央銀行総裁会議でも、日本は議長国として「英国のEU離脱が目下最大の政治的リスクになっている」というコンセンサスを作るためリーダーシップを発揮した。

記事はさらに、日本はドイツ・フランスのように英国のEU離脱により大きな政治的影響を受けることが予想される国ではないが、しかし「対岸の火事」にはしていられない状況があると指摘。経済面から見ると、英国のEUでの立場はドイツやフランスほどではないものの、同国経済の欧州全体に占める比率は16%を超えており、英国は日本が欧州市場を開拓する上でのキーポイント(拠点)となっている。統計によると、英国には約1000の日系企業が進出しており、2014年末時点での対英投資総額は380億ポンド(約5兆3000億円)という巨大な額に達している。日立グループの中西宏明会長は英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じた際、「英国は日本が鉄道などのインフラと原発などのコア技術で欧州市場に進出する際の『拠点』であり、英国は世界最大の経済圏を失うべきではない」とその懸念を表明している。

記事はまた英国がEUを離脱すれば、日系企業の欧州戦略全体に多大なショックを与え、グローバルリスクを避けた投資家たちが「円買い」を行って円高が進むことで日本の輸出企業の業績が急速に悪化し、観光業も発展から衰退局面に陥ることが予想されると主張した。

一方、英国のEU離脱により、日本は単独で「中独製造業連携」との競争に向き合わなければならなくなるとも論じた。ドイツと中国は現在それぞれ「インダストリー4.0」と「メイドインチャイナ2025」(いずれも製造業の高度化を目指すプロジェクト名)で両国のパートナー関係を強化しているが、英国がEUを離脱して不安定化すると日本は欧州における頼れるパートナーを失うことになる。

政治面では、日本の世論はEUには「親中派」の国が多いと見なしているが、英国は米国との「特殊な」関係を有しているため有力なパートナーだったと記事は主張。南シナ海情勢が複雑化する中、日本は日米同盟を強化し、英国をその仲間に引き入れ、さらにドイツ・フランスにも働きかけて中国をけん制しようと図っている。しかし、英国がEUを離脱してしまえば、ドイツやフランスへの影響力は大きく削がれることになり、日本の外交戦略にも影響が及ぶことは間違いない、と論じている。(翻訳・編集/矢野研介)