バブル崩壊後の日本経済は「失われた20年」に突入したと言われる。そしてまだ経済成長が実現できていない以上、「失われた20年」からの脱却も実現できていないということになる。中国メディアの中国工業網は21日、もし「日本の失われた20年」という言葉を全面的に信じるなら、中国は日本に「してやられる」かもしれないと論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 バブル崩壊後の日本経済は「失われた20年」に突入したと言われる。そしてまだ経済成長が実現できていない以上、「失われた20年」からの脱却も実現できていないということになる。中国メディアの中国工業網は21日、もし「日本の失われた20年」という言葉を全面的に信じるなら、中国は日本に「してやられる」かもしれないと論じる記事を掲載した。

 中国には「迷魂陣村」と呼ばれる古戦場がある。山東省にあるこの村は迷路のような作りとなっているため、侵入した敵に方向感覚を失わせることができたと言われている。記事は日本の失われた20年という言葉はまるで「迷魂陣村」のように、中国人に日本経済の実力を見誤らせる働きがあると警戒心を示している。

 記事はまず、「失われた20年」にあるはずの日本だが、日本企業には「強靭さ」があると指摘。記事によればこの強靭さとは日本企業に宿るイノベーションの「独特の強さ」のことだ。強靭さの理由の1つは「他人から失敗を指摘されればされるほど、イノベーションのための力が増強される」という日本人の態度にあると指摘。日本企業は批判を糧に「改善する力」を持っていると説明した。

 続けて、日本企業の強靭さのほかの要因として、中国のアナリストたちが「消費者イノベーション」と名付けた日本独特のイノベーション方法を指摘。「消費者は神様」という考え方を基に、日本企業は消費者の要求を「ぴったり」実現させるイノベーションが非常に得意だと説明した。そのため日本の消費者は非常に成熟しており、肥えた目を持つ日本市場で磨き上げられた製品は世界市場でも通用する製品になる。これが日本企業のイノベーションの独特の強さになっているという見方を示した。

 記事はこの強靭さは「製造業の真の競争力である」と説明しており、「日本の失われた20年」という言葉に惑わされるなら中国は日本に「してやられる」かもしれないと結論付けた。

 トムソン・ロイターの「Top100 グローバル・イノベーター2015」はその資料の中で「イノベーションは間違いなく世界経済を推進するための原動力」と説明している。記事は日本企業に宿るイノベーションの独特の強さが日本企業に強靭さを与えていると指摘しているが、当を得た分析だと言える。

 強靭であるということと単に硬いこととは全く意味が異なる。どれだけ硬い物でもより強い衝撃が加えれれば崩壊してしまう。しかし強靭さをもつものは硬さの中にしなやかさを兼ね備えているため、強い衝撃が加えられてもそれを吸収することができる。記事はこうした日本企業の強靭さを決して見誤ってはいけないと中国の読者に警告を発している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)