もしも子猫を拾ったら…? 経験者に聞いた“保護から里親探し”まで、知っておくべき4つのポイント

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休日に河原を歩いていると、どこからか弱々しい鳴き声が。近づいてみたらダンボール箱に入って子猫が捨てられていた! ……いかにもマンガ的なシチュエーションだが、現実に誰にでも起こりうることだ。

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私事ながら、筆者の姉(関西在住)は先月と今月、立て続けに捨てられた子猫と遭遇。すぐさま保護して里親探しに奔走する事態となっていた。

もし散歩中に、通勤通学中に、捨てられているらしい子猫を見つけたらどう対処すればいいのか?

今回は子猫の保護を経験した人たちから話を聞き、保護してから里親探しまでのポイントをまとめてみた。

1. その猫は本当に拾ってもいい?

意外に見落とされがちなのは、そもそも拾ってもいいのかという問題。ダンボールに入っているなら間違いなく捨て猫だが、そんな分かりやすいケースばかりとも限らない。ボランティア関係者によれば、屋外で鳴いている子猫でも「慎重に判断しなければならない」場合があるという。

・たまたま母猫がエサの調達などで離れているだけかもしれない
・母猫が子供を1匹ずつ咥えて、別の場所へ移動させている最中かもしれない
・地元のボランティアが世話している「地域猫」かもしれない

鳴いている子猫をしばらく観察して、母猫が戻ってこないか確認してから保護の判断をしたほうがいいだろう。地域猫(ボランティアが共同管理する猫)かどうかは、片方の耳先がV字型にカットされていることで見分けられる。これは不妊手術済みのサインであり、生後およそ半年からボランティアによる捕獲と手術が行なわれることが多い。

「できればご近所の人に聞き込みをして、どういう素性の子猫か、母猫や兄弟猫はいるのかなどを確かめたほうが無難かもしれませんね。助けてあげるつもりが、家族と引き裂くことになってはいけませんから」(ボランティア関係者)

一方、できるだけ早く保護するべきケースもある。

・ひどく痩せている、脚を引きずるなど目立った衰弱が見られる
・川沿いや溝の中など、放置すると死に繋がりかねない場所にいる
・日をまたいで長時間、切迫した声で鳴き続けている

子猫は成猫よりも衰弱するスピードが速いので、生命の危機を感じたら素早く救助してあげたいところだ。

「自分だけで助けるのが難しいと感じたら、思い切って近くの通行人に手伝いを求めるのもいいでしょう。一緒に救助した仲間意識が芽ばえると、保護した後も連絡を取り合ったりして精神的負担を減らすことができますので」(同ボランティア)

2. まずは最優先で病院へ

救助が必要な子猫を保護したら、次にやるべきは「動物病院に連れて行くことです」とボランティア関係者が口を揃える。子猫の場合は特に、小さな異変を見逃すことが命の危険につながりかねないからだ。

動物病院では、子猫についてさまざまな診察を受けることができる。

・性別、およその月齢
・離乳しているかどうか
・寄生虫の有無
・ケガ、後遺症の有無
・脱水症状など素人には見つけにくい衰弱具合

また、猫の飼育経験がない人でも、どんな物が必要か、どう育てればいいのかといったアドバイスをプロの獣医師から受けられる。そのほか、里親探しのときにポスターを貼らせてもらえるなど、動物病院のお世話になる機会は多い。

「遅い時間帯に猫を拾ったとしても、割増料金を払えば時間外に診察してくれる獣医師さんもいます。費用がすぐ払えない場合に分割払いを認めてくれるところもありますので、『もう夜だから明日連れて行こう』『給料日までは来院を控えよう』などと遠慮せず、まずは問い合わせてみるといいでしょう」(ボランティア関係者)

3. 子猫の育て方・しつけ方を知る

保護した子猫を飼い続けるにしても、里親探しするにしても、育て方を知っておく必要がある。しかし猫は生まれて最初の1年間で、人間に換算して約20歳まで急激に成長するため、飼育経験のない人はパニックになってしまうかもしれない。

そこでオススメしたいのが、ネットユーザーから高い支持を得ている電子マニュアル本『てのひら子猫の育て方』。獣医師のむーちょさんが執筆し、イラストを猫野サラさんが手がける、無料の冊子である。

全26ページの冊子には、猫が生後8ヶ月(不妊手術のタイミング)を迎えるまでのライフイベントが細かく書かれていて、これ一冊で必要な育て方ノウハウがほぼ網羅されていると言えるほど。ネットユーザーだけでなく、ボランティア関係者にも好評だ。

もう1つ、困ったときのためにおぼえておきたいのが、NPO法人「東京キャットガーディアン」が提供する無料サービス「ねこねこ110番」。24時間体制で、猫に関する電話相談を受けてくれる。

育て方の基本的なところは、獣医師や飼育経験がある知人に質問し、自分で学習したいなら『てのひら子猫の育て方』を読む。それでも困ったときは「ねこねこ110番」へ電話相談する。こうした外部の助けも借りながら、無理しすぎることなく子猫を育てていきたいものだ。

4. 里親探しは焦らず慎重に!

拾った子猫を自分の家で飼えない場合、新たな飼い主(里親)を探さなければならない。この里親探しには、大きく分けて2つのアプローチがある。

1つは、住んでいる地元のネットワークを活かすこと。

・所属している自治会、サークル仲間、ママ友などに猫の里親募集を知らせる。
・行きつけの動物病院やショッピングセンターに里親募集のチラシを掲示してもらう。

こうしたアプローチは、その土地に長く住んでいるほど、また人脈が広いほど効果的だ。里親さんも自分と近いところにいるため、譲渡後に猫の様子を見に行きやすく安心感が高い。

もし学業や仕事の都合で別の土地に引っ越していた場合、なかなか地元のネットワークは利用しにくい。こんな場合は、もう1つの方法、インターネットを使って広く里親を募集するアプローチも有効だ。

ネット上には「いつでも里親募集中」「日本ヒューマン&ペット協会」などの里親募集サイトが存在している。ここへ子猫の写真とプロフィールを登録しておけば、猫を飼いたい人からの連絡を受け取ることができる。

募集サイトを使えば広い範囲から里親候補者を募集できるが、同時に里親詐欺(動物をだまし取って虐待する)のリスクも高まる点には気をつけたい。

里親詐欺や無責任な飼育を防ぐためには、以下のような点を徹底する必要がある。

・必ず希望者の自宅へ訪問して、飼育環境を直接見せてもらうこと
・希望者本人だと証明できる身分証を見せてもらうこと
・賃貸物件に住んでいる場合、ペット飼育が可能とわかる書面を提示してもらうこと
・最低でも1週間〜1ヶ月間はお試し飼育(トライアル)期間を設けること
・譲渡時は誓約書に必ずサインしてもらい、保存しておくこと
・譲渡した後も定期的に、猫の様子を写真付きで報告してもらうこと

「保護主さんは『誰でもいいから早くもらってよ!』と急いで里親を決めたくなりますが、猫にとってはその後の一生が決まってしまう重要な決断です。慎重に検討を重ねて、この人なら大丈夫と思える候補者に譲るようにしてください」(ボランティア関係者)

なお、譲渡時の誓約書はゼロから自分で作成しなくても、里親募集サイトで公開されているフォーマットを使えば手間がかからない。(【参考】「いつでも里親募集中」が提供する誓約書フォーマット)

こうした資料もうまく活用し、せっかく助かった猫が末永く幸せに生きていけるよう力を尽くしたい。