23日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、「抗議続出!球界混乱!? 検証コリジョンルール」と題し、野球解説者の里崎智也氏、森本稀哲氏が出演。現役時代は捕手(里崎氏)と野手(森本氏)だった両氏がそれぞれの立場からコリジョンルールについて語った。

コリジョンルールとは、ホームベース上でのクロスプレーにおける選手のケガを防止するため走者のタックルや、捕手の走路妨害を禁じたもの。MLBでは2014年から、日本球界でも今シーズンから導入された。

だが、シーズンが始まると物議を醸すシーンがたびたび見られるように。5月の巨人−阪神戦では、一度はアウトと宣告されるも、ビデオ判定により裁定は逆転。阪神捕手・原口文仁の走路妨害と見なされ、巨人に得点が入った他、今月14日の広島−西武戦でも西武捕手・上本達之が走路妨害を行ったとして裁定が覆り、広島がそのままサヨナラ勝ちを収めている。

「どこまでがセーフでどこまでがアウトか。現場も含めて分かり辛いところが一番混乱を招いている要因なんじゃないか」という里崎氏に、森本氏も「野球自体が変わってますし、方向性も変わってきています。そういった意味では疑問が残るところもある」と同ルールに疑問を呈した。

しかし、巨人−阪神戦のシーンを振り返ると、野手出身の森本氏と、捕手出身の里崎氏で、その見解は違った。

森本氏が「ここまでやってしまうと外野手としてはキツイ。本当に完璧なプレー(ホームへの送球)だけしか無理だってことですよね」と苦笑いを浮かべると、里崎氏は「原口選手がホームベース上、走路に入ってタッチしにいってますから。コリジョンルールで言うならば適用される。今現状のルールでいうとダメだよね」と話した。

それでも、広島−西武戦の裁定については「これがコリジョンルールが適用されてしまったことは正直ビックリした」という里崎氏。同ルールでは、送球が逸れたことで捕手が走路を塞いだ場合は適用されないため、「(上本は)仕方なく走路上に入ってしまった」という見解も。

加えて、これで走路妨害とされるのであれば、「前に捕りにいって、そっからタッチをしにいかなければいけない」と続けた里崎氏は、「(ボールが逸れた場合は、走路に)入れないんで(捕球を)見送る」とチクリ。

「見送る、あるんですか?」と驚いた森本氏に、「でも走路上に入れないから。前で捕る、もしくは後ろにいったら走路入りますから、もう見送るしかない」とお手上げのように説明した里崎氏は、実際のプレーにおいても「前にいってから(ボールを)捕って、そっからタッチに行くって明らかに不自然。このようなプレーでは確実に本塁でアウトにすることはできないので、あれを適用してしまうと、ちょっとプレー自体あり得ない方向に進んでしまうのでコリジョンルールは適用してほしくなかった」と苦言を呈した。